第十一話 ランギルへの道
雨音ジェンナです。久本さんが忙しいそうなので先に書いちゃいました((テヘ
幼女と絡ませたかったのでこんな話になりましたw
ゴトゴトと律動的なリズムが伝わってくる。今、ボクは馬車の上。
「お兄たんっ。これ見て~。」
可愛らしい幼女が、絵を握りしめてボクの方に走ってくる。さすが商人の娘というか、馬車の上でも安定のバランス感だ。
「ん。見せて。」
それだけいうと、幼女の絵を覗き込む。見た感じ5歳くらいだけど、結構上手だった。どうやら、絵を描くのが好きらしく、ずっとなにかを描いてはボクに見せてくれていた。
一体、護衛がどうしてこんなことをしているかというと……。
塩の商人の護衛として雇われたはいいけれど、ボクだけは「子供の護衛」という名目で、別の馬車に乗っていた。商品が積み込み切れなかったとき用のサブ兼、住居空間として使われているものだ。確かに、重要っちゃ重要だけど……。ちみっこいからって、戦えないとでも思われているのだろうか。仕方ないので、子供たちの相手をして過ごしていた。ちなみに、いるのは、5歳くらいのさっきの幼女と、7歳くらいの男の子。それから、13~14歳くらいに見える女の子だ。おとなしい感じの子で、ずっと弟たちをただ見守っていた。
「お兄たん。」
また、あの幼女がニコニコしながらボクに話しかけてくる。
「リアね、今度はお兄たんを描いてあげる~。」
「……ありがと。」
魔法で声質をもっと男っぽく変えれば、もっとちゃんと話してあげられるけど……。とか思いつつ、無愛想に返事する。子供は純粋な分、魔法の所為で生じる微かな違和感にも気付いたりする。こんな対応でも、何故かボクを気にいってくれているので、わざわざ魔法を使わなくてもいいか。と思った。幼女は、早速ボクを描いてくれているようだ。それを横目に、特にやることもないので、荷台の後ろの方に腰かけ、外を眺める。平和、だった。なんでボクを雇ったんだろう……。
素晴らしい陽気+平和+単調なリズム+退屈+お腹が減ってない=眠くなる
というわけで、うつらうつらし始める。なんか幸せだ~。徒歩の旅は、楽しいけど疲れる。たまにはこんなのもいい。
気付いたら、辺りがオレンジ色に染まっていた。夕方だ。一応子供たちが無事かは確認するが、まあ寝てても怪しい気配があるとちゃんと分かるので、心配はしていない。
「お兄ちゃん起きたー。リアお兄たん描いたよー。」
早速リアちゃんが寄ってくる。
「ほらぁ、これがお兄たんだよー。リアね、お兄たんの為にがんばって描いたんだよ。」
少し舌っ足らずな喋り方で、一生懸命教えてくれる。
「……リアちゃん。これ。。。」
なぜか、ボクのフードの両側に、出っ張りがある。まるで、猫耳みたいな。リアちゃんに問いかけると、元気にこう答えてくれた。
「それね、猫しゃんの耳みたいなのー。お兄たんに似合うと思ったー。」
「…………ありがと。。。」
何故に猫耳?!え、似合うってなによ。今までそんなこと言われたことなかった。などなどと心の中でツッコミまくりながら、お礼を言う。……猫耳、、、ねえ。。
夜。野営地で夕食を食べて周囲を哨戒していた時。ボクは13、4に見える女の子(ラーシャっていうらしい)に呼び出された。
「ちょっと動かないで。」
こんなことを言われ、馬車の荷台に座らされる。
―――五分後。
「はい。」
鏡を渡されたボクは、
「……。」
フードが猫耳付きになっているのを確認し、絶句した。裁縫道具をもってフードに何か縫い付けているのは分かっていたから、予想はしたけれど、実際見るとやはり驚いた。
ラーシャは、ただただ笑っていた。
翌朝。ボクはランギルに入ることができた。実際はもっと早く入れる予定だったらしい。奴隷商人の取り締まりの関係で、ランギルに入ることが出来なかったと言われた。
町に入ったところで一行と分かれる。クプリュス亭への行き方も聞いた。一行は商会で塩を売るために交渉したりと、しばらく此処に滞在するようなので、また会えるかもしれない。
ちなみに。別れる直前、ラーシャはポツリと『じゃあね。女の子なんだから体大事にしてね。』って呟いた。えと。。。ばれてる?
ジェンナさんは子どもがあまり得意ではないようです。まあ、元々喋らないんですけどww
あー……。文章力と画力欲しいw