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RAINBOW!~wanders of comet~  作者: 七須木雨人
集まる虹、揃う虹~商業都市ランギル~
20/28

第十九話 嵐の後の静けさとはならないようです

題名つけるセンスの全くない玖龍です。


もう長文って書くの疲れますね!意味わかんないし!!


羞恥プレイってこういうことですね(あはは)

それに今回挿絵描かなかったし(下書きは一応したんですけど、その段階で見せられない感じだったのでパスします)

 朝から不本意なれど、大乱闘を繰り広げた結果――――奴は逃走した。


 

 『髪の毛数本分の代償は大きいぞ。覚悟しろ!』



 そんなことは微塵も思っていなかったサージャだったが、やはりイラッときた。


 朝からお行儀の悪いことに窓から(・・・)お出かけしようとしている不届ぎ者。

 彼女は両親によるしつけの賜物で、案外行儀にはうるさいのだ。


 それにバレたからといって、突然攻撃をしかけてくるあの野郎。

 普通は挨拶だろうが。そして髪の毛を奪いやがって……いや、これは違うな。


 そんなことを思い、前髪を掻き上げながら、ふーっとため息をつく。

 

 するとたたたっとルノが走ってきた。

 「サージャ!大丈夫!?怪我してない?って、ていうか朝っぱらからどうしたの!?」

 「……なんでもない」

 そう言うと、少しふらついた。慌ててルノが支える。

 「ちょっと、顔色悪いよ、サージャ?どうかしたの?」

 「……私が具合が悪そうに見えるなら、話しかけるな」

 「ふ、ふぇ?……なんか変だよ?」

 「私はいつも変だ」

 「いや、そうじゃなくてさぁ……」

 ルノがひきつった表情でサージャを見るが、当のサージャは知らんふり。


 そして突然ビシッと薙刀の刃をクラの首元に突き立てる。

 「次やったら……おまえは冥界の主(ラトナ)のもとで寝起きすることになるぞ」

 「……へ?」

 全く心当たりがなさそうな顔のクラ。

 ……当然といえば当然なのだが。

 朝から(端から見たら)魔法全開の乱闘。流血騒ぎにもなりかねない。

 しかもここは一般客も泊まる……その実泊まっている宿。

 

 寧ろ――――止めて当然


 クラは正当な行為をしたはずなのに、真っ当な「おはよう」が言えない連中に殺害予告とは。なんとも不思議な話だ。

 刃を突きつけられた彼は、ごくっと喉を鳴らし、唇を舐める。そしてやっとの思いで口を開く。

 「さ、サージャ……ちゃ……さん?」

 「なんだ?弁明なら聴かんぞ……というか何故おまえは外からやってきた?」

 「と、と、とりあえず、朝からそんなぶっそうなもん出してさ……な、何やってんの?」

 「あの金髪馬鹿……おっと口が滑った。金髪の頭のネジが数百本ほど抜けてる野郎に喧嘩を売られただけだ。おまえが関知するようなことではない。で、先ほどの質問に答えてもらおうか」

 「訂正されたほうがひどいこと言ってるけど……」

 と、ジェン。

 解答の邪魔をした彼女の方に目を向けると、さっと避けられた。

 

 「とにかく!こんなところで喧嘩してるのは、とっても迷惑だし、危ないでしょ?2人とも結構強力な魔法なんか使って!!」

 今度はルノ。悉く邪魔をしてくれるものだ。

 はーっとため息をつくとサージャは実に面倒くさそうに答える。

 「……あんなもん序の口だ。ルノたちが止めなかったら今頃あいつは」

 「いや、反応するところそこ!?……あ、ちょっとサージャ!!」

 これ以上付き合っていられないと言わんばかりに、ふらふらと歩き出したサージャを慌ててルノが止める。

 「疲れたから……寝るだけだ。答えも……期待できないようだし」

 「あ、そう……って疲れるようなことするからいけないんじゃん!」

 ルノの言葉も無視。


 戦闘でやむなく引っ張り出してきた薙刀をコードを唱えて不可視の状態――――というより、元の収納場所に片付ける(火の精(サラマンダー)に押し付ける)と、宿の扉に手をかける。


 絶対に邪魔するなよ、と言い残し、そのまままだ宴会の余韻の残る店内へと彼女は消えていった。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 部屋の扉を閉めた途端、サージャは激しい動悸に襲われた。

 そのままへたへたと床に座り込む。


 緊張が解けたのか――――いいや、ライトと対峙するときには何の緊張もなかった。


 所詮はただの男……普通とは違う気は認められたが、そんなの高が知れている。


 街中で矢をぶっぱなすような、非常識男に劣るはずがない。


 


 そう思っていた。



 しかし、一度彼と刃を交えたとき、極度の緊張がサージャを襲った。



 まるで彼奴みたいじゃ(・・・・・・・・・・)ないか……!(・・・・・・)


 

 最愛の母を殺した、あの男。

 

 自分と同じ髪の色、目の色。象牙色の肌をした、あの……凍てつくような目をした魔人。



 ひゅっひゅっと喉が鳴る。



 アレ(・・)には劣るが、アレ(・・)に近いプレッシャーを放つライト。


 すぅっと目を閉じ――――透視(シー・スルー)を使ってみる。



 ――――なんだ、ライトにも魔人の血が流れているんだ



 どうりで……似たような気がしたんだ。


 ははは、と肩をギュッと抱きながら震わせる……どうしようか。


 奴を追うべきなのか、ここで思案するべきなのか。


 

 追ってどうする?知りもしないだろう魔人について問い質すか?


 思案して何になる?奴を仕留めるか?



 「母さん……」


 口から出た言葉は――――それだった。

魔人ブーみたいな可愛い魔人は出てきません(笑)

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