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161 開店一周年セール 2

   

 クリリが休憩に入った。素早く計算してたクリリと違って私はとろいようだ。来年は三割になった値段を貼っておいたほうがいいね。効率が悪い。

 商業ギルドの皆さんが手伝いに来てくれたおかげでお昼の休憩がとれてるから良かったけど、本当にどうなることかと思ったよ。


「ナナミさんとりあえず三十分休憩だ。商品の補充もあるだろう」


「でもお客さんを待たせるのは......」


「整理券を配ったから大丈夫だ」


「「良かった」」


 私とコレットさんは椅子にどかっと座った。お昼の休憩に入ったとはいえ食べることしかできなかった。


「思ってたより人が来たよ。どこから湧いて出て来るのかしら......」


 街の人口からしたら買いに来る人が多い気がする。


「気づかなかったのか? プリーモホテルの客も多いぞ。プリーモさんがわざわざツアーを組んだみたいだな」


 プリーモめえ! 忙しくなったはずだよ。日頃の感謝を込めての安売りなんだから、新規はいらないのに......新規さんは別の日に来て欲しかったよ。


「でもお金持ちの人たちが、よく列に並んでるよね。侍女の人が並んでるの?」


「いや、並ぶのもこのツアーの楽しいところだと言ってる。金持ちの考えてる事は理解できないな」


 涼しくなったとはいえ、長時間並ぶのは疲れるのにね。お金があっても割引に弱いのはどこでも同じなのかも。

 ジュースを飲んで少しばかりの休憩が終わる頃、クリリも戻ってきた。私が百均で買った商品をクリリが棚に並べていく。

 一番売れてるのがホットケーキミックス。主婦に人気なのとプリーモホテルのお客さんが大量に買ってくれたからだ。二番目は時計。高いから日頃は買えないけど安くなった今がチャンスだって思われたみたい。オールド眼鏡もぼちぼち売れてる。


「ああ、そうだった。ナナミさん今度ヴィジャイナ学院の先生が話があるそうだ」


 ヴィジャイナ学院?  クリリが再来年くらいに通う予定の学校だよね。私に何の用があるんだろう。


「いつがいいか考えてくれたら返事はギルドの方でするから.....今日はそれどこじゃなさそうだから返事は明日にでも聞きにこよう」


 そうだった。今日はそれどころじゃないよ。

 休憩時間を有効に使って在庫を補充した。それでも閉店まで補充ばかりしてた私だった。途中で現れたタケルにも補充を手伝わせ、商品の取り合いで揉めてる客の仲裁もしてもらった。

 閉店まで付き合ってくれた商業ギルドの人たちにはゴルギーのカレーを使い捨ての容器に入れて渡した。とても喜んでくれた。


 そして私たち従業員の夕飯はゴルギーの肉のハンバーグ。コレットさん旦那も招待した。すごーく悩んで、チーズインハンバーグにした。


「これは肉汁がすごいですね。ゴルギーの肉を焼いて食べれるなんて考えたこともなかったですよ」


 ノエルさんが幸せそうに呟く。


「本当にね〜。ゴルギーってこの辺では珍しいし、ステーキの味はサイコーだって言われてるけど食べたことないから想像でしかなかったけど、本当に美味しいわ。これをステーキで食べれる獣人が羨ましい」


 いつもよりコレットさんのテンションが高い。


「このハンバーグはステーキとは別物だよー。ステーキも美味しけど、この溶けたチーズとゴルギーの肉の相性が抜群で、こんな美味しいもの初めてだよ」


 クリリもテンションが高い。きっと疲れてるんだね〜〜。


「.......ガツガツ.....」


 タケルはただひたすら食べている。ティーグルと一緒だね。









 










 








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