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暴走能力を持つ主の苦悩  作者: 焼納豆
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(217)魔剣と魔槍

 かなり強固に地面に埋まっている魔剣と魔槍だが、コレは得体のしれない気配を感じて全力で攻撃したからだ。


 ここまで強固に埋まってしまえば一般人では取り出すのに相当な力が無ければ不可能だが、作戦が突然瓦解した事で気分を害したダイヤキングは二つの武器を無造作に引き抜く。


 魔剣と魔槍としては今まで乗っ取った人物や拉致してきた人物達とは別格の強さを持つ存在が触れている事になるので、より強い力を手中に収める事が出来たと喜びつつも互いをけん制している。


 一つの武器が乗っ取れるのは一体であり、同時に両者がダイヤキングを乗っ取る事は出来ない。


 この状況が魔剣と魔槍の自我が違和感を覚える時間を奪っており、生命力を敢えて吸い取らないと意識しない限りは無条件で触れている人物の生命力を吸い取るはずなのだがダイヤキングに一切の変化が無い異常に気が付かない。


 相当長期間封印されてはいたが過去に地上で行動していた時には無敵の状態を誇っており、封印される直前まで対処に当たった騎士達の生命力すら容赦なく吸い取って見せた二つの武器。


 絶対的な強者と言う自負から他者を警戒する経験がなかった為だろうか自我元来の性格かは不明だが、見かけ上の変化はないが念話とでも言うべき力を使ってどちらがダイヤキングを乗っ取るかで揉めている。


「こうして間近で見るとたいして力のある武器には見えませんね。噂に尾ひれがついていたのでしょうか?」


 そこにジョーカーが本心からこう告げる。


「ジョーカー殿の言う通りだが、こ奴らが我が主に対して多大な心労を与えた事は覆しようのない事実!どうやって罰を与えるべきか、じっくりと検討する必要があるのだが・・・っと、他の面々(ハート部隊)は?」


「あのお三方には作戦通りに聖魔法を使って頂くために移動して頂きましたよ、ダイヤキング殿」


 ここに来て初めて、経験した事のない事態が起こっていると理解した二つの武器。


「む?何やら暴れているようだが無駄な事。我が主から頂いたこの体、その程度で傷をつけられると思ったか?バカにするな!!」


 魔剣と魔槍は生命力を全開で吸収するべく動くのだが、普通の人であれば一瞬で死亡する様な術もダイヤキングには一切効果が無いばかりか理解できない言葉と共に地面に叩きつけられる。


 流石に強固な武器なので地面の方が痛むだけで刃こぼれすらないのだが、その現実もダイヤキングには気に入らなかったようで魔剣を地面に放り投げて足で踏みつけると、魔槍を魔剣に向かって突き立てる。


 互いが同じような存在であり外観が剣か槍かの違いしかないので強度も同じ為、本来第三者が同じような事をしても損傷はないのだが、ここは別格の存在が力を込めて互いをぶつけているので一撃で互いに大きなひびが入る。


 焦った二つの武器は、生命力吸収の力を全て自己修復と防御に振り分ける。


「はぁ。この程度でボロが出るような武器であれば保存する価値等一切ない。跡形も無く処分した方が良いのではなかろうか?」


 二つの武器にしてみれば不穏な言葉が聞こえてくるのだが、今は修復に手いっぱいの為に何かが出来る訳も無いままダイヤキングとジョーカーの話しだけが耳に入る。


「ダイヤキング殿。我が思うに今後同様の事象が起きないとも言いきれない為、ある程度事情聴取をした方が良いかと思いますが?その後に煮ようが焼こうがすり潰そうが、お好きにすれば良いのでは?」


「「ま、待て!」」


 何故か生命力吸収は効かず、更には破壊・・・つまり武器の自我が完全に消される等考えた事も無かったのだが、これまでの短い時間の現象で起こり得る未来だと分かってしまい慌てる二つの武器。


 ジョーカーと呼ばれている男の言う通りに行動できる実力がダイヤキングと呼ばれている男にある事は理解してしまったので、一先ず時間を稼ぐために声を出した。


「面妖な・・・このような不気味な武器、やはり我が主の視界に入れてはならない品だと判断できる。だがジョーカー殿の言も至極当然。なればダイヤ部隊の技術を駆使して情報を抜き出すのが良かろう!」


「「待て!待ってくれ!」


 何もしなければ破壊と消滅が待っているので、何処から出ているのかは不明だが徐々に声が震えている二つの武器。


「・・・喧しい。お前達が好き勝手に話すのは許可しない。お前達が何者なのか、何故封印が解けているのか、これから何をしようとしていたのか、これだけを明確に答えろ」


 戦闘能力としては他の部隊よりも弱いダイヤ部隊のトップなのだが、それでも二つの武器は言われたままに全てを曝け出さざるを得ない圧を感じている。


「お、俺から・・・俺達が何者なのかは分からない。気が付けば互いに武器として自我が芽生えていた。封印は、原因は分からないが淀んだ魔力が王城内の封印されていた場所にまで届き、そこから力を得て解除する事が出来た」


 ここまでを必死に話して力尽きたのか、魔槍に続いて魔剣が引き継ぐ。


「その魔力を辿るとどうやらこの先に大きな塊があるようだったので確実に力を得られるように、この周辺に関する知識がありそうな人達を拉致していたの」


 例の無駄な勝負によって鉱石⇒魔石⇒破壊の現象が起きて淀んだ魔力が一気に放出されており、ついでに本来あるべき場所とは少々異なる場所に魔核が設置されているのでその辺りも影響したのかもしれない。


 何れにしても自分達の行動によって引き起こされた事だと頭脳集団トップのダイヤキング、そして別格の存在のジョーカーであれば即座に理解する事が出来る。


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