そうかそうかつまり君は…
「……そうかそうかつまり君はそんな奴なんだな。」
「げ……」
(わざわざ遠くのコンビニに来たってのについてねぇ……)
俺は深夜のコンビニでどこかで聞いたことのあるようなセリフを聞き、手に持っていたエロ本と自身の顔を交互に見る少女に気付いた。
クラスにいるドイツからの帰国子女、クリス何たらだった。確かクリスティーヌとかだったと思うが正直親しくもないのでフルネームは覚えていない。ただクラスの奴等にはクリスと呼ばれていたはず……
そんな感じに彼女に関するデータを引っ張って来て何とか状況を打開できる案を模索する俺はクラスでも目立たない小心者。美形の彼女との接点はない……まさか16なのにエロ本を買ったことへの注意か?
「クラスでは一切そういった話題に触れてなかったからてっきりあっちの世界の人だと……そうか……違うのか……なら……」
俺が何故話しかけて来たのか考えている間に何やら考えている素振りを見せるクリス。そんな彼女が目を離している隙にそっと離れて本を棚に戻すと俺は車の無い駐車場にぽつんと残されたチャリに乗って一目散に逃げ出した。
「あーもう散々な目に遭った……噂とかされないよな……」
しばらくロードバイクを飛ばして逃げた後、息をついて少しスピードを落とし、呟いた。
教室内の俺は吹けば飛ぶような小物だからクリスが所属してるスクールカースト上位者が噂とかして面白おかしく話されたらその時点で俺の高校生活は詰みだ。
「……はぁ……でもまぁそれはそれとして、当初の予定通りに帰りがけに書店にも寄ってめぼしい物を買って帰るか!」
だがまぁ俺は切り替えることにして近所の本屋に行ってみた。
(……よし、今は男性店員だな……)
店内に入ってそこをチェックしておくのは忘れない。交代に入りそうな店員に女性は……いない。勝った!
今日発売、大人気恋愛作家の新刊?はっ!そんなのを相手にしてる暇はないぜ!そんなことを思いつつ意気揚々と俺はそういったコーナー近くへと進む。
そして物色。
(……出掛ける前の時間だと知り合いがいるかもしれなかったが……今なら大丈夫だろ……)
ここの本屋は近辺で一番大きい。だから知り合いが来る恐れが大いにあるのだ。だがこの時間なら人自体が少ないし大丈夫だろう……小遣いも少ないからじっくり厳選して……
「そうかそうかつまり君は本当はそういうのが好きなんだな?」
……What?聞きたくない声がしたぞ?
振り返ると奴がいた。クリスだ。いつの間に俺に追いついた……いや、どうして俺がここに居ると分かったんだ!?
俺が混乱していると彼女はその青い目で俺が見ていた本をじっと見た。
「……アヘ顔とは何だ?」
「っ!」
その顔でなんてこと言うんですか!え、これって何か法律なかったっけ?児童育成健全法?的な。俺大丈夫かな?
「フム一冊しかないな……買って帰るのだろう?良かったら読み終わった後見せてくれないか?」
「見せれるかぁっ!」
やべ……思わず大声出してしまった……周りの人が来る……
「……そうか。見せてくれないのか……」
あんた落ち込んでるけど俺は泣きたいよ!?ってかヤバいので逃げる!
俺はまたも本を元の場所に戻すと落ち込んでいる彼女から逃げ出した。
「はあっ……」
家に帰り着くと俺は大きな溜息をついた。
「結局買えなかったな……仕方ない。今日は諦めて前の奴に慰めてもらうことにするか……」
自室がある2階へ上がる階段を上りつつ誰もいない家の中でそう呟いた。
……親父は5年前から単身赴任中で、お袋は4年前に胡椒を買いに行ったきり迷子になったっきりだ。まぁお袋はちょっとずれた所があるから仕方ない。
「はぁ……さて、グダグダ考えても仕方ない……」
お袋のことを思い出すと溜息しか出ないので細かいことは気にしない。これ大事なこと。そんなことを思いつつ俺の部屋のドアを開けると先客がいた。
「フム……お、お帰り。」
「何でここに居るんだ!?」
今日三度目の邂逅を果たした金髪碧眼の校内でも他に類を見ない美少女。クリスティー……ナ?ヌ?……兎に角クリスだ!だがなぜここに居るか分からない!住所を教えたこともない!元より接点がない!
「そうかそうかつまり君は私がここに居る意味を知りたいんだな?」
「いや正直どうでもいい!出て行け!」
「フム。つれないなぁ……窓の修理費は渡しておくよ。ではまた……」
俺の言葉も聞かずにクリスは金を置いて風通しの良くなった窓から出て行った。
「……何であいつがここに居たんだ……?」
俺はエロ本が散乱した部屋の中でそう呟いた。
窓が割られていて虫が入ってきたりしたら嫌なので、仕方がなく一階の部屋で寝ようとして、ようやく俺はクリスの異常性に気付いた。
「ってか何で俺は気にしなかったんだ……?」
まずコンビニで完全に置き去りにしていたはずなのに本屋に何故かいた。コンビニには車も自転車も何もなかったはずだ。どうやって追いつかれたのかが全く分からない上、何故本屋にいたのが分かったのかが謎すぎる。
次に家にいたことだ。これに至っては先回りされている。家の住所を知っていたとしてもおかしい。2階から入る意味が分からない。鍵が開いていたならまだしも窓を割っている。それにどうやって2階の窓に手を掛けたのかが謎だ。
あり得ないことが起きている。これは夢に違いない。疲れてるか憑かれてるんだ……
「やばいな……憑かれてるって何か俺悪いことしたっけ?」
良く覚えていないが何かやった気もする。人は生きているだけで誰かに迷惑をかけているのだから仕方ない。……能天気に見えて何気にヤバいらしい。流石は小心者。度胸は中一の時の国語の教科書と一緒に消えた。……ははつまんね。それより今日は寝れそうにないぞ?
ずっとベッドに入って目を瞑っていたが気付けば日の光が出ていた。俺は前向きに考えることにする。
「まぁ今日は半日授業だし帰って落ち着いて寝れば大丈夫だろ……うん。憑かれてるってのは……登校時に何か良いことして帳消しにできないかな……?」
そんなことを思いながら寝不足の俺は学校へ向かった。
そして丁度良いところにべたに困っているお婆さんがいた。横断歩道で信号が点滅しているのに重そうな荷物を持っているからか道半ばしか進めていないお婆さんだ。
周りの高校生は学校と違う方向に進むそのお婆さんを助けることはしなかった。だが、俺は違う。厄払いに付き合ってもらおう!
(いや、まぁこんな時は別にいつでも助けるけどね。)
別に誰かに言うわけではないが一応心の中で言っておく。
「持ちますよ。」
「おぉ……ありがとうございます……」
お婆さんはどこかで聞いたことのある声でそう言った。……ん?初対面だよな?何で聞いたことある声で……まぁいいか。
そしてどうにか信号が変わる前に向こう側に着いた。
「すみません。俺これから学校なんでここまでしか送ることはできないんですよ。途中までしか送れないですみません。」
俺が申し訳なさそうにそう言うとお婆さんは笑って顔に手を掛けた。するとその皺の集まっていた顔が剥がれ落ちる。
「そうかそうかつまり君は多少自分を犠牲にしてでも他人を……」
「出たぁぁあぁぁっ!」
本日最初にして、最近もの凄い確率で会う金髪碧眼の美少女クリスがそこにいたので俺は逃げた。
……まぁどうせ逃げても学校に、むしろ同じ教室にいるんだけどね。……いやぁやばい。どうしよ。
当然学校に着くとクリスはいた。リア充に囲まれて君臨していた。
……ただ、俺の方を見ることはなかったということだけ安心した。しかし思いの外心はズタズタだったらしい。
数学。
「相加平均……」
びくぅっ!
何でこんな時にぃっ……先生の目の前なのに……
「?どうした青峰。風邪か?」
怪しんだ先生が声を掛けてくれる。……いや今そうかって言葉に過剰反応してしまっただけですから……
「いえ、何でもないです。」
「そうか……」
びくぅっ!
「……やっぱりどこか悪いんじゃないか?顔色も悪いし保健室で寝てろ。」
(……正直クリスと同じ教室だと確かに……それに寝てないしな……)
お言葉に甘えて保健室に行かせてもらおう。そこなら授業中のクリスが来ることもなく安心して眠れるはず……
目が覚めると目の前には目の覚めるような美少女がいた。……つまりクリスがいた。
「ぎゃあぁぁあぁあぁっ!」
「そうかそうかつまり君は眠っている時のあどけない顔……」
「ぎゃあぁあぁぁあぁっ!」
俺は逃げた。学校?そんなこと知ったこっちゃねぇ。警察だ!警察に行くんだ!助けてもらうんだ!
「お巡りさん!助けてください!」
「……どうしたんです?」
良かった!男の人だ!これなら大丈夫だ!
「クリスが来るんです!」
「クリス?」
お巡りさんは首を傾げた。そうか。クリスって言っても分からないか!知り合いじゃないんだもの!じゃあアイツって言ったら何だ?そうだ!
「美少女です!美少女が来るんです!」
「美少女が?……ならいいんじゃないんですか?」
「確かに!」
じゃねぇよ俺!
「……はいはい交番は本当に困ってる人が来る所だからふざけるところじゃないんだよ?それに君制服だけど学校は?」
「うっ……」
「まぁまぁ落ち着いて下さい牛尾さん。ほらこれ……」
婦警さんが出て来てとりなしてくれた。そして何か渡すと男のお巡りさんと小声で会話して後退してくれた。
「……で、どうしたって?」
「美少女が追って来るんです!」
「……えぇと……」
はっ!これじゃ分からないか……落ち着け落ち着け……これまでにあったことを冷静に伝えてアドバイスを貰えばいいんだ。
話が終わるとどこか深刻な表情で婦警さんは頷いてくれた。よかった。真面目に考えてくれてるみたいだ……
「なるほど。……ところで本人にやめるようには言ったの?」
「う……」
これは痛いところを突かれたぞ。俺は逃げてばっかりだったしな……
「言ってないのね。……何故?」
婦警さんの顔を見て俺は嘘をつけなくて正直に答えた。
「……いや。来るなとか正直に言うと、あいつがそれ聞いてどんな顔するか分からないですし……なにより泣かれたりしたら何か可哀想で……」
「?逆上して襲い掛かってくるのが怖いとかじゃないんだ。」
「いや、確かに襲われるのも怖いですけど……」
「そうか……」
「ん?」
おや?婦警さんの様子がおかしいぞ?
「そうかそうか……つまり君は自分のことより私のことを気にしてくれていたんだな……」
そう言うと同時に婦警さんは顔に手を翳して顔の表面を取り払い、目の前には金髪碧眼の美少女。クリス様が御降臨なされた。
そして俺は耐えられず気を失った。
「う……うぅ……」
「……気付いてくれたか。」
「ひぃっ!」
目の前一杯に美少女様の顔が。それに後頭部には何かよく分からないが柔らかいものが当たっている。……これはもしや……膝枕ですか。ありがとうございます。冥土の土産にさせていただきます。
じゃねぇ!俺はすぐに飛び退いた。
「そんなに怯えなくてもいい。……そして私は言いたいことがある。」
「な~に~?」
何かどうでもよくなって来たし逃げてもどうせ先回りされるんだから開き直ることにした。そんな感じで目の前の美少女さんを見てるとじっと俺の目を見て頑張って何か言おうとしている。
「……付き合って下さい。」
「……は?」
やっと出した言葉は憑き合って?……ふむ。霊の業界の事はあんまり詳しくないからな~それに憑くとかの話だとお前の方が詳しそうだよ~?だってぇ俺に憑いて来てるじゃないかぁ!キャー!
そんなナレーションを心中で入れているとクリスは俺が何か別のことを考えていると気付いたらしく、色々考えて言い直した。
「私と……恋人になって下さいの方が良かったか……?」
「とりあえず……意味が分からない。」
あれ?ボク彼女より、日本語歴長いけど、彼女が言ってること、わかんないよ?
さて、あんまりふざけたこと言ってるから思考が変になってたけど落ち着いて考えよう。
「えっと……何で……?」
「切っ掛けは……」
そこから結構長かったが要約すると4年前に来日して困っていた所を俺が助けたらしい。全く覚えにない。
……正直4年前って言ったらお袋が胡椒を買いに行ったきり帰って来なくなった時だし仕方ないと思う。
「……それでクラスの中でも一人で本を読んでいたりそう言う話とかをしている様子とかもないから恋愛とかに興味ないと思っていたらエロ本持ってて行けるかもしれないと思ったと。」
「……そういうことだな。」
「……なんでまたそんな面倒臭いことを……大体、お前の周りにはいっぱいいい男もいるだろうに……」
俺の呆れ混じりの言葉にクリスは顔を顰めた。
「調子がいいときは誰だって来るさ。困っている時に助けてくれるのが私にとって本当に必要な人だよ。……それに君は気付いてないようだが私は君をじっと見いたんだ。そして君は変わらずにいい人のままだったから……ずっと、」
白い肌をほんのり朱に染めたクリスに俺はうっかりときめいた。だがそれで済ませられないことがあるのも事実だ……
「……じゃあ質問良いか?」
「ん?勿論だ。私だけ一方的に知っているのは不公平だろうしな。」
「じゃあまずコンビニからどうやって本屋に移動したんだ?」
聞きたくないのも事実だが、訊かないといけないことだ。俺は覚悟して訊いた。だが、クリスは普通に答えた。
「ん?車でだが……」
「え!?でもコンビニに車はなかったはず……」
「いや……私はあの近辺で用事を済ませた後、迎えが来るのを待っていてあのコンビニに入ったんだが……大体用もないのにあんな遠くのコンビニに態々行かないだろう?」
うぐ……エロ本買いに態々遠くに行ったのが裏目に……
「じゃ、じゃあそこから何で俺がいる本屋に……」
「あぁ……いや、偶然な昨日は好きな作家が新刊を出していてな……?知らないかな?有名な恋愛作家なんだが……磯千春真美という人の新刊で……近所で一番大きな書店といったらあそこだろ?」
なーるほどー確かにあった気がするが……エロ本の事で頭がいっぱいでしたね。はい。
……あれぇ?俺が勝手に怯えてただけ……?……いや、違う。これは言い訳できないはず!
「じゃあなんで俺の家に俺より先にいたんだ!?」
俺の言葉にクリスはまた顔をほんのり赤くした。
「……いや、あの時は一日に二回も偶然君に出会ってな……それに磯千春先生の小説が手に入って……しかも、そのお話が異国の少女との大恋愛話らしくて、自分と重ねてしまっておかしなテンションになってたんだ……あと、君の部屋に関しては昔……4年前にこっちに来てまだ教科書を持ってなくて国語の教科書を借りた時に教科書を返すために聞いてたし、その時に会った君の母から君の部屋とアドバイスを貰っていてな?……すぐに車で送ってもらってやってしまったんだ……反省している……」
所々速くなったりつっかえたりしながらクリスが言う言葉を聞いて、俺は少し頭の中で整理した。
「……うん。何となくわかった……一応訊くけど、お袋は何て言った?」
「……えっと、『最近のお気に入りのヒロインを見るに窓を壊して不意に入るのが好きみたい。でも窓ガラスの修理費がかかると困るわ~』って。」
「……多分お前は修理費を払うって言ったんだろうな。」
「お……よく分かったね。そしたら『なら壊しちゃっていいわよ~庭の一画に脚立とガラスカッター置いとくわね~』って……」
……あのヤロ……
「……そう言えばお袋が出かける前に話したんだ。」
「え?あぁ……ユニークな方だったから今でも記憶に残ってる。」
「ユニーク?……まぁだろうな。」
お前は今の会話聞いてただけでそう思ったんだろうが……実際はもっと酷いんだからな?
そんなことを思っている俺にクリスは言った。
「何せおすすめの胡椒とか訊いてきたからな。訳が分からなかったし片言の日本語でドイツから来たことを告げると『じゃあドイツでいい胡椒は?』なんて聞いて来たんだから。笑ってしまったよ。」
俺は嫌な予感がした。
「……お前……もしかして何か言ったのか?」
「え?あ、あぁ……一応、私の家は資産家の部類だったから行きつけのお店があったため、そこのことを言ったぞ。そして……あ、君の国語の教科書にドイツ語で書いてあるはずだ。」
「……成程。じゃあ今お袋はドイツにいるな。教科書もドイツだろ……」
一瞬クリスが固まったが笑い出した。
「はっは……面白いな……確かに今からドイツ語を習ってドイツに行くと言っていたが……今ドイツに行っているのか……有言実行なさったんだな……」
いや、今じゃなくて多分4年前から放浪してると思う。……はぁ、何か一気に疲れが出たよ……
「それはそれとして、何故いるのか分からなかったが、家の特殊メイク班にお願いしてお婆さんの格好をしたり、軽く化粧をして鬘を被り、カラーコンタクトを入れたりして婦警さんの恰好をして君が変わってないか確かめたんだ。」
「……保健室の件は?」
「あ!あれはその……授業は半日だったし……君のことが心配で……見に行ったら君が無防備に寝てて……」
また顔を赤くして……それで一々ころっといってしまいそうな分かりやすい俺が憎い!そんなことを思っていると不意にクリスの顔が暗くなった。
「こんな……こんな…………つまり、私はこんな風にして確認しなきゃ君のことを好きかどうか決めれないんだが……そ、それでも……君が好きという事実は覆しようがない事実なんだ。……こんな私だが付き合ってくれないだろうか……?」
泣きそうにも見えるクリスの顔を見ると俺は拒否できそうもなかった。
「……まぁちょっと行きすぎな所もあるけど……俺でいいなら。」
俺がそう言った途端にクリスは顔を明るくさせて俺に抱きついた。
「そうか!じゃ……じゃあこれからは私のことを名前で呼んでくれ!」
「えっと……クリスで良かったか?」
「違う。エミルだ。……もしかして私の名前すら憶えてないのか……?」
顔を真正面に向けてむくれるクリス。やっべぇ可愛い……
「クリスティアン・エミル。デンマーク=ノルウェー連合王国の王族の血を引くクリスティアンはファミリーネームだ!」
「お……おう。わかったよエミル……」
「分かればよろしい!」
満足気に更にきつく腕を組ませるエミル。俺は……そんな彼女の顔を見ることが出来なかった。もう一つ聞きたいことがあったのだが……それは……まぁ……訊けないな流石に……
「あ、因みにエロ本を見たのは君……いや、うむ。し、真治の趣味を知りたかったからだ。」
あ、何か勝手に言ってくれた。
「だが、真治は16……今年で17だ。まだ条例にひっかかる。それに私という彼女がいるんだから要らないだろう?捨てるぞ。」
「そ……そんな殺生な……」
「捨てる!」
俺の夢と希望は捨てられるようだ。……そうかそうかつまり君は血も涙もないんだな……
次回予告~
「あら、ただ今~胡椒買って来たわよ~それと、はい。国語の教科書。変な子が来て渡してくれたわよ~窓破って来てくれた~?」
「……4年ぶりで最初の挨拶がそれかお袋……」
「あら、4年?……しまったわね~そんなに経ってたとは思わなかったわ~時間が流れてたのを『なかったことに』しようかしら~」
「どこの先輩ですかあんたは!」
「?異世界に転勤してるパパの力なら時間操作位簡単よ~」
「親父異世界に行ってたの!?想像との単身赴任のレベルが違い過ぎた!」
「あ、でもこの世界は私がいなかったという事実は変わらないわね~別世界はどうにかなるんだけど……」
や、
「エ~ミ~ル~……」
「いや、だって……」
「言い訳無用!」
果たして彼はなぜ怒ったのか!
などと言ったことが……すみません。起きません。次まで書きません。
はいごめんなさい!謝っておきます!許して下さい!悪意はないです!書きたかっただけです!