150 ゴルギーの肉でカレーを作ろう
「カレー作るんならこの肉を使ってくれ」
タケルがどこからか大きな肉を取り出してきた。それを見たクリリの尻尾がブンブン揺れてる。もしかしてスゴイ肉なの?
「これってゴルギーの肉だよね〜。すごく美味しいけどこの辺じゃあ捕れないから高くて手が出ないんだよ。これをカレーにするのはもったいないよ。ステーキで食べようよ〜」
「確かに美味しいが煮込んだら柔らかくなるけど焼いただけだと人間には硬すぎるんだ。クリリにはちょうど良い硬さなんだろうが...」
クリリはオオカミの獣人だから歯はとっても強そうだけど、私にはステーキは無理そう。でもとっても食べたそうだから夕食に作ってあげようかな。
タケルはゴルギーの肉を沢山持ってるらしく、カレーを作って売るのなら在庫処理のために提供してくれるそうだ。カレーはコッコウ鳥で作ったのとゴルギーで作ったのと二つ出すことにした。ゴルギーのカレーは抜群に美味しかった。値段はゴルギーのカレーは2銀貨。コッコウ鳥のカレーは1銀貨。え? 高い? プリーモホテルガイアのお客さんは金持ちが多いから大丈夫。それに他の飲食店はこの値段では食べられないんだからね〜。
あとはラーメンだね。トッピングを変えて何種類かあったほうがいいよね。チャーシューを作ってチャーシューラーメン。100均で高菜漬け売ってるから高菜ラーメン。ちょっと工夫して冷やし中華もいいかも知れない。
あとはアフタヌーンティーにホットケーキと思ってたけど他にも何か甘いものが欲しいな。アイスはあるからパフェとかいいよね。
「オーブンあったらいいのに...」
オーブンがあったら百均で材料とか売ってるからいろいろと作れるのにと思って呟くと
「えっ? オーブンならあるぞ」
とタケルが言う。
「えーぇっ! オーブンあるの?」
「パンがあるんだからわかるだろう」
パンは石窯とかで焼いてるのかと思ってたよ。オーブンがあったなんて...魔石を使うのかな。
オーブンがあったらピザやグラタンも作れる。でも今はスコーンやシフォンケーキを作ってレストランで売ることを考えないと。売れるようなものが作れるといいけど。とにかくオーブンを注文しよう。プリーモさんにもレストランの厨房にオーブンを作ってもらおう。やることが多くて目が回りそうだよ〜。
ベスさんとゴルギーのカレーを作って試食しているとベスさんがとんでも無いことを言ってきた。
「そういえば母が言ってたんだけど、教会の神父さまがナナミさんは女神に会ったことがあるって言ってたけど本当なんですか?」
「へっ?」
あのヨーグル神父は何を言ってるんだか。女神さまの加護があるってばらされたのかと思えば、女神様に会ったことがあるって言いふらすなんて! なんか誤解されるような事言ったかな? ううん、言ってないよ。ありもしないこと言って女神様から天罰が降るといいよ! あの真っ赤なフサフサの髪よハゲてしまえ〜! 神父さんなんだから髪はいらないよね〜!
「女神様に会って言いたいことはあるけど、会ったことなんてないよ。どうやったら会えるのか聞きたいね」
きっぱり会ったことがないって否定したよ。こんなに忙しい時に変な噂でさらに忙しくなったら困るからね。ベスさんの両親に会ったことがないって事を広めてもらえるように頼んでおく。
「そうですよね〜! あの神父さん、いつもトンチンカンな事を言ってるからみなさん本気にしてないですよ〜」
どうやらヨーグルはこの街で全く信頼されてないようだ。獣人の事も差別した発言してたから当たり前だよね。思い出すとまた腹が立ってきたよ。
「それにしてもゴルギーの肉を食べることができるなんて夢のようです。でもカレーに入れるなんてもったいないですよ。やっぱりステーキが素敵です」
そうか。ベスさんも獣人だったね。きっと硬いっていうゴルギーのステーキも楽々と食べれそう。でも最後のダジャレはまだまだだね〜。




