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157 開店初日

   

 朝はそんなに忙しくない? 誰がそんなこと言ったの? なんで行列ができてるの?


「新しいものが出たらとりあえず並ぶってやつじゃないか?」


 タケルが適当なことを言う。


「じゃあ、みんな開店するからね」


「「「「はーい」」」」


『カランコロン』


「「「「いらっしゃいませ〜」」」」


 男性の三人組は私たちの元気良い挨拶にビクッとした。ここで逃げられたらまずい。


「こちらの席にどうぞ〜」


 有無を言わさず座らせる。すかさずドンゴが水を持ってくる。三人分の水とメニュー表をテーブルに置く。


「まだ頼んでないのだが......」


 水を見て顔をしかめてる。


「水はサービスです。こちらがメニュー表です」


「ほう、本当にゴルギーのカレーがあるんだな。カレーと言うのは初めて聞くがゴルギーを食べれるんだからこれにしよう。ん? この一品料理と書いてるポテポテフライってなんだろう」


「唐揚げというのも知らないな」


「とりあえずこのゴルギーのカレーを三つとポテポテフライ一つと唐揚げ一つとお願いしよう」


 注文表にテーブルナンバーと注文品を書いて復唱する。


「ゴルギーのカレー三つとポテポテフライ一つと唐揚げ一つで間違いありませんか?」


「ああ、それでいい」


「では少々お待ちください」


 ドンゴは厨房の方に戻るとベスさんに


「ゴルギーカレー三、ポテポテ一、唐揚げ一」


 注文表は順番に並べていく。順番を間違えると大変なことになるので注文表には時間も書いてる。

 どんどん注文が増えていくので厨房はてんてこまいになった。作り置きしておいて正解だったよ。

 

「こうやってみるとゴルギーのカレーが一番注文が多いね」


 お昼が過ぎてひと段落した頃に注文表を確認して言う。


「ゴルギーはこのあたりではなかなか手に入らない肉ですからね」


 うーん。二銀貨は安かったかな。でも今更値段変えられないし。


「でも唐揚げやポテポテフライもぼちぼちだけど売れてますよ。食べてる人の反応を見て、注文してる人もいるから、これから買う人が多くなりますよ」


 ベスさんは厨房にいたのによく気付いたね。口コミで広がってくれるといいなあ。まだまだポテポテとコッコウ鳥の肉はたくさん在庫があるからね。


「それにしてもこのピザって美味しいですね〜」


 一人ずつ休憩に入ってもらってる。今日は忙しくなりそうだから賄いを持ってきた。昨日のうちに作っておいたピザだ。オーブンがあるからいろいろ食べられるようになったよ。今頃、『マジックショップナナミ』でもコレットさんとクリリが食べてるだろう。タケルはここでさっきからガツガツと食べている。


「もっと違う味のはないのか?」


「今日は作ってないよ。今度カレー味とか照り焼き味とか作るから......」


 コッコウ鳥の肉の照り焼きピザも美味しそうだよね。


「俺はコーンマヨも食べたい」


 やっぱりタケルってマヨラーだよ。まあ、コーンマヨは簡単だからいいけどね。


「コーンマヨってマヨネーズ使ってるの? 私も食べたい!」


 ベスさんもマヨラーだったみたい。ふう、仕方がない。


「今度コーンマヨも作るよ」


 もうピークは過ぎたと思ってたけど、話を聞いた人たちがまた押し寄せてきて閉店ギリギリまで客が途絶えなかった。こうして開店初日は終わった。











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