表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
暴走能力を持つ主の苦悩  作者: 焼納豆
51/132

(50)ロイの秘密(2)

あけましておめでとうございます

 リーンがさっさと出国してしまった後、ヴァイスは事情を説明する様にとの国王命令により王城に呼び出されるのだが事実を話す以外には何もする事がなく、また国王側としても古龍を手懐けていると聞いているリーンの家族に対して無駄な圧力をかける事は出来ないのでその説明を聞くだけに留まっている。


 説明と言う名の謁見が終わった後、王城とハイス子爵家それぞれで色々な話しが持ち上がっている。


 先ずは王城・・・


「おい!やはりリーンが出国したのは事実だったのだな。その理由があの無能の収納魔法持ちを探しに行く為とは・・・貴様らはロイの行方を掴んでおらんのか?」


「陛下。残念ながら無能のロイを監視する必要性を感じておりませんでしたので、誰も行方が分かっておりません」


「私の方でも全く情報を得られておりません。そもそもあの無能ですから道中で死亡している可能性すらあります。そうなると永遠にリーンはロイを探し続けて戻ってこない可能性があるばかりか、逆恨みをして王都で暴れる事も選択肢としてはあるのではないでしょうか?最終的には古龍が出てくる事態すらあるのかもしれません」


 勝手に妄想し勝手に最悪の方向にイメージが膨らんでいるのだが、誰もロイの本当の力を知らないので脅威の対象はリーンとリーンが従えていると判断されている古龍となっている。


 騎士、ギルド所属の冒険者、更には傭兵達を強制的に動かせばひょっとしたら古龍にも・・・と言う思いが無くも無いが、実際に古龍と対峙した経験が誰にもないので強い事だけは理解できるのだが、確実な勝利が得られるとはわからずに無駄に苦悩している。


「へ、陛下。それで、ハイス子爵の様子はどうだったのでしょうか?」


「む?それは・・・普段通り淡々としておったな」


「であれば、反旗を翻すような事は無いのではないでしょうか?あの家族の結束とでも言うのでしょうか、仲の良さは有名ですから。ロイと言う無能な異物を助けるために一家最強のリーンが探しに行ったと考えるのが普通ではないでしょうか?私が得ている情報でもそのような話しを聞いておりますし」


「確かにそうかもしれんが、最悪は我が最強戦力を出すしかあるまいな」


 相変わらず結論の出ない煮え切らない話しに終始している一方で、その騒動の原因となっているハイス子爵家では・・・


「リーンは、もうロイを見つけただろうか?」


「ヴァイスさん?いくらリーンちゃんでも出かけたばかりですから、それは無理じゃないかしら?でも早く見つけてほしいわね。ロイ君には家族の愛情をもっともっと感じてほしいですから」


「大丈夫だよ、父さん、母さん。リーンが向かったのだから絶対に大丈夫!それにあのロイだっていつの間にか立派になっていたのだから、こっちも絶対に大丈夫。家族が信用してあげないと可哀そうだし、今だって楽しく生活しているよ!」


 ハイス子爵の家族の性格か雰囲気の影響か使用人達も突然現れて家族と宣言したロイに対して訝しむ事は一切なく寧ろ過剰な愛情をもって接し続けていたのだが、誰も元王族として過剰に遜る事は無く真の家族として迎え入れていた。


 過去の王城の出来事は結構話題になっていたのだが当事者であるロイの耳に入って嫌な記憶を呼び覚ませない様に子爵家では話題になっておらず、一方で他の王侯貴族はロイが国家の管理下に置かれている状態で子爵家に引き取られた事は広く知られている。


 ロイは元ではあるが王族の為に、あり得ない程の能力を持っていると知られれば過去には名ばかりの収納能力者との認識であったが、自らの懐を潤したい国王含め他の王族によって王城に呼び戻される可能性があるだろう。


 事情を知らない人物は何時の間に子爵家にロイが産まれたのかと思う者がいたのは事実だが、特にテレシアを監視している様な事があったわけではないので自分達がわからない状態で体内にしっかりと新たな命を宿していたのだろうと納得していた。


 正直他人の、それも下級貴族の家族が一人増えようがどうでも良かったのでこの程度で済んでいた。


「でもヴァイスさん?改めて思い出しましたけれど、あの子との出会いは必然でしたね?」


「確かにな。二人揃って同じ感情になるとは中々ない事だし、実際にロイと共に生活をしてハイス子爵家は幸せな気持ちに溢れている」


 二人がロイとの正直何とも言えない出会いについて思い出しているのだが両者共に全く同じ感想であり、今に至るまで実の息子や娘と共に大切に育てている。


「まさかこれほど領地が上向きになるとは思わなかったが、ひょっとしたらリーンやルホークの能力もロイの影響を大きく受けてあそこまで立派になれたのかもしれないぞ?」


「収納魔法を持ち、他の能力もあるとなれば・・・間違いないと思います。それに、ルホーク君も相当優秀ですよね?」


 収納魔法持ちは非常に稀有な能力であり他の能力者同様国家の管理下になる中でも重要人物と認識されるが、その能力の行使に全ての力を必要とするのが一般的で他の能力は一切持てない所、リーンはその他に光魔法、鑑定魔法、身体強化まで持っている。


 兄であるルホークも鑑定魔法、水魔法、身体強化、高速思考と言う能力を持ちその全ての練度が非常に高いのだが、領地経営に従事しているので使っているのは鑑定魔法と高速思考、疲れた時に身体強化と言った具合であるので第三者にその能力がずば抜けていると認識される事は無く、能力者と認識されているが真の力は明らかになっていない。


 正式な鑑定後に芽生えた能力ばかりなので、家族であるリーンが目立ちすぎているおかげか注目される事無く見逃されている節がある。


「何れにしても、リーンが一刻も早くロイの無事を確認してくれるのを祈るばかりだ」


「そうですね。でも、絶対に大丈夫ですよ?ヴァイスさん。私達の子供ですから!」


 ここで二人の話しは終わるのだが話題の中に出ていたリーンやルホークのあり得ない能力がロイの影響だと言う部分は真実に辿り着いており、通常では10歳を超えた段階で新たな能力は発現しないのだがロイの持つカードの力で通常では始末できない獣やら魔獣やらを始末する環境等を作り出し、恩返しとばかりに能力を与えていた。


本年もよろしくお願いします!


評価、お待ちしています!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ