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111 かき氷大会ールイスside


ガイアにホテルを建てることになって、1番の懸念はここの住人と仲良くできるかという事。

プリーモ商会はこの街とは今まで付き合ってこなかった。王都から近いとはいえ、あまりうまみのある街ではない。そこで思いついたのが夏祭りでかき氷大会をする事だった。賞品も奮発した。冷凍庫に猫だ。猫はこの国では珍しい。売ればいい値段になるのに惜しい気もするが、損して得取れだ。


誤算はマジックショップナナミが参加した事だった。冷凍庫が目当てとは思えない。考えられることは猫か? 女子供はこういうのが好きだからあり得る。どうしたものか、今更賞品は変えられない。大々的に宣伝したからな。いや、問題ない。勇者がついてるんだから負けることはないだろう。ただ準優勝を狙うのは優勝より難しい気がするがここは頑張ってもらうしかない。


かくして始まったかき氷大会。私にとっては最悪な出だしだった。なぜかタケル様とナナミさんが3口目を口にした途端、頭を抱えてしまったからだ。まるで毒でも入っているかのようではないか。私は潔白だ。悪魔のような勇者に首根っこをつかまれてぶらぶらされても毒殺なんてこと考えたこともない。あの悪魔に毒が通用するとも思えないし......。


しばらくすると2人は復活してまたかき氷を食べ始めたが、勝負は決まっていた。悪魔..ゴホッ...タケル様がどれほどかき氷を食べても追いつくことはできなかった。


これは早めに退散することにしよう。今日は朝まで飲み明かす予定だったが嫌な予感がする。


「もう帰るのか?」


「あく.....タケル様。何か用ですか?」


タケル様はいつものように突然現れた。本当に心臓に悪い。


「頼みがあって来た」


「猫なら無理ですよ。タケル様もご存知でしょう。あれはたまたま手に入っただけです。猫の国に行かないと手に入らないのですから」


猫の国というのは皆が言ってるだけで本当の名はブルッセリア国と言う。猫が多くいることから猫の国と呼ばれている。


「お前ならなんとかなるだろう。おれの夕食がかかってるんだ」


夕食? そんな無理難題言われても困る。


「準優勝 チームから脅して買い取ったらいかかですか?」


勇者様なら簡単でしょうと言ってやった。


「あのチームはナナミの友達がいるから、そんなことしたら大変な事になる」


ナナミさんは正義感強そうだからカンカンに怒るだろう。うーむ。困ったな。このままだと帰れない気がする。


「爬虫類はダメですよね」


爬虫類はたくさん用意できる。好きっていう物好きもたまにいる。


「当たり前だ。それにそれは食用だろう。非常食になるからって飼ってる奴を知ってる。コッコウ鳥と同じ味だって言ってたが俺はゴメンだ。ふわふわ、もこもこがいい。ヌルヌルはだめだ」


ふわふわ、もこもこねぇ。うーん。


「そうだ! ウイングドキャットはどうです?」


「あれは大きいだろう。それに普通の猫より手に入れにくいと聞いたことがあるぞ。どうやって手に入れるんだ?」


「それが今王都の方にいるんです。あれならふわふわもこもこですよ」


借金のカタで手に入れたはいいが飼い方がよくわからいし、値段も高いから売れなくて困ってたのだ。丁度いい、押し付けよう。


「ちょっと値が張りますがお安くしますよ」
















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