第22話 第二次ハワイ攻撃は成功
5日ぶりになりました。
私の都合で忙しかったもので。
これからは、出来るだけ一週間に三話の目標どうりやっていきたいと思います。
第二次ハワイ攻撃隊の被害は、第一次ハワイ攻撃隊の被害と比べるとやはり多かった。
彗星三型艦上爆撃機の内何らかの被害を受けたのが246機中86機、その内修理不可能な機体が20機、水上着水し前衛艦隊の駆逐艦に救助された機体が3機。
零式艦上戦闘機九九型甲型、乙型会わせた236機中何らかの被害を受けたのが129機、その内修理不可能な機体が26機、水上着水し前衛艦隊の駆逐艦に救助された機体が1機。
この結果を見た山口中将は、戦死した部下がいなかった事にほっとしていた。
だか、これから第三次ハワイ攻撃隊を編成し、攻撃した場合の被害を考えると、どうにも攻撃したくないような思いにかかっていた。
そこで、山口中将は、ハワイ攻撃隊の総指揮官である淵田大佐を呼んだ。
「なぁ、淵田。この被害をどう思う。」
「自分は、一人もパイロットを失わなくて良かったと思っています。
ただ、機体の損害が多いと思います。」
そう真面目に答える淵田大佐をみて山口中将は、
「実際の所、この数で十分に戦えているのか。どうなんだ。」
と聞いた。
「今のところは、大丈夫です。
ただ、アメリカ軍は、最初は反応に遅れましたが、今回はすでにきちんと対策がとられていました。
もし、次に攻撃を行うならパイロットの被害は確実に出てくるでしょう。」
やはり、こう真面目に答える淵田大佐に山口中将は、
「なぁ、淵田空軍大佐。本音を言ってくれよ。そうしないとこっちも作戦がたてにくいんだよ。
海軍中将とか、空軍大佐とか、気にしないで言ってくれよ。」
そういいながら、ニヤリとする山口中将であった。
「では、ホンネを言わせてもらいます。
もし、次にハワイへ攻撃するならば、被害は多数と言ってよいでしょう。
次にハワイへつく頃には、多数の迎撃機が空に舞っていて、爆撃機は1/3が墜ちると思います。
更に、戦闘機隊も1/5は、撃墜されてしまうでしょう。
はっきりといえば、次は、攻撃を行うべきでないと思います。」
満面の笑みを浮かべて頷く山口中将は、後ろ振り返ると、
「そろそろ出てきてもいい頃じゃないですかね~山本長官。」
「もう少し話を聞いていても良かったんだがね。まぁ、呼ばれてしまったんだし出るとしようか。」
そう言って、艦長室の押し入れの中から出てきた。
「や、ゃ、ゃ、山本長官がなんでこんなところにおれらるんですか!」
慌てて噛んでしまう淵田空軍大佐。
それを見た山本長官は、
「まぁまぁ、落ち着きたまえ淵田大佐。」
「いや、落ち着いてられるはずがないでしょ。全軍の指揮を執っているはずのもが押し入れから降りてくるなんて。
どっかのアオダヌキじゃあるまいし。」
「淵田大佐。落ち着きなさい。なにげに君は山本長官に失礼な事を言っているよ。」
そういわれ、はっとする淵田大佐
「申し訳ありませんでした。たかが大佐の分際で大将にこのようなことをおっしゃってしまいますとは。」
慌てすぎて、敬語までおかしくなってしまう様子を見て、
山本長官は、笑い出してしまった。
そんなよ様子を見た山口中将は、
「山本長官も、そのぐらいにして上げてください。
淵田大佐もいい加減落ち着いて。」
普段は猛将であるはずの山口中将が、一番落ち着いているのは、実はとても珍しかったりする。
「山本長官も、そろそろ本題に入った方がいいんじゃないかな。」
「そうだった。はぁっはぁはぁ!
笑い過ぎてしまったな。
では、早速本題に入るとしよう。
予定では、航空機による第三次ハワイは我が戦艦大和率いる前衛艦隊が、ハワイ沖100kmを越えたと同時に開始するはずだった。
だが、君は、このまま第三次ハワイ攻撃を行えば、多くの被害をうけてしまい、この後の作戦に影響する可能性が有ると思っている。
という事でいいかな。」
「はい。」
「じゃあ、第一次ハワイ攻撃と同じように、アメリカは滑走路を使えない状態だったとしようか。それなら攻撃成功させ、尚且つパイロットを失わない見込みはあるかな。」
「そんな事が可能なんですか!!
もし、第一次ハワイ攻撃と同じように、スパイが爆発を仕掛ける事が出来るならやって貰いたいです。
ただ、そんな事が本当に可能なんでしょうか。」
「ん?スパイ?」
「山本長官、第一次ハワイ攻撃の直前にハワイの基地でスパイが、滑走路を爆弾で爆発させたんですよね~。まさか忘れて無いですよね。」
「オーそうだった。そうだった。ありがとう山口中将。最近は、寝不足でなぁ。」
「はい。そうなんですか。ところで本当にまたやってもらう事は出来るですね。それならば、多くの被害を出さずに攻撃を成功させてみましょう。」
「では、第三次攻撃をやってもらえるかね。
勿論、滑走路の破壊の事はきちんとこちらでやらせて貰うが。
他に何か要望があるかな。なんでもかまわないぞ。
もし、一人のパイロットの損失も無く成功させたら、大西に頼んで少将にしてやってもいいぞ。」
「山本長官。さすがに他の軍の事までできないですよ。」
「山口中将。人に出来ないことなんて無いんだよ。」
「無理はしない範囲でお願いしますね。」
「じゃあ、頑張ってくれよ淵田大佐。」
「絶対にハワイ攻撃を成功させます。
わざわざこの赤城までありがとうございました。」
「現場を見んでどうやって作戦を考えろと言うんだね。百聞は一見にしかずというじゃないか。
航空攻撃は、君達に頼んだよ。
その後は、私たちがきちんと引き継ぐから。」
そう言って部屋を出ていく山本長官に淵田大佐は、頭を下げるのであった。
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