第五話 動き出す虹・5人目
次は俺、銀煌輝が担当します。
まず始めに投稿が遅れたことについて深くお詫びします。
本当にすみませんでした。不覚にも風邪をこじらせてしまいまして……
まだ半人前にも満たないような稚拙な文章ですが、お付き合い頂ければ幸いです。
よろしくお願いします。
「失礼する。この家にカリウスはいるか?」
彼は家の前で掃除をしている妙齢の女性に話し掛けた。
「えっと……兄の知り合いですか? わざわざ来て下さったところを申し訳ないのですが、兄は約半年前にランギルという商業都市に移りました」
「……何!?」
その言葉を聞いて彼――レヴィオスは驚いた。
彼はここに住む友人に会いに来たのだが、友人はどうやら引っ越してしまったようだ。
(ここからだと2~3日ほどだろうか。かなり遠いな……)
レヴィオスはとあるきっかけで友人の命を助け、腹を割って話せるほど親しくなった。
そんな友をわざわざ訪ねた彼にとって、親友の転居は意外だった。
しかし彼がそれを知ることはほぼ不可能だっただろう。
各地を飛び回るように傭兵稼業をしている彼は一所に留まらないため連絡を取るのは至難の業だ。仮に遣いを出したとしても、会えることは極めて稀だ。
友人はその歳の割には凄腕の情報屋で、彼も度々友人に世話になっていた。今回の訪問も依頼に加えて、長らく顔を見せていないのを心配させないためだ。
「そうか、分かった。それでは」
そう言って立ち去ろうとしたレヴィオスを女性が呼び止めた。
「もしかしてあなたはレヴィオスさんですか?」
「……そうだが?」
「では、少しお待ち下さい。兄から手紙を渡すよう言付かっていますので」
そういうと彼女は家の中に入って行き、封筒を手に戻ってきた。
「これをどうぞ」
レヴィオスはそれを受け取り、手紙を開いた。
「なるほど……」
手紙を読んで彼は微かに笑みを浮かべた。
(なんともアイツらしいな)
手紙を読み終えた頃、女性が話し掛けて来た。
「あの……、兄の所へ行くのでしたら、1つ言伝をお願いしても良いですか?」
「何だ?」
「遠いけどたまには帰って来てね、とお伝えしておいて下さい」
女性は微笑んでそう言った。
「ああ、了解した」
彼は応え、こう続けた。
「俺はもうここを発つ。世話になったな」
背を向けて歩き出す。
「はい。お気を付けて!」
彼は振り向かず、軽く手を挙げて応えた。
そして彼は商業都市への近道である細い山道へと入って行った。
山道をランギルへと向かう彼に邪魔が入った。
ばらばらと男達が現れ始めて彼を取り囲んだのだ。人数は10人程だろうか。
「何用だ?」
取り乱すこともなく彼が問うと、男達は下品に笑い出した。
「俺達に用があるのは荷物だけだぜ? お前に用はない」
「……愚かだな」
彼は吐き捨てるように言った。
「何だと? もう1回言ってみろ!」
彼の言葉に男達が反応する。
「何度でも言おう。相手の力量も計れないような貴様らは愚かだと」
彼の鋭い眼光に男達は気圧され、少し後退った。が、
「相手はたった1人だ、行くぞ!」
彼らのうちの1人が叫ぶ。その怒号が合図かのように襲いかかってきた。
振り下ろされる斧を最小限の動きで避けつつ、突き出された剣を自らの魔剣で弾く。
「弱いな」
一言呟き、体勢が崩れた相手に蹴りを放つ。
その刹那、軽業師のように後方へ大きく跳躍。彼らの全員を視界に捕捉する。
「何だと!?」
男達が驚愕の表情でこちらを見る。
「俺に闘いを挑んだこと、身をもって後悔するがいい!」
彼はその隙に叫ぶと剣を彼らに向けた。
「行け!」
この叱声の直後、眩い閃光が辺りに迸る。
「な、何だ!?」
「助けてくれぇ!」
「くっ、やられた……」
光が収まると男達が地を転げ回り、悲鳴を上げていた。
「ただの目眩ましだ。数日も経てば元通りになるだろう」
彼はそう言うと男達の武器を集め、遠くへ放り投げた。
「思わぬ時間を使ってしまった……」
そして彼は平然とその場を去って行った。
いかがでしたか?
文章力はありませんが、精一杯書きますのでこれからもどうぞよろしくお願いします。
お時間ありましたら、各々で投稿している小説の方もどうぞ。
それでは、次回もお楽しみに!