第一話 動き出す虹・1人目
さあ、始まりましたRAINBOW。
トップバッターは僕こと久本誠一、代表作は『科学な都市の四方山話』(宣伝失礼!)、ここでのmyキャラはクラディー・ウェルです。
それでは、よろしくお願いします!!
「おい、兄ちゃん!兄ちゃん!ほら見ろ、城壁が見えてきたぜ!」
「ヘ?・・・・ああ、おはよーござ・・・・」
「かーっ、まったくのんきに寝てる場合じゃねえっての!ほらほら、目的地が見えてきたぜ!」
ん、目的地?えーっと・・・・・あぁーっ!!確かにこれは寝てる場合じゃない!
「も、目的地って言うともしかして!?」
「お、やっと目が覚めたか?ほら見ろ、あれがスパンダム大陸の中でも20本の指に入る大商業都市、ランギルってもんよ!どうだ、でけえだろ!」
いや、あんたは別にランギルの出じゃないでしょーが。・・・・・・そう思ったけど、まあそれは言わないでおいた。一応護衛ってだけで馬車に無料乗りさせて貰ってるワケだし、その負い目もちょっとはあるしね。僕が言うことじゃないけど、かれこれ5日間ただ馬車に乗ってるだけでほんとに報酬なんてもらっていいのかなぁ・・・・・まあ、本家の傭兵さんにこんなこと言ったら『何甘っちょろいこと言ってんだ』って叱られるんだろうけど。
そんなことを考えながら左右に広がる森をなんとなく見回し・・・・ん?今何か・・・・動いたの・・・かな?
ふむ、どうやら終了間際で初仕事らしい。いつものように、精神が落ち着いてくるのを感じる。
「あの、すいません」
「それでな、ここランギルを夜に見たときの夜景の綺麗さっていったらもう、それはそれはすばらしいもので・・・・・ん?どうしたんだ、クラ?」
「ちょっと、護衛ってやつをやってきます。すぐ戻りますんで、先行っててもいいですよ」
「何!?・・・・一体何が来た!?」
さすがにプロの商人。こんな事態も前に経験したことがあるんだろうか、気持ちを一瞬で切りかえられてる。
「えーっと・・・・気配からいって魔獣ですね。ここらで暮らしてるんじゃないですか?」
「むう・・・・・そんな話はどこからも聞いてなかったが・・・・とはいえ、まずは今どうするべきなのか・・・・」
あれ?僕の存在意義って一体・・・・?雇われた時は『護衛』だったはずなんだけど・・・・・。
「あ、あのー?」
「ふうむ・・・・・」
なんか自分の世界に入っちゃった・・・・・はあ、しょーがない勝手に行こっと。というわけで軽くジャンプして飛び降り、そのまま道を外れて森の中に。
さーて、どうするかな・・・殺しはあんまり好きじゃないからパーっと追っ払えればいいんだけど、あんまりのんびりしてるとあっちに迷惑がかかるし・・・・そもそも、相手は何なんだろ?
そんなことを考えていたら、いきなり横から雷が飛んできた。
「くっ・・・・!?」
慌てて地面に転がって避ける。あ、危ない危ない・・・・・。でも、今ので一つはっきりしたことがある。どうやら『魔獣の群れ』ではなく『盗賊団』とかそんな感じの奴らに狙われているらしい。やれやれ・・・・ただ、今撃たれた雷のスピードや威力から考えても、はっきり言って実力はほぼ無いと見て間違いなさそうだ。多分、生活に困った農民といったところだろう。
・・・・・・あるいは、今のはただの威嚇射撃なのか。
うーん、どうしようか。とりあえず、誰が護衛している馬車に喧嘩を売っているのか・・・・・それぐらいは、身をもって知ってもらおうか。それで逃げ出してくれれば万々歳だし。となると、あの魔法が一番いいかな。派手で目立つし。よし、次が来たらアレでいってやろうっと!
そのまま待つこと約5秒・・・・・・来た!うーんと、さっきとおんなじ雷の魔法、単発で第二陣は無い・・・よし!
「いくよっ!【エフェクトリック】!」
言いながら雷の飛んでくる方向に腕を向け、魔力集中!――――――――――そして、体の前に夜空のように黒く、無数の点がキラキラ光る空間が現れ、こちらに向かって飛んでくる雷とまったく同じサイズの雷が飛び出し、そのまま2本の電気の束がぶつかり合って相殺して・・・・・どっちも消えた。大成功!
よし、相手の動揺が伝わってくる。もうちょっと心理的に追い込んでやるか♪
「おーい、今ので勝ち目が無いのはわかったんじゃないの?でも、君も含めた全員で僕たちが通る間大人しくしててくれるって言うんなら、まだ見逃してもいいよ?・・・・どうする?」
一瞬だけ沈黙した後、誰かが立ち去るような音がして。それで森は、静かになった。ふう・・・・・護衛終了っと!
で、その後無事ランギルに入れて、依頼人から報酬を受け取り(ただし全額受け取るのはやっぱり気が引けたから、3割ほどおまけしておいた)、晴れて自由に!さーて、どこに行こうか・・・・たって、まずは今日の宿を探さないとね。
10分後。道を行く現地の人から話を聞きまくり、総合的に一番よさそうな宿屋のドアをくぐって――――――――――その瞬間。
・・・・・あー、なんというか・・・・すごいことになった。
~クラディー・ウェルの魔法メモ~
①【エフェクトリック】
相手の魔法とまったく同じ威力・展開力・スピード・効果を持つ魔法を放つ、徹底的な防御専用魔法。どんな魔法も必ず相殺できる半面、打ち消しの効果なので自分の攻撃には使えず、必然的に後出しとならざるを得ない。
さてさて、どうだったでしょうか。
じ、次回からはもっと文章力のある人が書きますから(汗)!まだ投げないでー!!