チカラ、解放しちゃいます⭐️
反転世界に飛ばされてしまったリクト。
その事実を受け止めることは簡単にできるはずもなく、渦巻く疑問に彼は納得するしかないのだろうかーーーー
此処は…どこ…だ…?
彼が飛び出した玄関はいつもの家だ。
目の前の家も。
どこを見ても知っている。
ただわからないのは、この不気味な空。
そして、人がいないということ。
人というのは間違いかもしれない。
犬や猫を含む動物が自分以外見当たらない。
この状況に寒気を感じ、とりあえず大通りまで走り出す。
やはり人はおろか、車すら走っていない。
道端に止まっている車は存在した。
だがやはり生き物が見当たらないのだ。
リクト「どこだよここ、、そうだ…!スマホ!ラインから通話すればさすがに!!」
驚きのあまり回っていなかった頭がハッとスマホの存在を思い出す。
リクト「う…嘘だろ…誰も電話にでない…」
心臓だけがバクバクと焦りを引き立たせてくる。
このパニック状態にさすがの俺も気が参ってしまい、近くのコンビニに寄った。
コンビニは電気こそついているが、店員は誰もいない。
そんなとき、スタッフ室の方でゴソゴソと音がした。
リクト「⁈」
驚きのあまり背筋が凍りかけたが、もし人がいるなら少しでも情報がほしいのは当たり前。
そう思い、物音のしたスタッフ室の扉を開けた瞬間、そこにいた人らしき存在はコンビニ弁当を漁るのを辞めてこちらを睨みつけた。
リクト「ひ、ひ、人じゃ、、な、ない⁈⁈」
目の前の異形の生き物に俺は思考が停止しかけた。
ゆっくりとその生き物は俺の方に近づいてきた。
向こうもおそらくこっちのことを警戒している。
その生き物、いや怪物はアニメで例えれば鬼とゴブリンが混ざったような、そんな気色の悪い生き物であった。
その長い狂気のような爪を立ててこちらにノソノソ寄ってくる。
そしてその怪物は奇声をあげた
怪物「キシャァァアッッ!!」
このままではおれもコンビニ弁当にされてしまうと焦ったおれは今できる精一杯の思考回路を回した。
そして、おれはこの反転世界とかいう世界にほんとうに今いるのであれば、貰ったはずだ。
リクト「魔王のチカラとやらを…!」
それは、当然一か八かの駆けだった。
魔王とか反転世界とかそんなこと信じれるようなお歳しはとうに過ぎてる。
おれはもう19歳だぞ。夢ばっか見てられるような歳じゃない。むしろ現実に抗っていかなければならない性分なんだ。
リクト「でも、、今はアイツの言葉を信じるしかない…!」
そう。魔王のチカラを信じた。その瞬間、おれの体を黒紫のモヤが覆った。
熱いとか寒いとかそんな感じはなく、ただ力が漲るような、、そんな気がしていた。
たしか、術式とかなんとかを発動させるには、、とっさにあいつの言葉を思い出す。
モヤ「術式は、アクティブ・アペルだ。」
そしてそれと共にオーラを見とったのか怪物も攻めに出た。
リクト「こんなとこで化け物に殺されるのはゴメンだなぁ!」
リクト「アクティブ…アペル!!」
おれはそう術式を強く言い放った…。
この言葉を発した途端、使える技のコード名が頭に咄嗟に入ってきた。
まるで最初のあのモヤとの契約のときのような真っ暗な異能空間。
このたった数秒で魔王の全てを頭に叩き込まれるようなこの頭痛。
その瞬間、視界が止まるのが見えた。
まるで目の前の怪物の機動が止まり、殺してくださいと言わんばかりの。
おれは自然と手を前に伸ばし、自然と冷たくこう言い放っていた。
「ダークマター」
1秒あっただろうか。
瞬きした次の瞬間には怪物は消えていた。
自分ですら何が起こったのか確認する暇もなく、意識が遠のきつつ、頑張って前を向いていた。
コンビニ、いや、目の前の遥か遠くまで更地になっていたのを確認し…
「はははっ、面白い夢だよ。。」
おれは、意識を失った。
ついに少しずつ内容も動いてはきましたが、まだまだ謎だらけって感じですね〜
人がいなくて、化け物がいるって、なんかあるある?ないのか?よくわかりませんが異世界にしてはだいぶ不気味なスタートを切っている気も(=´∀`)
あ、ちなみに、術式コードの「アクティブ・アペル」って言うのは、「発動解除」という意味をかけております笑
アクティブは日本語では「発動」って意味です。
アペルはギリシャ語でApeleftherósteの上文だけつかっており、意味としては、「解除」となります。
(ちょっとした豆知識)