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暴走能力を持つ主の苦悩  作者: 焼納豆
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(96)とある集落にて

 馬車で二日の領地までの距離をリーンの要望によりゆっくりと徒歩で戻っている二人だが、道中には時折集落が存在するので訪問している。


「こ、これはリーン様ではないですか!」


 ソシケ王国だけではなく広くその名を轟かせているリーンなので、王都とハイス子爵の領地の間にある集落であってもその名は知られている。


「こんにちは!」


 普段他人に全く興味のないリーンなのだが、立場もあるので普通に対応出来ている。


 更に言えば今はロイと共に旅が出来ている喜びに溢れているので、見惚れる笑顔で対応している。


 流石に領地に近い集落だけあってロイの事も良く知っているらしく、当然リーンを含む家族がロイをどう思っているのかも良く知っているので、かつてのギルドマスターであったクノデラの様にロイを貶すと言った致命的なミスをする人はいない。


「ロイ様もようこそお越しくださいました。ささっ、何も無い場所ではありますがどうぞお寛ぎください。最近はルホーク様が各集落へ直接的な援助をして下さっておりますので、私達も非常に助かっております!本当に有難うございます」


 リーンの感想としてはルホークの為政者としての行動を褒めた所よりもしっかりとロイについて認識して正しく対応した所を極めて高く評価しており、より一層機嫌が良くなる。


「うふふふ、貴方は人を見る目がありますね。ロイ君、行こ?」


 これだけでは普通に考えれば領主代行として仕事をしているルホークを褒めた事に対する賞賛だと勘違いしてしまうのだが・・・ロイだけは間違いなく自分への対応が良かったからこのように言ったのだろうなと理解していた。


 ついでに言えば、兄であるルホークも全く同じ事を思うはずだと言う確信がある。


「こちらでございます!」


 普通の一軒家・・・集落としては考えられない程に状態の良い家に案内されたリーンとロイ。


「凄いですね。綺麗な家です!」


「おぉ!ありがとうございます、ロイ様。こちらもルホーク様の援助によって建てられたのです。何でも行商人の方が格安で各種素材を販売してくださるそうで、重宝していると仰っておりました」


 その行商人を派遣しているのはロイ自身の指示によるものなので過剰な供給をしているのかと一瞬不安になって家を再度見るのだが、さしあたりロイの目では普通の立派な家だったので安堵する。


 何やら最近は驚いたり諦めたり、特に安堵する事が多い・・・と思いつつ、案内されるままに家の中に入る。


 建築に関して知識がある訳ではないロイなので、しっかりとした技術を持った人物によって作り込まれた感じは受けながらも良い家だと言う以外の感想がなかなか出てこない。


「ロイ君!とっても落ち着く家だね。ルホーク(にぃ)も頑張っているんだね。見直しちゃった」


「そ、そうだよね、姉ちゃん。凄く綺麗な家ですね。びっくりしました」


「ありがとうございます!!私達としても、ハイス家の皆様には感謝しかありません」


 リーンの軽いフォローの流れに乗って、当たり障りのない言葉で返しつつも流れで一泊する事になるロイ達。


 こうなるとどのような流れになるのかは・・・当然ダイヤキングを筆頭としたカードの部隊が暴走する事になる。


 ある意味新築だろうが立派な創り込みだろうがカード達にはその一切は関係なく、自分達基準で絶対の主であるロイがしっかりと休めるか、癒されるか、思い通りに過ごせるか、そこが重要なのだ。


「で、ロイ様の御実家の領地の守護と益を出していただくための行商をしていたスペード部隊は、この集落に宿泊した事は有るのか?」


「ダイヤキング殿。今問い合わせたところ一度も無いとの事だった」


 カードの者達の実力であれば馬車で二日程度の距離は直に移動できてしまう為に道中の集落に立ち寄る必要性が無く、また任務は領地の守護と領地に益をもたらす行商であった事から特に意識せずに通り過ぎていた。


「成程。それはやむを得ない事態ではあるな。だが!今この場に来ている以上は現状を見過ごすわけにはいかない。そうではないか?我が主、至高の主がお休みになるのだ。当然それなりの改修が必要だろう?」


「ダイヤキング殿の言に余す事無く賛成ではあるが、今は姉上であるリーン様もいらっしゃる故、事は慎重にしなくてはならない」


「フム。スペードジャック殿の意見、納得だな。なれば・・・これしかあるまい!」


 そして決行されるダイヤキングの作戦。


 ダイヤキングも何時までも力技では何れ選択肢が無くなると思っており、一応頭脳集団最強を自負しているので日々顕現している者達からあらゆる情報を集めていた。


 その知識を活用した結果    ―――カポーン―――


「ふぅ~、ロイ君。良いお湯だね?」


「そそそ、そうだよね、姉ちゃん。でもさ?俺もそろそろ良い年齢だし、ゆっくりするには一人で入る方が良いと思うんだけどなぁ」


 以前の様に互いにしっかりとタオルを巻いてはいるのだが、リーンのこれ以上ない程の強い要望によってロイと共にお風呂に入って寛いでいる隙に風呂場を除く全ての改修を行ってしまうと言う結局は力技に出ており、その際に集落の面々や同じく宿泊している者達は少々眠ってもらうと言う今まで以上の強硬手段に出ていた。


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