表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
暴走能力を持つ主の苦悩  作者: 焼納豆
110/121

(109)聖国ロナへ

「ねぇ、ロイ君。あれってソシケ王国じゃないと思うんだよね。どう思う?」


「ごめん、姉ちゃん。俺に聞かれても分からないって。とりあえず門番の人に聞いてみれば良いんじゃないかな?」


 リーンを信頼してテクテク旅を続けているロイは、見た事も無い様な町が見えてきた時にリーンから発されたこの言葉に苦笑いをしつつも当たり前の事を返す。


「そうだよね。じゃ、行こっ!」


 リーンは目的地が分かっておらずに適当に街道を移動していたとこの時に知ったのだが、道中自分も特に行先について問いかける事がなかったし目的地を定めていたわけではないから問題ないだろうとリーンに言われるままについて行くロイ。


 明確な目的地があって移動していたわけではないと今更ながら理解した苦笑いだが、リーンの本当に楽しそうな笑顔を見て引きずられるように笑顔に変わっているロイ。


 そして・・・カードの者達もスペードキングからの情報を得て異国の地にもシン()ロイ商会、そして万屋の名を広げる事が出来ると沸き立っている。


「あの、ここは何と言う国なのでしょうか?」


 突然このような事を問いかけられた門番は、少々眉を顰める。


 服装はしっかりとしており迷ってここに到着したようには見えず、逆に結構な値がする様に見える服、そしてリーンに至っては帯剣していたからだ。


「その前に少し教えてもらいたい。君達は二人で旅をしているのか?そしてその目的は?」


 多少疑われていると分かったリーンの機嫌は少々悪くなるが、ロイとしてはしっかりと門番の仕事をしていると感心しつつ自らの冒険者ギルド職員のカードを提出する。


「実は色々な国や場所を見て、知らなかった事を勉強しようと二人であても無い旅をしています!」


 流石に職員のカードは効果てきめんだったらしく、疑いの眼差しは感心の眼差しに変化している。


「そうか。それは大したものだ。随分と一生懸命路銀も貯めたのだろう?あ、悪いが少しだけ待っていてくれるか?一応念の為に、ソシケ王国の王都のギルドに確認させてもらおうかと思う。大丈夫か?」


「はい。宜しくお願いします」


 リーンとロイを担当してくれた門番は詰所のような所に入って行き、二人は門の外側で彼が帰ってくるのを待ちつつも同じように入国しようとしている人々を眺めていた。


「姉ちゃん。ここって聖国ロナじゃないかな?」


「うん!そうみたいだね、ロイ君。書いてあったしね」


 あっさりと肯定したリーンだが、ロイは並んでいる人々の中に相当数の癒しを求めている様に見える人がいる事から判断し、リーンは門の上の方に聖国ロナと書かれていた事に気が付いていた。


「え?どこに??」


「ホラホラ、あそこ!」


 門から少々離れなければ見えない位置になるので、何も力のないロイであれば普通に肉眼で把握できる位置まで移動しなくてはならずにリーンに連れられるまま移動して門を見上げると、無駄にデカデカと聖国ロナと書いてある事に気が付いた。


「これなら変に門番の人に聞かず共良かったよね。ちょっと無駄な時間を使っちゃったかな?」


「ふふ。良いじゃない、ロイ君。これもロイ君の言う経験だよ?」


 こんな話しをしている最中に担当していた門番が詰所から出てきてリーンとロイを探しているのが見えたので、慌てて走って行く。


「お、どうした?落とし物でもしたのか?」


 ロイから預かっている職員の身分証を渡しながら問いかける門番。


 因みに門番の男性はリーンの冒険者の身分証はチラッと見るだけで借りる事はしておらず、ロイが元職員であると把握できれば同行者も全く問題ない人物なのだろうと判断している。


 一部、本当に一部クノデラの様な例外はいるものの、実はそれほどギルド職員と言う立場の者は信頼されている人物だと言う事の証明になっている。


「えっと、お恥ずかしながら門の上に大きく聖国ロナと書いてあったのを見つけまして・・・」


「あはははは、そうだよな?あれほど目立つように書いてあるから、なんで態々ここがどこなのか聞いて来るのか不思議だったんだよ。ま、一応王都の方には確認が取れたから聖国ロナの聖都、楽しんでくれ!」


 少しだけ入国に時間はかかったものの難なく入国できて大通りを歩いているリーンとロイなのだが、やはり少々小柄で金目金髪、相当見た目も綺麗・・・と言うよりも相当可愛く見えるリーンは圧倒的な量の視線を集めている。


 当然そんな視線を受けてもリーンは全く意に介さず、ロイとの旅を満喫している。


「ロイ君。宿は行くとして、どうしよっか?どこかで食事をする?」


「そうだね。俺としてはここのギルドがどうなっているのかちょっと見てみたい気がするけど、どうかな?」


「さっすが元職員!そうだよね。他の国のギルドがどうなっているのか見るのも勉強だよね?凄いなぁロイ君。うん!早速行こうか?」


 ギルドに向かっている二人なのだが色々な視線にさらされているのに気が付いているのはリーンだけであり、ロイはその中に悪意のある視線がある事も気が付いていない。


 スペードキングはしっかりと把握しているが、今のところ害がないので放置している。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ