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138 結婚式の招待状


タケルから渡された招待状には確かに私の名前が書かれていた。

 カホさんの結婚式はとても楽しみだ。また会おうねと約束したものの会えるのは何年先かとも思ってたから、たったひと月で会えるのは嬉しい。

 でもさすがに王様の結婚式は出席できないだろう。タケルは一応勇者様だし、伯爵様でもあるからいいけど、私は庶民ですから。


「そんなこと気にしてるのか。ベリートリア国は黒髪の人間には意地悪は言わないよ。それに庶民だって言わなければわからないって」


 タケルはのん気でいいね〜。王族の挨拶の仕方さえわからないのに.......無理だよ。


「衣装はルイスさんに任せて、少し早めに行くか。ちょっとしたドレス捌きとか挨拶の仕方はマリーに習えばなんとかなるだろう。うん、そうしよう。早速ルイスさんに頼んでくるよ」


 タケルは私の返事も聞かずにいなくなった。本当に逃げ足は早いんだから......。


「ナナミさん、店の事は俺とコレットさんに任せて行って来たらいいよ。王様の結婚式なんなかなか見れるものじゃないよ。きっと一生に一度あるかないかだよ」


 クリリが興奮したように言う。


「そ、そうかなあ。確かにカホさんの花嫁姿は見たいけど.....」


「サイラス王もすっごい美形だって噂だよ。目の保養になるよ」


 なんと!サイラス王って美形なんだね。美男美女の結婚式は見たいかな。うーん。厄介ごとはタケルに任せればいいか。私はタケルの横の方にくっついてればヘマをしても目立たないだろう。


「よし、行くことに決めたよ。サイラス様が良い人かどうかも気になるし、もしただの女ったらしだったらタケルにやっつけてもらおう」


「いくらタケルさんでも王様をやっつけるのはどうかなあ」


「やっぱり王様には負けるかな?」


 私がクリリに尋ねると


「俺がサイラス様に負けるわけないだろう」


と声がした。タケルが帰ってきたようだ。いったいどのあたりから聞いてたのか。というか早すぎない? ルイスさんって私のサイズわかるのかな。


「じゃあ、サイラス様がカホさんを泣かすような事があったら王様だろうと怒ってあげてね。ここには彼女を守ってあげる両親はいないんだから絶対だよ」


「わかってるよ。俺も堅苦しい事は嫌いだから王族の結婚式なんて出たくないが、カホ様が少しでも暮らしやすくするためには俺たちが揃って出席することが大切だ」


 タケルも考えてないようで色々と思うことがあるみたい。

これから忙しくなりそうだから、倉庫の在庫を増やしとこう。2号店とプリーモ店の在庫も多めに渡しとかないといけないね。


「クリリは在庫の管理お願いね。足りないものや最近これが売れてるっていうのがあったら教えて」


「ホットケーキミックスが順調に売り上げ伸ばしてるのと、ゴーグルと水鉄砲が全店で好調です」


「ホットケーキミックスはレシピを新聞に乗せてもらったらもっと売れそうね。ホットケーキだけじゃなくてドーナツや蒸しパンやクッキーも簡単に作れるからね」


「最近は自分たちでアレンジもしてるみたいだから焼くだけじゃない料理方法がわかったら喜ぶよ」


 クリリは孤児院の先生たちのことを言ってるらしい。レシピを発表する前に味見してもらいに行かないといけないね。彼女たちのお墨付きをもらえれば成功するはず。

 やりたい事はいっぱいあるけど、焦って失敗しないように気をつけなければ。コツコツと頑張ろう。






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