初めまして、急展開です
昨日は散々だった。
あれから俺の行くところについてきて「ほんとに俺の事わかんないの?」とか「俺の事が分からないなら切腹しろ」とかさらには「弘樹の家にいっていい?」とか言いやがるからどうかしてる。
今日もあいつが俺の元に来るのだろうか。
だが、二つだけ気がかりなことがある。
一つはあいつは俺の事を沢山知っているのに、俺は何も知らないこと。あいつの名前もまだ知らない。何故か名乗ろうとしない。どうにかして思い出させようとしてくる。
そしてもう一つはあいつから何か懐かしいオーラを感じることだ。
うーん…
「きゃっ!」
考えながら廊下を歩いていると女性とぶつかってしまった。しかも、よく見ると絶世の美女だ。
可愛い、美しい、綺麗だ、どの言葉すらもその美しい姿を表せるレベルのものではない。
「大丈夫ですか?」
俺は必死に声を出した。
「ええ、大丈夫です」
「初めまして、運命の人です」
???
へ?
「ですから!私はあなたの運命の人なんです!」
訳が分からない。
この子は何を言ってるんだ?
その後、彼女のアピールにより仕方なく、彼女と付き合い、5年の交際期間を経て、俺達は見事にゴールインした。
なんてことは一切なかった。
ぶつかった彼女は自力で立ち上がり、平然と歩いていった。
俺も立ち上がろうとしたけれど、その時腰に激痛が走った。ぎっくりになってしまった。こんなことになってしまうなんて、びっくり…