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夏葉
錆色が滲むほど古びた路地裏を一人の女性が歩いていた。
時間は夜中の二時である、あまりにも無防備。
そしてあまりにも怪しい。
女性は腰に日本刀を備え、ミニスカートで太ももが露わになっている。
歳はまだまだ幼く、下手したら高校生くらいに見えなくもない。
警察がいたら取り締まりを受けるレベルだ。
何故日本刀を持ち歩くのか?それはこの世界には魔物が蔓延るからである。
世界に突然現れた魔物は大小様々な形をしており主に人を食べる。
だからこの少女が刀を持つ理由は当たり前といえば当たり前なのである。
浮浪者が少女に近づく。
フラフラとした足取りで。
「お嬢ちゃん、いい服着てるなあ。名前なんて言うんだ??」
浮浪者は髭は伸び、涎を垂らしていた。
「私は神崎夏葉、神様の神に城ヶ崎の崎に夏休みの夏に葉っぱの葉だ」