123 社員旅行に行こう
【プリーモホテル ガイア】ってもっと良い名前なかったのかしら? すごく普通だ。
【プリーモホテル ガイア】のオープンの日は晴天だった。
オープンの日から3日間、ルイスさんに招待されたので、社員旅行としてみんなで行くことにした。
私とクリリとコレットさんは店で朝早くからタケルを待ってた。タケルがいないとホテルまで歩いて行かないといけない。 頑張れば行けない距離じゃないけど遊ぶ前から疲れたくない。
「遅いね」
私がティーグルの首をもみながら言うとクリリが申し訳なさそうな顔になった。ティーグルはゴロゴロと喉を鳴らしてる。かわいいなあ。
「なんか手紙が来て、すぐ戻るからナナミさんの所に先に行って待っててくれって言われたんだけど.....」
「そっかぁ。ーーそういえばコレットさんは3日も大丈夫なの? 旦那さんは何も言わなかった?」
「大丈夫よ。旦那も昨日からホテルの方に行ってるのよ。オープンの日だから本当に大丈夫か騎士の人も呼ばれてるみたい」
「大丈夫って?」
「魔物が出ないかよ。タケルさんが買うまでは魔物が出ることで有名な山だったから一応確認の為に行くそうよ」
忘れてたけど【プリーモホテル ガイア】が建ってる所は魔物いっぱい出没する事で有名な山だった。警備員もいるだろうけど、騎士さん達も居るなら安心だね。
「待たせたな」
声と同時にタケルが突然現れた。2人の娘さんを連れて!えっ? どういう事?
「どちらさんですか?」
私が尋ねると黒髪の少女が答えた。
「山本カホです。5年前に日本からこの世界に来ました。こちらは私の侍女でマリーと言います」
カホ? タケルが前に話してくれたベリートリア国サイラス様の妾になった人? タケルはいずれ王妃になるかもしれないって言ってたけど.....うん...わかるよ......とても同じ日本人とは思えない。お人形さんみたいに綺麗な人だ。
「王宮に帰る間にナナミに会ってみたいって言うから連れてきた。ルイスさんがナナミの部屋はスィートルームで広いって言ってたから2人増えても大丈夫だろう」
「ティーグルいるけど大丈夫ですか?」
私はウイングドキャットのティーグルを見せて聞いた。
「うわー! 大きいネコですね。ネコは大好きです。触ってもいいですか?」
カホさんはどうやら猫好きみたい。ティーグルも嬉しそうだから触ってもいいよと言うとマリーと2人でティーグルを撫でてる。これなら一緒の部屋でいいですね。
さあ、タケル、出発だよ!