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風物詩

作者: 翠泉


 陰に身を寄せて休んでいても

 打ち寄せる波の音に誘われてしまう

 躊躇わないでと聞こえた気がしたから

 誰か私の手を取ってくれませんか


 この夏誰かとキスをしても

 この夏誰かと夢を見ることになっても

 一回きりの思い出にして

 好きなように過ごしてしまおう


 照りつける日差しから守ってくれるパラソル

 幽玄なんて言葉を後ろ盾にして

 目一杯に楽しんでしまおう

 この恋を一つ、二つと増やせればいいね


 塩辛い風に

 身を委ねてみよう

 照りつける日差しに

 支配された頭の中


 甘いブルーハワイ味のかき氷のように

 溶けていってしまう

 それだけ夢中になっているんだよ

 明日はどうなるんだろうね


 懐かしい匂いのする駄菓子屋

 気の抜けたサイダー

 新しく変わってしまっても

 変わらずに愛しているから


 砂泥に塗れたクロックス

 繰り返し洗ってもどうせ汚れてしまう

 心の汚れも落ちないからタオルに包んでしまおう

 そのまま明日に持っていければいいのに


 砂浜に落ちている貝殻たち

 拾われても飽きられてすぐに捨てられる

 それでも変わらずに潮騒を鳴らし続ける

 この夏を音として記憶を蘇らせる


 塩辛い風に

 身を委ねてみよう

 照りつける日差しに

 支配された頭の中


 黄金色に輝いている

 造物主に見惚れ始めている

 それだけ夢中になっているんだよ

 今年はどうなるんだろうね


 きっと不変の恋が

 愛に変わっていくのだろう

 きっと今年の夏で

 今までの夏を取り戻してみせるから


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― 新着の感想 ―
[良い点] 打ち寄せる波の音に誘われて、照りつける日差しの中、パラソルを広げて、潮風を感じて。 夢は、青く溶けるように煌めく、甘いブルーハワイのかき氷のように。 愛は、ぬるくなっても気泡を発し続ける…
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