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151 シフォンケーキを作ろう

   

「これがオーブン。ん? このつまみは火力の調節はできるけど、どのあたりがちょうど良い温度とかわからないみたい。これは大変だなあ」


 私の一階にあるキッチンにオーブンが設置された。日本のと形は同じだけど機能はだいぶ違う。魔石を入れたつまみがあるだけ。これで温度を調節してるみたい。


「それならパン屋さんで聞いてきたわ。だいたいこのあたりでパンは焼いてるって言ってたわ。ケーキとかは焼いたことないって言ってたけど、はじめはこのあたりの温度で焼いてみたらどうかしら」


 ベスさんはパン屋さんで聞いてきてくれたらしい。日頃からつきあいがあるとこういう時教えてくれるんだね。


「じゃあ、このシフォンケーキを作ってみよう」


 百均で12センチのシフォンケーキの型とシフォンケーキミックス粉を買った。とても簡単にできそう。カントリークッキーのミックス粉もあるからこれも作ってみよう。

 結果としては表面が焦げたり中が生焼けだったり、はじめは散々な出来だった。でも何個か失敗したら、このオーブンの癖もわかってきて上手に焼けるようになった。


「シンプルだけどシフォンケーキって美味しい。この横につけるホイップクリームがいいわね」


 ベスさんがシフォンケーキを気に入ってくれて良かった。


「シフォンケーキのミックス粉はプレーンと紅茶があるから日によって変えてもいいね」


 これでレストランのメニューは決まった。後はどの位売れるかだね。


 失敗作のケーキたちはお昼のご飯になった。もちろんそれだけでは足りないので、クリリとベスさんにはゴルギーのステーキを。私とコレットさんとタケルにはモウモウのステーキ。


「すごい! 本当にゴルギーのステーキって美味しいよ〜」


「そうですね〜。こんなに美味しいだなんて知らなかったです。おばあちゃんが一度だけ食べたことがあるっていつも自慢してたけど、私は一生食べれないと思ってました」


 クリリとベスさんは硬いゴルギーのステーキをパクパクと食べている。


「すごいのは2人の歯だよー。よくそんな硬い肉が食べれるよ」


 私はゴルギーの肉を焼いてた時に我慢できなくて一切れだけ口に入れた。美味しいと思ったけどとにかく硬い。噛んでも噛んでもゴムのようで、危うく窒息するところだった。


「「全然硬くないよ〜」」


 やっぱり獣人の歯と顎は私たちとは違うようだ。タケルも羨ましそうに見てるがとても食べられないことを知ってるようで、モウモウのステーキを黙って食べてる。いや、モウモウのステーキも普通に美味しいんだけどね。


「シフォンケーキとクッキーも食べて感想お願いね」


 失敗作のとはいえ、焦げた部分はカットしてホイップクリームもたっぷりつけてるから味見にはなると思う。売り物にはならないけどね。


「シフォンケーキってそんなに甘くないし、この白いのをつけるとまた違った味が楽しめていくらでも入るな」


 タケルはもうケーキにいってる。モウモウのステーキは一瞬で食べ終えたようだ。それを見てクリリが食べる速度を上げた。このままではシフォンケーキが食べられなくなると思ったみたい。

 シフォンケーキの感想はおおむね良かった。もっとふんわり焼けるようになれたらいいけど、これは作ってるうちに自然とできるようになるよね。













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