この世界って何?
やたのかがみさんの小説、「不思議RPGは異世界への入り口でした」とのコラボです。「平行世界の三重奏」というタイトルで投稿していただいています。
歩いていると、光に包まれた。
そして、気付いたら今までの世界とは違う森にいた。
あれ、なんで私はここにいるんだろう…?
困惑していると、女の子が話しかけてきた。
「すいませーん!ここってどこですか?」
いやいや、こっちのセリフだよ…
「知りません…私こそ聞きたいです。気付いたらここに着いていました」
女の子は驚いた顔をして言った。
「私もなんだよね。ここ、どこなんだろ。あなたはどこから来たの?名前は?」
まじか…この人もか…
「私は…異世界から来ました。元々は異世界に行く方法を試してみて、その異世界で森を歩いて、そしてここに着いたんです。巫祈里、小学5年生…あなたは?」
我ながら、異世界から来ましたっておかしいな…
「私、RPGゲームの世界から来ました。宇都宮天音、中学2年生だよ」
RPGゲーム…周りを見渡す。
「ここも、RPGゲームみたいですよね」
天音さんは答える。
「私のいた世界みたいな町だけど、本当にRPGゲームの世界なのかな…だとしたら、何のゲーム!?」
私は、そう言って目を輝かせた天音さんの背後に男の子が近づいてくるのに気が付いた。
「天音さん、後ろの男の子、知り合いですか?」
男の子、と聞いて、おそるおそる後ろを振り向いた天音さんは、その子をみて「やっぱり…」とつぶやく。
知り合いかな?
男の子は、気付かれたことに嫌そうな顔をして言う。
「もうちょっとだったのにな…」
もうちょっと…?何がしたかったのかは分からないけど、きっとこの人もRPGゲームの世界の人だ。
「えっと…よろしくお願いします」
私が言うと、男の子は突然笑顔になった。
でもなんか…目が笑ってない…?
天音さんとどんな関係なのかは分からないけど、刺激しない方がいいかも…
なんか、触れてはいけない気がする。
そう考えて、私はこれからどうするか悩み始めた。