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105 ストロースプーン


なんと百均にかき氷機が売ってたの! もちろん百円では買えない。三百円だった。でも三百円でも安いよ。

ふふふ。かき氷が食べれるなんて!


『ゴリゴリ』


『ゴリゴリ、ゴリゴリ』


これが結構大変だった。手動だから仕方ないけど結構力がいる。


氷シロップも練乳も用意してるのに......。


「おはよう」


「クリリ、おはよう。朝ごはんはそこにあるから食べてね」


今日は時間がなかったからサンドイッチの盛り合わせとジュースで我慢してもらう。


「ナナミさんは何してるの?」


サンドイッチを頬張りながらクリリが不思議そうに聞いてくる。


「カキ氷作ってるんだけど、思ったより力がいるみたい。思ったように削れないの」


『ゴリゴリ、ゴリゴリ』


時間がかかり過ぎて氷が溶けていく。


「俺がかわるよ」


見かねたのかクリリが変わってくれた。


『ゴリ、ゴリゴリゴリゴリゴリゴリーー!』


あっという間に氷が削れていく。氷を足して次から次へと削っていく。クリリはこれくらい楽勝だって笑ってる。そういえばこの間も冷凍庫軽々抱えてたっけ。


紙コップに氷を入れて氷シロップのいちご味と練乳をかける。ストロースプーンをさしてクリリに渡す。


「クリリ頑張って削ってくれたから、クリリが1番に食べて!」


「いいのかなぁ。タケルさん怒らない? この間もアイスクリームを1番に食べれなかったってグチグチ言ってたよ」


「ああ、いいのいいの。本当にタケルは子供なんだから......」


クリリは少し迷っていたが、誘惑には勝てなかったみたいでストロースプーンで食べ始めた。


「わー! 美味しい。ふわふわだぁ」


「何が美味しいって?」


タケルがいつものように突然現れた。かわいそうにクリリはブルブル震えてる。


「うぅぅ。急に身体が冷えてきた気がする」


「クリリ、何食べてるの? それってカキ氷だよね」


「もう、クリリいじめないの! はい、タケルのもあるから。クリリが氷削ってくれたんだからね」


タケルに渡すとクリリをいじめるのをやめて、すぐさま食べだした。


「でもなんでストロースプーンなんだ? 普通のスプーンの方が食べやすいのに」


「雰囲気だよ。夏祭りバージョン」


「ああ。もうじき夏祭りだから予行練習か。店の前でカキ氷売るのか?」


タケルはうんうんと納得した様子だが、私は???状態になった。


「夏祭り? 店の前で売るって?」


「え? ナナミさん知らないの? もうじき夏祭りがあるんだよ。店の前で屋台みたいなのみんな出すよ。てっきり俺も夏祭りのために考えたのかと思ってたよ」


クリリは兎も角、なんで他国の伯爵様がそんな情報知ってるの? 私が疎いのか?


「夏祭りかぁ。カキ氷売ってもいいけど百均のカキ氷機じゃあ大変だよね。どうするかなぁ〜」


「豪華版作るの得意なやつ知ってるから作ってもらおう。この世界は電気がないから魔石で動かせる様にしてもらおう。あいつに頼んだら安くて立派なのが手に入るぞ」


タケルが言う豪華版作るのが得意な人って誰なのか気になるけど魔石で動かせれるようになれば私でも使えて便利だね。




















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