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116 ウイングドキャット


「普通の猫より大きいけど餌は何を食べるのかしら? キャットフードでいいの?」


私がタケルに聞くと本を差し出してきた。分厚い本の表紙にはに『生き物の飼い方』と書かれてる。この中にウイングドキャットの事も書かれてるのかな。


「ざっと読んだところ食べ物は何でも食べるみたいだ。食べたらいけないものはない。キャットフードでもいいんじゃないか」


タケルは大きな餌箱を床の上に2つ置いた。1つには水が入ってる。

ここはお昼を食べたり、私がいつも本を読んでる部屋だから店に1番近い。何かあってもすぐ来れる。ここなら安心ね〜と思ってると、タケルが大きなスクエアクッション型のベッドを置いてます。ここに寝るのかな? でも大きすぎない?


「ちょっと大きくない?」


「いや、この位大きい方がいいんだ」


猫はベッドの方に歩いて行くととぐろを巻いて寝てしまった。スピスピいってる。かわいい〜。


「よし、寝たな。さあ、俺の朝飯タイムだ」


寝顔を眺めていたかったけど仕方ない。ごはんと明太子とえのきの味噌汁を出した。


クリリとコレットさんは店の方に行ったのでいない。困ったな、名前を一緒に考えて欲しかったんだけど。


「名前は決まってるの?」


「契約するときに変えるのが一般的だそうだ」


「契約?」


「ウイングドキャットの場合、契約した方が躾も楽だって言ってた。ただ、名前が気に入らないとウイングドキャットの方で拒否るって話だ」


えー? 気に入らない名前だとダメなの? 難しいよ。センスないって昔から言われてるし。


「タケルが連れてきたんだから、タケルも一緒に考えてよ」


「猫だからタマとかミーとかでどうだ?」


「え? そんなんでいいの?」


私がウイングドキャットの方を見るとこっちを見てた。自分の名前の話だから起きたのかな。


「タマ!」


試しに呼んでみた。えー?欠伸してるよ。ダメってことだよね。


「ダメじゃん」


「生意気だな。そういえばこの猫はオスだって言ってたから男っぽい名前の方がいいのかもな」


オスなのか。そう言われると凛々しい顔に見えてきた。とはいえ良い名前なんて思いつかない。


「コロとかどうかな」


「はぁ? それって犬の名前だろう」


呆れたのか飽きたのかウイングドキャットはまた眠ってしまった。仕方ない。ゆっくり考えることにしよう。クリリに聞いた方が参考になりそうだしね。


タケルがおかわりというので、ごはんと味噌汁と明太子と冷や奴も追加した。

その側で100均を開いて猫じゃらしや遊び道具になりそうな毛糸やボールを買った。猫じゃらしは小さい気がする。ダメだったら自分で作るしかないかな。

100円コンビニではキャットフードを買ってみた。食べなかったら困るから2個だけにした。

猫じゃらしで遊ぶ気満々だったけど、全く起きる様子がないので、タケルからもらった『生き物の飼い方』の本を開いて勉強することにした。









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