幸せな花嫁
「泣いてるの?」
「え?」
気づかぬうちに涙を流していた。
幸せじゃない花嫁なんていないと、誰かが言ったけど、それなら私のこの気持ちは、一体なんだろう。
ああ、そうか。
やっぱり、私は、君が――
「梓っ!」
「……ユウト?」
扉を開け、皆の注目を浴びるのは、息を切らしながらも駆け寄ってくるユウトだった。
私が、ずっと一緒にいたい人。
今この瞬間、涙の意味が変わる。
強引にお姫様抱っこして、その場から私を連れ去っていく。
白く清らかなが、ふわりと揺れる。
いけないのに、いけないことだと知っているのに、私は、ユウトを止められない。
だって、この結末を誰より望んでいたのは、私だから。
たとえ一緒に過ごせるのが、あと一日でも。
迎えに来てくれて、ありがとう。
「梓につらい思いを、させることになる。だが、俺はお前が、好きだ。俺と、結婚してほしい」
ユウトがポケットにいれていた指輪を取り、左手の薬指に嵌める。
これで私は、ユウトのものになれた。
嬉しい、本当に嬉しい。
だから、怖い。
明日が来るのが、とてつもなく怖い。
明日になれば、別れなくてはいけないから。
彼は居るべき場所に帰って、私はここでユウトを想いながら一生を過ごすんだ。
うん、それでいい。
だから今だけは、つかの間の幸せに浸らせて。
心から好きと思える君に、抱き締められる私は、誰より幸せな花嫁だよ。
小説を読んでいただきありがとうございます(*´∇`*)
まだまだ設定の詰めが甘く、「話わかんね(- -;)」と思われるかもですが、この小説は近いうちに、長編小説化する予定のもので、そのワンシーンを書きました。
文章力なくて、本当にごめんなさいorz