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暴走能力を持つ主の苦悩  作者: 焼納豆
211/234

(210)恋愛事情が分からない(1)

 カードの者達によるロイを無駄に称え続けている定例会議だが、今日は新たな議題が立ち上がっている。


「皆!既にスペードテンから聞いていると思うが、シルハ殿が我ら至高の主であるロイ様と仲良くしたいと仰せだ。我が主の素晴らしさをしっかりと認識できる人材であれば仲を深めたいと思うのは必然なのだが、最近の連中は目が曇っている人物が多すぎる!」


「全くもってダイヤキング殿の言う通り!して、久しぶりに人を見る目がある存在であるシルハ殿の願い、どう叶えるのか秘策がおありか?」


「ふ、ふははははは!よくぞ聞いてくれた、ハートキング殿。当然考えがある。今、我が主は勝負にならない勝負を寛大なお心で実行されている。そこと絡めれば効率的に事が進むと考えた次第」


「詳しく教えてもらいたい!」


 ロイはダイヤキングが言っている通りにミラーラ王女から吹っ掛けられた勝負、恐怖の森にあると言われている魔核の入手、魔核が存在しない場合は指定時間の滞在によって勝敗が決まる勝負を実行中だ。


 とっくに魔核を入手しているので勝敗は決しているのだが、その勝負と絡める事でシルハとロイの仲が深まると考えている。


 魔核の代わりに設置した魔石は既に破損したので魔力が滞留し、その影響を大きく受けた魔獣の変異種が大量発生した挙句に冒険者に被害が出ているのだが・・・


 因みにここで言う“仲”についてはシルハと万屋として大きな認識の齟齬があるのだが、シルハは恋仲にまで進みたいと思っていつつも恥ずかしさから明言できずにおり、言葉を額面通りに受け取ったカードの者達からすればより友人(・・)として仲良くなれれば良いと考えている。


 仮にシルハの望みが恋仲だと理解できていれば、カードの者達はロイの姉である核弾頭リーンから発せられる得体のしれない恐怖が刻み込まれているので残念ながらその願いは叶えられないと即断即決出来ていたが、正直色恋沙汰の知識がないので誤解があるまま話しが進んでいる。


 会議の中で方針が決まった直後にシルハの足元にいるスペードテンが万屋としてシルハに指示を出し、同時にスペードキングを通してロイにも連絡が行く。


 順番としてはロイからダメ出しが出る可能性を考慮して先にロイに連絡し、その後シルハに連絡する。


「我が主。実はシルハ殿からの望みの関係で、少々お願いがございます」


 勝負が始まって森の中にいるロイに対し一応陰に潜ったままロイにだけ聞こえるように状況を説明しているスペードキングなのだが、重ねてになるがシルハの要望は友人として仲を深めたいと自動変換されている。


「そっか。俺は仲良くしていたつもりだったけど、色々あって不安だったのかな?もう少し配慮してあげた方が良かったか」


 反省の弁が出つつ、そう言う事ならば・・・と、ダイヤキング発案の提言を碌に検討せずに了承する。


「じゃあ、その通りに動いて。頼んだよ」


「承知しました」


 恐怖の森に侵入しているとは思えない程にゆったりと過ごしているロイなのでこの短い間しか共に活動していないながらもシルハの行動を思い出していたのだが、特段不満に感じている態度があったとは思えなかった。


 しかし王族時代とは異なって家族が甘々な上にあり得ない力も持っている為に普通(・・)の苦労を味わう経験が極めて少ない自分では、過酷な状況にいたと想像できるシルハの気持ちを正確に理解できていなかった可能性が高いと割り切る。


 第三者から見ればロイも尋常ではない程にカードの者達、更には家族の過保護とも言える対応によって訳の分からない苦労を感じてはいる。


 何故か恐怖の森の中でしっかりとした椅子と机が準備され、優雅にお茶を楽しんでいるロイに対して新たに状況が説明される。


「我が主。万屋としてスペードテンがシルハ殿に接触し、了解を得て行動を開始しております。作戦の関係上この森に到着するのは凡そ三時間後です!」


「そっか、結構かかるね。その間向こう(眼鏡の護衛)やミラーラ王女、ギルドマスター達の安全は大丈夫だよね?」


「そこは十全に対応しておりますので、ご安心ください」


「えっと、今更だけど過剰な事はしていないよね?大丈夫だよね?」


「・・・もちろんです、我が主」


 返事に至る間が不安を掻き立てているが、スペードキングが即答できなかったのは過去カードの者達と考えに考え抜いた行動に対してロイから賞賛されないケースが多々あったので、改めて問いかけられると少々自信が無くなっていたからだ。


「そっか。じゃあ周囲に人や魔獣がいないのであれば、誰かを顕現して一緒にお茶を飲みながら話し相手になってもらおうかな。姿が見える状態で話した方が楽しいしね」


 思わぬ時間が必要になったので安全が確保できている以上はこの場でゆっくりと過ごせば良いかと考えたロイは、対面に座って楽しく話しながらゆったりとした時間を過ごす為にカードの誰かを顕現すると発言する。


 するとどうなるのかと言うと、当然カードの者達の激しい対立が勃発する。


 少々時間が経過してもロイが自ら顕現する個体を指定する素振りが見られなかった事から、全員が納得しているわけではないながらも余り待たせては不敬だと顕現される個体が決定し、スペードキングを通してロイに伝わるので即召喚するロイ。


「我が主。では、各部隊のクィーンを顕現してくだされば宜しいかと思います」


「四人も?まぁ、大勢いた方が楽しいから良いよね。わかった。ダイヤクィーン、ハートクィーン、スペードクィーン、クラブクィーン」


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