第51話 マレー作戦―7(シンガポール攻略作戦)
――5月2日――
敵なきマレー半島の森林の間にある道を駆け抜けた。そして、遂に今日、英領マレーのクアラルンプールを落とした。
実際、クアラルンプールには、軍隊は居なかったのだ。
クアラルンプール守備隊は、日本軍が来る前にマレー半島最南端の都市ジョホール・バルに避難していたのだ。
そう、よく言えば避難していた。悪く言えば、日本軍から逃げ出したわけである。
日本軍は、クアラルンプール市民には危害を加えなかった。これは、天皇陛下の方針がかなり影響している。
天皇陛下が、1942年の中国での蒋介石との会談で話した言葉あった。その言葉と共に天皇陛下は、謝罪したのだった。
「我々日本人は、貴国に対して覇権を得るための踏み台としていました。
そもそも我々日本人は、日清戦争以後、中華民国の人々を人とは思わずに侵略してきました。
それは、我が国民の最も間違っている考え方です。我々日本人は、[ どのような人々も同じ人である ] ということをすっかり忘れてしまっていました。
今後は、一切そのような事が、無いようにすることを約束します。」
この天皇陛下の謝罪の演説は、戦争を仕掛けてノリノリになっていた国民に深く反省をさせるものだったのだ。
この演説は、別の問題を起こす事にもなるのだが。それは、また先の事である。
その事もあり、日本軍は虐殺などまったく今のところ行っていないのだ。もちろんこれからも行う予定などまったく無い。
イギリス軍に占領されていたクアラルンプールを解放した日本軍は、市民から歓迎されたのだった。
その間も日本軍は、民兵などから襲われ無いように市内の警戒をするのであった。
――5月8日――
クアラルンプールで部隊の建て直ししたのち、日本軍は、再び進軍を開始した。
クアラルンプールかジョホール・バルにかけての橋は、ほとんどがイギリス軍により破壊されていた。
日本軍の先頭自転車歩兵は、橋が渡れないと自分達の自転車を背負って川を渡った。なのであまり速度を落とさずに進軍を続けた。
この軍団の中央と後方にある戦車部隊とカノン砲部隊は、クアラルンプールで橋の復旧が終わるのを待っていた。
多少の川なら戦車でも渡航することが出来るが、深い川では、全体の半分の戦車しか出来ないのでは、戦力が半減してしまうため行われなかった。
工兵部隊は、徹夜で作業を行った。そして、後続の戦車やカノン砲が橋を渡ることができるようにした。
工兵部隊は、連日徹夜を繰り返しクアラルンプールからジョホール・バルにかけての100近い橋を直して進軍した。
――5月12日――
日本軍は、遂にマレー半島の最南端ジョホール・バルの占領をした。まったく抵抗なくである。
ジョホール・バルでは、激しい抵抗があるとふんでいた日本軍は、肩透かしをくらってしまったのだった。
イギリス軍は、ジョホール・シンガポール・コーズウェイを破壊し、既に撤退をしていたのだ。
――5月18日――
陸軍に遅れること7日、日本海軍もシンガポール沖に着いた。
日本海軍は、コボルト攻略作戦の後、一度サイゴンまで戻った為に時間がかかったのである。戻った理由は、上陸師団を連れて来るためである。
マレー作戦に投入された第1、6、7上陸師団に
、第4上陸師団が加わった計4個上陸師団シンガポール攻略戦に参加するためである。
現在、ハワイに残っていた第2、3、5上陸師団は、本土で整備中のため今回の作戦に参加することは、できなかった。
あらかじめイギリス軍がジョホール・バルとシンガポールを繋ぐコーズウェイを破壊する事は予測されていたかからである。
――5月19日――5:00――
日本軍は、作戦を開始した。
日本海軍は、正規空母翔鶴、瑞鶴の零式艦上戦闘機九九型と、彗星三型の爆撃隊により、先制攻撃を受けた。
96機の彗星三型爆撃隊のとある一機の放った爆弾は、停泊中の戦艦ロイヤル・オークの煙突に命中した。その爆弾は、煙突を突き破り艦内に侵入し内部で爆発を起こした。
その爆発により、戦艦ロイヤル・オークは、機関の一部をやれれ、動く事が出来なくなってしまった。
シンガポールにいたイギリス軍、オーストラリア軍のブルースター F2A バッファロー戦闘機隊は、爆撃機により、滑走路が破壊されていた為出撃することはかなわなかった。
爆撃隊、戦闘機隊が去ったシンガポールに水平線の向こうから日本海軍、南洋派遣艦隊が現れた。
旗艦を武蔵とし、金剛型戦艦の4隻、金剛、比叡、榛名、霧島を率いた高速戦艦部隊である。
水平線の向こうから現れた日本海軍は、既に砲撃を始めていた。
それに対抗して、連合国軍は5門ある15インチ砲を北から現れた日本海軍に向けて砲撃を開始した。
明け方の為、半分以上の兵士が寝ていたため反撃はさらに遅れるのだった。
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