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「うぁー耳が痛い……」


 いきなり大声出すとか、なに考えてんだこの人。

 でも不思議な感覚だ、痛みを感じる神経や脳が無いのに『耳が痛い』か。それに空腹、どこから音が出てんだコレ?


「おい、動くな。お前は何なんだ!?」


 あれ?おかしいぞ?神殿経由で迎えが来るんじゃなかったっけ?無関係な人かコレ。

 もしかして連絡が遅れてるか…神殿が信じなかった…ってのはさすがに無いよな。


「あー…

 何と聞かれてもな、一応人間としか答えられんな。

 さらに言うと一応勇者なんだが……まぁ信じてくれそうにないな」


「…アンデットじゃないんだな…って、勇者だと!?」


 やっぱり見た目で損するよな(コレ)じゃ。


 仕方ないこの人説得してギルドに保護してもらうか。

 あの人も万が一迎えが遅れたらそうしろって………

 あれ?なんであの人の事覚えてるんだ?

 神界での事は記憶を封印するって……

 あぁいつも通り失敗したか忘れてるんだろうな。

 と、なると今頃叱られてるよなぁ。


「……おい、おいって!聞いてるのか!!」


「あ、すまん。考え事を。

 とりあえずギルドに保護を頼みたいんだが」


「保護だと?……

 確かに今はこんなことしてる場合じゃないな。

 勇者ってのが本当ならこっちの世界の事なんて知らないだろうし。

 説明は後だ急いで村にいくぞ」




 おっさんな冒険者の後をついていく。

 ふと足を引っ張られる感じがしたので下を見てみると一匹の子犬がじゃれついていた。


「なぁあんた…えっと…」


「ジョーだ、どうした?」


「あー…これどうしよう?」


 歩いている足に飛びかかり、かじりつかれたまま数歩歩くと剥がれ落ちてコロコロ転がる。何が面白いのかシッポをブンブン振っている。

 見た目は子犬だが色が深い緑と光合成でもしそうな色合いの生物を抱き上げながらジョーに聞く。


「あん?

 って、森狼フォレストウルフの子供じゃねーか!?

 さっさと放せ、群れに襲われるぞ!」


「はいはい、何イライラしてんだか…

 そら、お前も家に帰りな、おチビちゃん」


 子狼を下ろし帰るように言うと近くの茂みに突っ込んでいった。

 そっちに親でもいるのかねぇ?

 抱き上げたとき大人しかったし村まで連れていっても問題ないように思ったんだが。


 しかしジョーは本当に冒険者なんだろうか?

 気配位感じろっての子犬…じゃない子狼だぞ。

 ブツブツ言いながら先に行くのはいいけどちょっとは周りも気にしろよ。

 魔力喰いが何なのか知らんし、モンスターがどんだけ強いか神界での情報しか知らんし。現地での情報くらいもっと寄越せ。


 スキルの整理でもしながら着いていくか。

 たしか「ステータス」で表示っと。なるほど面白いな、まるでゲームみたいな…こんなこと出きるならバカな勇者が多くても仕方ないか。


 まず祝福が不壊コワレズ。魂も含めての肉体保護、永遠に壊れない、絶対にだ!

 ……遊んでんのかあの人。あと肉体と言っても骨しか残ってないんだが…内容の非表示で

 次に火の精霊神の加護+。火の属性と耐性の強化。

 か、+が連絡が着くようにってのだな。これは+の表示変更っと。


 スキルが元から有ったものと追加分か、まずは元から有ったもの。

「剣術Lv1」「算術Lv5」「理学Lv5」「大食いLv5」「回路技師Lv2」

 ふむ…電気工事が技師ってのに変化したのか。

 Lv表示かますますゲームみたいだ…

 最大レベルがたしか10だったよな。


 追加分はっと。

「骨」「言語理解」「魔法技術者Lv1」「加護付与」「……」

 なんだこりゃ?

 レベル無しはそれ以上成長しない、あるいは最大値のスキルだったよな。内容は…

「骨」剣術、体術等と同じ補助系のスキル。骨を使った行動に補正が入る。

 …ある意味チートかコレ?普通に歩くのにも反応してるぞ、このスキル。内容表示を不明にしとこ。

「言語理解」色々な言葉が理解できる。

 まぁ普通か。

「加護付与」自分の持っている加護を付与する。

 何にだ?人にか物にかはっきり書いとけよ。

「……」本人以外に表示されない。どんなスキルを使っても参照不可。中身は「隠蔽」「神性」「創造」「眷族創造」「スキル合成」「鑑定」等

 ……等って省略するなよ。

 まぁ相当ヤバいスキルだよな、どれも。

「隠蔽」は頼んどいた分でステータスの表示の改編用だからいいとして…他は神様に成った後に付けてほしかった。


 後は名前等の情報か、この辺は特にいじらなくてもって……危ねえ称号に「永遠の童貞」入ってたし。なんつー事しやがるあの人、コレも非表示っと。


 こんなもんか。表示更新っと。


 名前 樋山ひやま 孝之助こうのすけ

 称号 勇者

 祝福 不壊コワレズ、火の精霊神の加護

 スキル

 剣術Lv1

 算術Lv5

 理学Lv5

 大食いLv5

 回路技師Lv2

 骨

 言語理解

 魔法技術者Lv1

 加護付与

「……」


 こんなもんかゲームと違って体力とかの項目はないのか。




「……ぉぃ!、おい!!後ろだ!!」


 今度はなんだよおっさん。


「よけろ!オークが攻撃を…」


 バキッ!


 もっと早く忠告しろよ!!

「今回のオマケコーナーは子狼こ回想です」


とってもおもしろいものをみつけたの。


ひとのほねがあるいてるの、おにくがないのにだよ。


こっそりうしろからちかづいて、あしにかみついたんだけど、ぜんぜんいたがらないの。とってもふしぎ。


なんかくやしいからそのままかみついてたんだけど、あるくしんどうではずれちゃったの。


コロコロころがってたのしかったからまたかみついたの。そしたらほねのひとにだきあげられたの。


ほねのひとはふしぎなにおいがしてとってもおちつくの、まるでおかあさんといるみたいだったよ。


すこししたらおろしてくれて、かえるようにいわれたの。たしかにみんなからはなれちゃってたから。


でももうすこしあそびたいから、みんなつれてきていっしょにあそぼうっておもったの。


だからいったんみんなのとこにもどって、オモチャみつけたからあそびにいこうっていったんだけどダメっておこられたの。


おーくがおもちゃのいるほうにいるから、ちかづいたらだめなんだって。


せっかくみつけたおもちゃなのに、おーくがどっかいったらまたさがすの。


こんどはみんなであそんだらたべちゃうの、おやつなの。


「……逃げてー超逃げてー」


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