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164 ヴィジャイナ学院からの要請

   

 今日は商業ギルドの別室に案内された。タケルが何故か護衛だと言って付いてきた。商業ギルドに護衛は要らないと思う。


「このボールペンとノートと鉛筆を売って頂きたいと思ってたんですが、この商業ギルドにあるフラットファイルも魅力的ですし、文具は種類を問わないので沢山用意してください」


 目の前の女性は興奮しているようで、何を言ってるのかよくわからない。


「ええと、この方は?」


「ヴィジャイナ学院の先生です。ナナミさんの店で売られてる文房具を学院で売って欲しいそうです」


 ショルトさんが説明してくれた。

 日本でも学校で教科書とか売ってたから、そんな感じなのかな。もちろん『マジックショップナナミ』だけが売りに行くわけではなく他の店も出店するそうだ。休みには家に帰れるといっても寮生活だから買い物が不便という事もあって一年に三回ほど、学院の方に各店舗が売りに来るようになってると言われた。


「クリス様が使われているノートと鉛筆が評判になってますが、さすがに学生がここまで買いに来るのは大変なのです」


 クリス様がヴィジャイナ学院で使うことで宣伝されてたらしい。クリス様って学院で有名なのかな。


「一日だけですか?」


「はい。毎回新学期が始まる日に合わせて販売を行ってます」


 店があるから毎日だと困るけど、一日だけならなんとかなりそうだ。ヴィジャイナ学院はクリリが行く予定の学校だから興味があるし、きっとクリリもヴィジャイナ学院の中を見たいと思う。制服とかあるのかな。本来なら関係者以外の立ち入り禁止区域に入れるのだからラッキだよね。


「タケル王都まで連れてってくれる?」


 私は大丈夫だと思うけど一応タケルに確認する。タケルも一応伯爵様だから何か用があるかもしれない。王都までタケルなしで行くのはキツそうだ。


「おう、面白そうだからいいぞ」


伯爵様なのに何の用もないようだ。私は助かったけど、そんなんでいいの? って言いたいよ。

 まあ、交通手段も手に入れたから日帰りで行けそうで良かったけどね。


「まあ、売れるかどうかはわからないけど行ってみましょう。売り子も連れて行って良いんですよね」


「構いませんよ。何人でも連れてきてください」


 何人も従業員いないからクリリだけなんだけど......。



「学院で売ったら宣伝効果抜群だから色々売るといい。寮だからカップ麺とか売れるだろう」


 先生が帰るとショルトさんが砕けた態度に変わった。先生が居る時とは別人のようだ。


「若い奴ばっかりだから炭酸飲料も売れるんじゃないか」


 タケルも提案してくる。


「えっ? 学校で食べ物売ってもいいの? 先生も鉛筆とかノートの話しかしてなかったよ」


「ヴィジャイナは全寮制だからな。食い物に飢えてるって話だ。金持ちが多いから変わったものには多少お金がかかっても食い付くはずだ」


「そうそう、リバーシとかも売れると思うぞ。娯楽がないからな」


 まあ、ショルトさんがそこまで言うなら腐るものでもないし、売ってみようかな。でも食べ物も売るとなるとコレットさんにも手伝ってもらったほうがいいね。その日は『マジックショップナナミ』は臨時休業にしよう。


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