15 買い物
猫の獣人のベスさんと友達になれたよ。同い年かと思ったら、まだ15歳だった。私の年を言うと驚いてた。彼女も同い年くらいだと思っていたみたい。
ベスさんに洋服や下着の売ってる店を教えてもらった。洗濯の魔法が使えるとはいえ、同じ服や下着を毎日着ているのは苦痛だよ。女の子ですから…。
お風呂についても聞いてみた。彼女の家にもお風呂はなかった。でも大きなタライにお湯をためて入る人がいると話してくれた。お湯をためるのも排水も魔法でするので、やっぱり魔法の本で勉強しなくてはいけません。早くお風呂に入りたいな。
「いろいろ教えてくれてありがとう。早速買い物に行ってくるわ」
「八百屋は朝早くから開いてるから、次からは開店前に買い出しに行くといいよ」
ベスさんは手を振りながら教えてくれた。本当に助かるよ。
ベスさんが紹介してくれた服屋は少し遠かったけど、ここが一番私達の年齢にあった服があるということだった。いろとりどりのワンピースがある。スカートとブラウスもある。ワンピース2枚とブラウス3枚にスカートを2枚、下着も数種類買うことにした。あと寝間着になる部屋着を買った。
「コートもいかがですか?そろそろ寒くなりますよ」
店員さんに勧められて、コートを1枚追加した。朝方が寒いと思ったらどうやらこれからも冬になるのか。どの位寒くなるのか不安だな。防寒についても今度ベスさんに聞いてみようと思う。
服を一通り買ったら、魔石を売ってる店に行った。台所に冷蔵庫のような箱が置いてあるので、ショルトさんに聞いたら、魔石をはめると冷たくなり、肉や野菜を入れて使うものだと説明してくれました。家には魔石を使うと便利なものがいっぱいあるけど、どれも魔石を買わないと使えません。魔石って何? って聞きたかったけど、黙ってたよ。これ以上怪しまれるわけにはいけません。仕組みは分からなくてもとりあえず使えれば問題ないよね。
魔石を売ってる店に入ると、いろいろな石があり選べません。
「お客様、何かお探しですか?」
細身の40歳くらいの男性が聞いてくる。店主さんかな。
「箱の中を冷たくする魔石と部屋を明るくする魔石とトイレの魔石をお願いします」
箱の大きさを聞かれたのでジェスチャーでこのくらいだと示した。大きさによって魔石が変わるらしい。
「フライパンやヤカンを温める魔石もお願いします」
部屋を明るくする魔石は5個頼むことにした。寿命は3ヶ月くらいあるそうです。1年持つのもあるそうだけど値段もそれなりなので、庶民は3ヶ月のを買うみたい。
全部で金貨3枚。服と合わせて金貨7枚も使ったよ。新しい生活ってお金がかかるのね。
家までの帰りに八百屋や肉屋があったので買っておく。明日は忙しくなりそうなので買い置きしとくよ。昨日の布団代が金貨1枚。財布の中身は919,400円。段々寂しくなってきた。明日商品売れるといいけど……。




