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お嬢様、窓際族に憧れる

作者: 紡里
掲載日:2026/05/12

ショートショートです。

「な、なんですの? この『窓際族』というのは?」

 東の島国のことを書いた本を読みながら、わたくしは悲鳴を上げた。


 知識を広げるために本を読むことは大切だ。

 こうやって意外な事実に出会える。


「う、羨ましすぎますわ!」

 重要ではない仕事をして時間を潰し、席は景色を楽しめる窓際。それでお給料がもらえる。

 素晴らしい。パーフェクト。

 これこそ、わたくしが目指す理想郷ですわ!


「お嬢様、あまりおかしなことをしないでくださいね」

 侍女が呆れた声を出す。

 本を読んでいないから何を羨ましがっているか知らないくせに、そんなことを言う。

 昔からの付き合いなので、「また何か変なことをやりだすかも」と警戒されているのだろう。



「社史編纂室への異動が左遷ですって。歴史をまとめるなんて、希望して行きたいですわ」

 ふむ、それで暇になって不倫をするのね。


 羨ましいお話の中に、「二十四時間戦え」という不吉な文章もある。出世争い、足の引っ張り合いとなかなか好戦的だ。


 独自の文化を育み、勤勉な民族だったという。

「行ってみたかったわ」

 本をテーブルに置いて、お茶に手を伸ばす。


「そうですね。滅んでしまったのが、残念でなりません」


「あなたはアニメの聖地巡礼がしたかったのでしょう?」

「はい。萌えたかったです」


 ――穏やかな昼下がりの会話である。


不安になるニュースが耳に入るので、コメディに変えてみました。

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― 新着の感想 ―
あ、、、えっと、まさかの、日本(及び世界?)が滅んで1000年後とかの世界線ですか?人類史もう一回やり直し、みたいな。 面白かったです。ありがとうございました。
ほのぼのとしたやり取りの後のオチが効いていました。こういうお話大好きです。
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