表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/314

14 本屋に行こう


今日は看板が設置される日だ。ということは明日は開店。

布団も昨日配達してもらったので今日からここで生活することになる。宿屋も今日でチェックアウトしたよ。

 なんやかんや用事があって、忙しかった。昨日は商業ギルドで《小店舗の為のセミナー》という講義があるというので参加してみた。難しい話が多くよくわからなかった。参加した人の半分は途中から眠ってた。私もうとうとしたよ。

 この町には図書館はなく、本屋兼貸本屋が一軒だけあるという話を聞けたのが一番、ためになる話だった。


「やっぱり常識がよくわからないから、本で学ぶのが一番だよね。あんまり変なこと聞いて怪しまれると困るし」


 というわけで、今から本屋に行こう。 看板の設置? 朝早くからきてくれたおかげで、先ほど終わったよ。

 本屋は商業ギルドの近くにあった。私が通る道の反対側だったから、今まで気づかなかった。


《猫の貸し本屋》


 どうやら猫の獣人さんがいるみたい。とっても楽しみ。


 カランカラン。ドアを開けて入ると音がなった。これは私の店にも付いてるから、店舗共通の音なのかな。

 カウンターには若い猫耳の女の子が座ってる。でもどうやら眠っているようで目が閉じられてる。ふふふ、やっぱり猫さんだね。

 私は魔法の本を探すことにした。でもいろいろな本があって目移りする。この国の歴史も読んでみたいし、魔獣の絵本もみたいな。地図もあったよ。


「どんな本をお探しですか?」


どうやら猫さんは起きたようです。


「魔法の本を探してます。できれば初心者用がいいです」


「それでしたらこちらになります」


 猫さんは二冊の本を選んでくれた。中を拝見すると絵もあってとても読みやすい。紙の質は良くないけどとても丁寧に製本されてる。


「あとこの国の歴史と地図もお願いします」


 猫さんは楽しそうに尻尾をゆっくりと揺らしながら後の二冊も選んで渡してくれる。


「貸し出しと買い取りがありますが、どちらにしますか? この4冊とも奥に在庫があるので今すぐお持ち帰りできます。在庫がない場合は注文になるので5日ほどかかります。」


「買い取りだといくらになりますか?」


「この本は全部で金貨3枚と銀貨6枚になります。貸し出しは1日一冊銅貨2枚です」


 明日から開店だし、本を読む時間があるかわからないから買い取りが無難だよね。高いけど、投資だと思えば安いものだし…。


「買い取りでお願いします」


「ありがとうございます」


 奥の方から新しい本を4冊持ってきて、包んでくれた。売れたのが嬉しいのか尻尾がピンと垂直に立ててる。


「この店の娘で、ベスです。これからもよろしくお願いします」


「この先にあるマジックショップのナナミです。明日開店なので、こちらこそよろしくお願いしますね」


女神さま、異世界で初めての友人ができるかもしれません。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ