反転世界へようこそ。
何もない一人の19歳の男、リクト。
彼は何か人より長けたものが欲しかった。、
人より上に、人より上手くできる何かが。
醜い…
何もない自分が醜い…
なんの取り柄もなければ、何をしても人以下。
だいぶやっても平均には届くか届かないか。
リアルは愚か、ネットの世界でも俺は人望はほぼない
誰が俺を認めてくれて、誰が俺を凄いと褒めてくれる。。 いつしか何もない自分を卑下することしかしなくなっていた。ーーー
目を覚ますといつもと同じ景色が広がっていた。
自分の部屋のベッドの上。
見えて当たり前の景色が広がっている。
でも何か違和感を感じていた。
それは、空が紫染みていたのだ。
夜なんだと理解するには難しいその色は不気味であった。
「家には誰もいない…のか?」
家にいつもなら響き渡る愛犬の声も、家族の話し声も聞こえない。
そう思ったのは、スマホを見た時の時間がまだ夕方の6時半だったからだ。
ベッドから飛び起き部屋を慌てて出ると目眩がした。
「なんだ…これ…フラフラ…し…て…」
ドサッ…
ふと目を開けると自分の前には謎の黒いモヤの塊があった。
「なんだこれ、、黒い。。何もかもが黒い。。背景も見えているものも真っ黒だ、、」
黒など目には見えない色のはずなのにはっきりとその真っ黒の空間を色として認識し、目の前にある黒いモヤの塊すらはっきりと空間と差別化されて見えていた。
突如、そのモヤから声がした。
「お前の不幸は(つの)遣った....」
「これ以上にないほど見ていて哀れだ。お前は欲しいのだろ。他の誰にもないモノが。」
そう続けて黒いモヤの塊は俺に問いかけてきた。
「そうだ。おれは他の誰にもないようなモノが欲しい…!でもおれは不幸じゃない。」
「努力もせずに他にないモノを手に入れたいというのか若蔵」
「フッフッフ…いいだろう…お前にこの力が受け止めきれるかは知らんが…くれてやろう。絶対無二のチカラとやらをなっ!」
「お前は、魔王だ。基本術式コードは「アクティブ・アペル」あとはこの"世界"で好きに生きろ」
「この世界とは、、一体なんのこと…だ…ろ…う….」
おれは夢を見ていたらしい。まるで悪魔との取引きのような、、悍ましく、醜い。。やり取りだった。
「魔王…か…」
ふと夢と今の状況を照らし合わせると自然と夢のようには思えなかった。
しかし、リアリティーがなさすぎる。
「アニメの世界でもないのに、魔王のチカラ?この世界?わけわからん夢…だったよな。」
だが、やはり空が紫染みているのに変わりはなかった。
そこでおれは外に出ることにした。もし、あの夢が夢じゃないなら、おれは魔王の力とやらをもっていることになる。それがどんなモノかは知らんが悪霊か何かが出てきてもおかしくない様子を外は醸し出していた。
人がいない。。みんな寝ているとかそんな次元の話ではない。もはやゴーストタウンの域だぞこれは。
車が走る様子、人が歩く姿、当たり前の光景がないのだ。ただ不気味に動く信号と街に響き渡る電光掲示板のCM。
この街は、、この世界は、、何処だ…?
こちら、夜中にふと色々なことを考えてしまう。そんなことありませんか??
ぼくは夜中の静寂に布団の中であれやこれやと妄想を膨らませていたら、こんな面白い作品を作れるきっかけになったことに感謝しております。
終わりは見えませんが、リクトの生きるを見てやってください!