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RAINBOW!~wanders of comet~  作者: 七須木雨人
集まる虹、揃う虹~商業都市ランギル~
23/28

第二十二話 さよーならしたのは僕でした

前話のタイトルみて発作的に閃いた内容。

実際、暴れさせたことについては社会的にマズイかなーとも思ってたしちょうどよし。


それでは、お楽しみいただけると幸いです。

「ねーねー、まだ着かないのかなー?」


「静かにしてろ!!」


「まあそう言わずに、さ?ほらほら、仏頂面は健康にも悪いって言うしねおにーさん、それにこっちだってじっくりゆっくり聞きたい事だってあるんだし」


 そこまで言った所で、少し前を行く隊長格の人(多分。なんか鎧とかも少し豪華だし、それよりなにより偉そうだし)が、キッ!とばかりに振り返ってきた。


「いい加減にしろ、囚人(・・)っ!お前みたいなガキのわがままに付き合っとるほど我々も暇ではないんだ!」


「へいへい、わかったからそう怒鳴らないでくださいな、っと。ほら、はんせーしてあげますからさ。ほらほら、自分で言うのもなんだけど僕が反省するなんてかなりの貴重なレア物だよー?」


「貴様っ!我々の事を舐めているのかっ!?城まで行って牢に叩き込むまでの間ぐらい静かに出来んのかっ!」


「む、何を失敬な!私はこの上なくこの国に仕える貴方様の事を尊敬して、現に今も褒め称えているというのにっ!!」


 そこまで言った所で(もちろんすっごい生真面目っぽく)、隊長(仮)がそっぽを向いた。もう相手することをやめたらしい。…………残念、もうちょっとからかおう(暇つぶしに使おう)と思ってたのに。ま、しょうがないか。

 さて、どうして僕はこんなよく分からない状況に置かれているのか。それは、もうちょっと前に遡ることになるんだよねぇ…………。










――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 それは、今朝の事でした、まる。


「あれ?皆お揃いでどうかしたの?」


 黙って外に出て行った埋め合わせをしてきた――――――――――早い話が開けっ放しだった窓を閉めに部屋まで行ってきただけ――――――――――ら、ジェンちゃんにルノちゃん、サージャにライトときれいに四人とも揃って玄関から入ってきた。


「ん~?ちょっとねっ!」


「…………?サージャ?」


「別に」


「何かあったの、ジェンちゃん?」


「同じく」


「あんま期待しないけど…………ライトッ!?さあ言え何があった!」


「やかましい、叫ぶな!」


「えー、だって普通に聞いても絶対まともな返事してくれないでしょ?」


「否定はしないな」


「やっぱり…………ま、いいんだけどさ」


 そんなのんびりとした(?)会話を挟みながらそういえばまだだった朝食を食べて、さて今日はどうしようかと思った、その時!


「犯罪者クラディー・ウェル!お前がここにいるのはわかっているので、逃げても無駄だ!無駄だから無駄な抵抗をせず、す、すすっ、速やかに出てこい!」


なんかテンパッてる人が来た。無駄無駄うるさいなあ、もう。


「…………お前、何をやらかしたんだ?」


「身に覚えがあり過ぎて困る」


「えっ!?クラ、駄目だよそんなことしてたら!」


「やっぱり定価の八割セールだった肉まんをさらに値切ったのが悪かったのか………いや待てよ、それとも昨日『新商品!』とか言って無料で配ってた飴を二〇個ぐらいごっそり持ってきたのがバレちゃったせいかな?あーあ、やっぱ一〇個程度でやめときゃよかった…………」 


「飴?クラ、それまだ余ってる?私にもちょうだいっ!」


「ん、いーよ。はい、ルノちゃん」


「ありがとうね!」


「皆も食べる?まだいくつか余ってるけど」


「…………私は貰う」


「右に同じく」


「俺はいらない………というか、あれは放っといていいのか?」


「はい、サージャにジェンちゃん。う~ん、別にもうちょっと相手してあげてもいいんだけど」


「けど?」


「いや、もう少しぐらい焦らしてみようかなー、と。特に意味は無いけども、いいリアクションしそうな雰囲気というか、オーラ出してる感じがする人だし」


「ふふ、ふざけるなっ!いいかクラディー・ウェル、お前に対しては、正式にこの国の騎士団からも逮捕状が届いているんだぞっ!?」


「何だってー(※もちろん棒読みです)」


「この………!!」


 ふむ、ちょっとばかりいじり過ぎたかも知れないなぁ…………どれ、そろそろ真面目に聞いてあげるとしますかね。僕の逮捕なんて、随分と物騒な話でもあるし。


「まあ、すいませんでしたよ。それで、今の話は一体どういった意味なんですか?」


 …………そこ、驚かないで欲しかったなルノちゃんや。僕だってやろうと思えば敬語くらい使えるってーの。


「ほ、ほれっ!こここ、この通り、書類にもなっている!」


 え~と、なになに?罪状は…………『暴行傷害・器物損害・市民迷惑』?何だこりゃ。説明プリーズ、って感じの目でじっと見つめると、すぐに教えてくれた。やたらノリノリで。


「これは、お前が雇われの身にもかかわらず今朝殴り込みをかけて無抵抗にもかかわらず殴り倒した挙句放置されたリッタボル商会からのもの!器物損壊に関してはその時街中であるにも関わらず魔法を使い大穴を開けられたリッタボル商会の事務所のもの!市民迷惑も同じく街中、しかも早朝であるにも関わらず大音量を出したことに関する市民一同からの、それぞれお前に対する訴えだ!」


 リッタボル?どこかで聞いたような?リッタボル…………リッタボル………ああ思い出した、あの屑な奴隷屋か!


「わかったら大人しくついてこい、下手なことをすると罪が増えるだけだぞ!」


 うん、どうしようか。最後の一つ以外認める気は無いけど、捕まると色々手続きとかめんどくさいしとりあえずガシッ逃げy…………ガシッ?


「こんなんでよければいつでもしょっ引いてくれ」


 ちょ、ちょっとライトー!?後ろに回ってはがいじめとか冗談抜きで勘弁してもらえないかないやホントに!

 










―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「うぅ………あの裏切り者ぉ」


「うるさいぞ、いい加減にしろ囚人が!」


 …………誰か、助けてよー。いやまあ、自力で逃げてもいいんだけどさぁ。

…………大丈夫だろうか、こんな無茶振りして(汗)。


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