第50話 マレー作戦―6(コボルト攻略作戦)
連合国軍の6個師団を降伏させた陸軍仏領インドシナ防衛部隊とその救援部隊は、タイ王国首都バンコクを解放し、クアラルンプールを目指して進軍を開始した。
4月10日
日本陸軍の司令官山下中将は、国防軍第18旅団こと、陸軍特殊第1旅団の一ノ瀬陸将補と再び会談をしていた。
一ノ瀬陸将補
「山下中将、ここからが本番ですね。」
山下中将
「ああ、問題はここからだな。
今は、先頭の自転車歩兵が日に約50km近くを進んでいるが、未だに敵兵との戦闘は、起こっていないからな。」
一ノ瀬陸将補
「今のところ、敵はコボルトに籠っているみたいですよ。コボルトには、一個師団が守備しているようです。」
山下中将
「コボルトか。たしか、英領マレーの東側の中で唯一上陸作戦が可能なところだったかな。
後、敵はある程度の要塞を気づいていたはずだ。」
一ノ瀬陸将補
「そうですね。
コボルトは、マレー半島の北東部にある唯一上陸作戦が可能なところです。
今回は、海軍にも協力してもらえるという事なので、コボルトは楽に落とせると思います。」
山下中将
「うん、コボルト規模の要塞ならばよいのだが。
シンガポール要塞ほどの規模となると、どうしようもなんのだな。」
一ノ瀬陸将補
「報告では、シンガポール要塞もコボルトと同様一個師団規模の部隊しか無いそうです。
ただ、コボルトと違いシンガポール要塞は、装備もきちんとしてますから大変でしょうね。」
山下中将
「海軍さんの方は、連合艦隊旗艦武蔵と金剛型戦艦4隻の派遣だそうだ。後の細かい艦隊の編制は私には、分からんがな。
海軍さんからは連合艦隊旗艦武蔵なんか出してくれるのだから、本部はよほどこの作戦を成功させたいらしいしな。
だから絶対に失敗は、できないな。」
一ノ瀬陸将補
「こっちは、何か無い限り控えめに攻撃しています。敵の退路は、私たちが押さえておくので安心して攻撃してくださいな。」
山下中将
「分かっています。
退路が、きちんと塞がっていたらこっちは、きちんと勝ちますよ。
では、明後日よろしくお願いします(^-^)/」
一ノ瀬陸将補
「山下中将、こちらもよろしくお願いします(^-^)/ 」
―― 4/12 ―― 6:00 ――
連合艦隊旗艦武蔵艦橋
小沢治三郎中将
「よし、定刻どうり作戦を開始する。
全艦共に砲撃を開始する。
本艦の後に続いて全艦砲撃を開始せよ。」
小沢治三郎中将は、自分で無線を使い全艦に連絡をした。
武蔵艦長古村
「よし、撃ちぃ方始めめぇぇぇー」
『バキューーーーーーーーーーーーーーーン』
『ズバーーーーーーーーーーーーーーーーン』
『ズドーーーーーーーーーーーーーーーーン』
『ズドーーーーーーーーーーーーーーーーン』
『ズバーーーーーーーーーーーーーーーーン』
『バキューーーーーーーーーーーーーーーン』
午前6時、遣南洋艦隊旗艦武蔵以下30隻の砲撃が始まった。戦艦、巡洋艦、駆逐艦どれも艦首を横に向けコボルト要塞に向けて斉射を開始した。
最初の内はコボルト要塞からの反撃の弾が飛んできたが、直ぐに砲台は潰され、要塞から反撃されることは無くなった。
遣南洋艦隊の全艦は、30分かけて計1000発近い砲弾をコボルト要塞に撃ち込んだ。
この1000発近い砲弾により、コボルト要塞は跡形も無くなった。。
コボルト要塞の対艦砲やトーチカや地雷原など、すべてが破壊されていた。
イギリス軍コボルト守備隊の宿舎などのほとんどの施設が砲弾によって破壊された。
イギリス軍コボルト守備隊は、午前6時には、全員が戦闘配置になると守備についていた。
日本海軍とのにらみ合いをしていたのだ。
日本海軍は、夜が明けると同時に海岸10km付近まで接近し、時間まで待っていたのである。
その間、何故かイギリス軍コボルト守備隊は、先に攻撃を仕掛けなかったのである。
あとかたも無くなったコボルト要塞に山下中将率いる3個師団は、なだれ込んだ。
その3個師団の強さは、もう関係無かった。
戦闘部隊というよりも、救助部隊になっていたから。
コボルト要塞には、戦闘の始まる前には、一個師団の約12,000人がいた。それが4000人にまで減っていたのである。バンカーにこもっていた兵士らは、戦艦級の大口径の砲弾に押し潰されていったのであった。
日本陸軍は、その兵士たちを助けたのである。まだ、イギリス軍コボルト守備隊は、降伏していないのにである。
そんな日本陸軍に対してイギリス軍コボルト守備隊の中で生きている将校の中で最も地位の高かったストラウド・グリー中佐は、日本軍に降伏する事を伝えた。
そして、生きている残りの兵士を助けてくれるよう頼むのであった。
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