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私の名前はミリアリア、親しい人はミリーと呼びます。
第3426開拓村、通称「封印の森」のギルドで10歳の時から見習いとして働いてもう3年になります。
村は王国8大都市の外側にあります。8大都市とは王都を中心とした正方形の各角とその中間にそれぞれ4つ、もっと分かりやすく言うと田の字の線の交わる所です。ちなみに線の部分は大街道と呼ばれ馬車が3台並んで通れるくらいの広さがあります。
都市同士の間には中継点として街が5つあり、その間隔はほ40km都市間での距離は240kmです。
街同士も街道で結ばれており格子状に街道が張り巡らされているのがこの国の特徴です。
さらに同じ距離を開けて外側に都市を造る計画も在るそうですが、今はまだ土地の調査段階です。
そして調査段階で見つかったのがこの封印の森です。すぐさま神殿や城に問い合わせ確認したところ文献等に当てはまるものがなかったため監視のための村が造られました、それがこの村です。
でも村ができてすぐ神殿から神託の発表があり、封印されてるものが危険では無いことがわかりました。
この時点でほとんどの冒険者が別の地に去りました。まあ危険なモンスターでも封印されていると思っていて、それを退治して名前を売ろうとした若い人が多かったらしいです。
それ以外にも森の奥に行って帰ってこなかった若い人も結構いたらしいですが…どうして自分に合ったレベルの仕事をしないんでしょうね?
まあ、森を切り開き土地を耕す開拓者ががんばるほど動物達の縄張りが変化してしますし、それについていけないと簡単に死にますから。
普通慣れてる人は森を切り開いたら数日様子を見て森に入りますし…時代が違うと考え方も違うのでしょうか。
あと開拓村に必要な物としてギルド館、鍛治屋、肉屋です。鍛治屋は武器道具の手入れに釘などの必需品の作成で、肉屋は解体がメインで精肉はオマケです。基本食糧は馬車で運ばれてきます。
私のおじいちゃん達が鍛治屋と肉屋の店主なのでコネでギルド員になれたんですがこれは秘密です。
まぁここまでの話が私が生まれるまえの事です。
生まれた頃にジョーさんがこの村に引っ越してきて専属扱いになりました。
そこまで依頼が多くなくのんびり適当に狩りもしていたそうです。あと子守もですね。
鑑定のスキルが発現したのは5歳のころで、最初は変なものが見えるとジョーさんに泣きついてしまいました。今思えばはずかしいことですが当時は何も知らなかったので本当にびっくりしました。
その後両親とギルドの話し合いの結果、ギルドで文字の勉強とスキルの制御を教えてもらうことになったのですが問題が1つ。普通鑑定のスキルはレベル付スキルと言って熟練度や知識量に応じてレベルが上がるタイプのスキルなんですが私のはレベル表示が無かったのです。
文字を覚えた後はひたすらデータクリスタル、ギルド本部と繋がっている魔道具でスキルの勉強をしてました。その際気がついたんですが現在の鑑定の最大レベルが5で見える範囲がスキル名まで(レベルは不可)と掲載されていたんです。
レベル表示のないスキルは最大レベルと同等と言われています。普通なら見えないはずの他人のスキルレベルが見える時点でレベル5以上の能力がありやっかいごとに巻き込まれる可能性が高いことになります。
何故そんな判断ができるほど賢いかって?鑑定で色々調べたからです。
もし他人にバレたらどうなるか?と言う問題を鑑定し答えを得る。すでに鑑定の皮を被った別物のような使い方ができるんです。
他にも自分の年齢を詳しく鑑定すると何年何月何日の晩に両親が何回がんばったとか…あまり知りたくないことまで知ることができるんです。
とりあえず木を隠すには森の中と言うことでギルド員として働くことにしたんです。
今日も何時もと同じく定期依頼を受けにきたジョーさんと話しのんびりと昼ご飯に何を食べるか考えていると何時もより早くジョーさんが帰ってきました。
いえ帰ってきたというか駆け込んできましたね、あれは。
なんでも「封印が解けた」「勇者がその中にいた」「帰りにオークがでた」とのこと。
ギルド長の指示で私を連れて行くことになったジョーさんは装備を整えてくると自分の家に一旦帰ってしまいますし、途中で混ざった「スケルトン」って何のことなんでしょうか。
ジョーさんに連れられてオークのいる場所まで来ましたがすでに倒されてます。
鑑定で見ると死因が心臓破壊とか…どう見ても胸の部分開いてますよね、普通痛みでショック死しませんかアレ。
それより近くの木にもたれて寝てるスケルトンの鑑定をしなくては。
ふむふむ種族:人間、状態:睡眠、称号:召喚されし勇者っとアンデットじゃないですね。
よかったアンデットなら死なないように王都まで連れて行くのが大変ですから。
捕獲用の檻とか道中の護衛とか、直接は関係ないけど面倒な手続きとか。
一緒にきていたギルド長に問題無いことを告げると、元々オークが生きていた場合と勇者がアンデットだった時のために来ていたからすぐさま村に戻っていきます。
あとはあの骨拾って、って足元に何かいますね。何でしょう?鑑定っと。
種族:フォレストウルフ(王種)
レベル:512
年齢:2
年齢2歳のフォレストウルフですか……って!レベル512!?
レベル:512
生まれながらにして森の支配者
そんな事聞いてるんじゃないんです鑑定!
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って走馬灯流れてましたよ!自分の人生+習ったこととかどんだけですか!一周して記憶が今に追いつきましたよ!
それより王種ってなんなんですか!?
『王種』
ごくまれに発生するその種族の王と言われている。
成長するとその種の10倍位の大きさと能力になる。
鑑定ぃぃっそんな事聞いてるんじゃないんです!どうしてこんな田舎にいるかって……
あれ?人にとっては田舎ってことは魔獣にはそうじゃない?もしかしてこの地域魔獣よりのエリアってこと?
と、とりあえずあの仔狼はマーキングして…
骨から引き離さないと、でも石とか投げたら絶対敵対する事になりますよね。
ここは骨に攻撃して驚いてもらえば…
タイミングを見計らって…ここだっ!
「とりゃーーー」
「ぐわっ」
上手く吹っ飛んでくれました、後はあなたを攻撃したんじゃないと言う演技で骨の人に…って汚っ何この倒し方ぐちゃぐちゃです。これはしっかりと教え込まないと。あ、ここ歯形がある。
この後骨の人に解体しやすいたおしかたを倒し方を気にかけるよう注意しながらコアを取り出し村に戻りました。
あ、王種の報告前にデータクリスタル調べないと。