第52話 マレー作戦―8(シンガポール攻略作戦)
――5/19――5:30――
戦艦武蔵、金剛、比叡、榛名、霧島と、重巡餌食洋艦妙高、那智、足柄、羽黒と軽巡洋艦長良、五十鈴、名取、川内、神通と、その他駆逐艦による艦砲射撃が始まり、30分近くがたった。
――6:00――
そこに、上陸師団の艦艇が作戦を行うべく、ビーチというにはお粗末な海岸へ突撃を開始した。上陸師団の44隻の艦艇は、シンガポール南東から突入した。
それに合わせ、ジョホール・バルに待機していた陸軍3個師団と陸軍特殊第1旅団こと、
国防軍第18旅団は、橋を通過しようとした。
だか、コーズウェイは、一本の橋のためとても狙われやすかった。援護の駆逐艦5隻がいたが、それでも効果は薄かった。
その為、かなか渡ることは、出来なかった。
連合国軍にとって、島の南東からの上陸作戦は、まったく予想外だったのだ。
本当のシンガポール要塞の司令官であるアーサー・パーシバル中将ならば予想することが出来たかもしれないが、守備隊1個師団約17,000人を率いているのは、ステファン・ブロードベント少将だ。
ステファン・ブロードベント少将は、戦時特進で少将になったため、実践経験は少なかった。本来率いていたのは、パーシバル中将配下の一個大隊だったのが4倍になったのだ。いきなりは、辛いと言うものだ。
イギリス軍だけならまだしも、オーストラリア軍、英領インド軍までの指揮系統の違う部隊を束ねる力は無かったのだった。
(パーシバル中将率いる部隊が日本軍に敗北した為、急遽ジャワ島などの島の部隊も集められた為。)
――7:30――
ステファン・ブロードベント少将は、シンガポール要塞の北側に7割近い歩兵を配置していた。
(残りは、少将自身の配下に待機させてあった。)
その為、南側から上陸してきた日本軍に慌てて、配下に置いてあった一個歩兵連隊と一個戦車大隊と、北側の1/3の兵士を移動させて対応しようとした。
無闇に戦車を大群で動かしたら艦砲射撃の餌食になるとなど全く思っていなかったのだろう。
その結果は、虎の子だったマチルダⅡ戦車大隊のほとんどの戦車を艦砲射撃で失われてしまった。
――9:00――
ステファン・ブロードベント少将の配下歩兵一個連隊は、無事に南側に抜ける事が、出来た。しかし、南側には防御陣地は構築されておらず日本軍の戦車の前にひれ伏す事しかできなかった。
このころには、シンガポール要塞誇る5門の15インチ砲は破壊されていた。
強固な防御を持っていても動けない要塞砲は、圧倒的な砲門数の差にまけて、日本海軍の艦砲射撃にやられていった。
――9:00――
南側から進撃する日本軍上陸師団に対して、
ステファン・ブロードベント少将は、海岸線を捨てて、一段中に構築した陣地に籠る事を決めた。
日本陸軍の精鋭空挺兵である第一挺身団が空から舞い降りていった。第一挺身団は、『空の神兵』と呼ばれるほどの強い部隊なのだ。
第一挺身団の活躍になり、イギリス軍を含む連合国軍は、連絡が取れなくなり孤立する部隊も現れた。
――12:00――
陸軍特殊第1旅団こと、国防軍第18旅団は、陸軍の山下中将率いる三個師団と共に、シンガポール要塞に侵入していた。
連合国軍が海岸線沿いの防御陣地を捨てた為、少しの苦労で侵入することが出来たのだった。
いくつかの戦車は、地雷にやられてしまったのもあったが、それを除けば無傷だった。
――16:00――
要塞の北側に構築していた第2防衛陣地も既に危ない状況になっていた。
此処を落とされれば、最後の防衛ラインしか残っていないため、早々に棄てるわけにはいかなかったのだ。
最北端の防御陣地では、そこを守るオーストラリア軍二個中隊は、日本陸軍の新型戦車に段々、追い詰められてしまっていた。戦車の履帯を破壊しようと飛び出した兵士は、すぐにやられてしまっていた。
最終防衛ラインに撤退をしようとしようにも状況がそれを許さなかったのだ。激しい攻撃の前にオーストラリア軍は、撤退をする隙を作ることすらできなかったのだから。
またあるところでは、ジャワ島から配属になった英領インド軍の兵士たちは、国防軍第18旅団こと、陸軍特殊第1旅団の戦車に驚き、恐怖に陥っていしまった。まともな戦闘経験の無い兵士では、逃げることすら出来なかった。ここは、あっという間に占拠されてしまった防衛ラインであった。
ここを中心に左右の防御ラインが崩れていくことになる。
――20:00――
さまざまな所でこの時間になっても戦闘は繰り広げられていた。
ステファン・ブロードベント少将は、闇に紛れて撤退をさせようとした。
しかし、全軍に連絡が取れなく、どの部隊が残っているのかすら把握出来て居なかった。
ステファン・ブロードベント少将は、威力偵察によって敵と味方を把握しようとした。
だか、威力偵察をするような数を動かせば、どこを動いているかなんてばれてしまうのだった。
いくつか部隊には、きちんと連絡が伝わり無事に最終防衛ラインに撤退することが出来たが、半数以上の部隊は孤立したままやられていった。
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時間がおかしかったので、直しました。
オ式垂直上昇機は、やはり分かりにくいので、オ式回転翼機にかえました。




