新プロローグ1
2016年8月23.24日
この日、今年になってから一番大きい台風が朝鮮半島北部南東から北東に向けて通過した。
二日間続いた大型台風の影響で、禿げ山では土砂崩れを起こし、河川工事など行われていない川は決壊した。
その為、農作地帯は壊滅的な被害を受けてしまっていた。
土地の痩せた朝鮮半島の北側では、耕作はあまり向いていないのだ。
しかも土地のほとんどが山間部である。
その為、この台風の土砂崩れや川の氾濫による被害は、甚大だったのだ。
さらに北朝鮮では、近年軍事力に力を入れている為、農家には若手の男が不足している。
なので、土地を直ぐに復旧させる事なんかできなかった。
問題なのは時期なのである。
今は夏なのだ。
これからの秋は収穫の時期なのだ。
つまり今は、農民にとって年間をとうして食料が最も少なくきつい時期なのだ。
生きていくだけでもきつい所がほとんどなのだ。
これで、ほとんどの農民は生きていけなくなってしまうのだ。
平壌の主導者のもとで、この危機をどう乗り切るか話されていた。
平壌の最高権力者は、自国でとれた動植物を口にする事はほとんどない。
だが、一般兵士は、普通に食べているのだ。
そして、その一般兵士は農家出身なのだ。
その割合は、9割を越える。
一部の取り締まり部隊だけでは、どうしようもないのだ。
兵士らによる反乱を恐れた北朝鮮の最高権力者たちによって4日かけて話し合いがおこなわれた。
話し合いと言っても主導者のもと、配下の者が意見を言って主導者が納得するまで繰り返しただけなのだが。
その話し合いは、堂々巡りな話を何回もしたため結果を出すのに時間がかかった。
最後には、主導者の鶴の一声で決まった。
『韓国に進軍する!』
という事だ。
更に細かい内容は、決められた。
10年も前から動かしていないような旧式戦車さえ作戦に投入する予定なのだ。
60年ぶりの本格的な戦闘をするためにほとんどの国民が働かせられた。
9/4休戦解除の通告一方的に攻撃直前に行う。ということも決められた。
戦争を始めるのに合意する事なんてあるはずがないが。
なぜ9/4に戦争を始めるのかにも理由がある。
9/4には、中国での盛大な式典がある。
その式典には、目標である韓国の大統領が参加するのだ。
大統領が、国にいない状態で戦争に突入させてしまうのだ。韓国では、大統領抜きで何もかも決めなければいけないのだ。
それは、責める北朝鮮にとって有利に戦闘を進めるのに必要な事なのだ。
午前4時攻撃開始という事も決められた。
これも闇夜に紛れて部隊の移動を行い寝静まった韓国の首都を強襲するための作戦なのだ。
作戦の下準備として9/3の夜から北朝鮮は、韓国に対して大規模なサイバー攻撃をしかける事も作戦の一部とされている。
9/4 4:55韓国国境付近
北朝鮮の兵士達は、進軍の号令をいまかいまかと待ち構えていた。
主力戦車であるソビエト連邦からライセンス生産したT-62戦車改造の暴風号の上には、歩兵が乗ったまま待機をしている。
いわゆるタンクデサントをしている。
さらにどの車両もはいつでも進軍できるようエンジンをかけ、輸送トラックには兵器よりも世界第二位の人数の歩兵が乗せられていた。
さらには、正規軍ではない労農赤衛隊も10万もいた。が、きちんとした装備を持たないただの農民の為武器は、包丁や鎌やつるはしというベトナムゲリラの最低ランクのような部隊だった。
5:00韓国国境
休戦解除を通告
5:02韓国国境
北朝鮮軍は、自分たちの持つ全兵力を韓国の作戦に投入をしていた。
全軍によるミサイル、砲弾の飽和攻撃によりソウルは大混乱に陥ってしまった
在韓米軍の陸軍基地は、第35防空砲兵師団の活躍よって多くのミサイルを撃墜させることに成功していたが、多数の砲弾を受け多くの被害が出ていた。
さらに第2歩兵師団のインディアン・ヘッドの活躍によって局所的なソウル市内では、アメリカ軍はどの方面でも圧倒的な兵士数の差から撤退せざるおえない状況になっていた。
空軍基地にも同様にミサイルによる攻撃を受け、格納庫に命中した為、戦闘機の半数を最初光景で失う事となった。
海軍基地は、今回の式典にあわせて来韓していたイージス艦により防空をこなしたが、4隻のイージス艦だけでは、完全に守る事は不可能だった。
首都ソウルが北朝鮮軍に占領されたのは、9/5のことだった
韓国は、首都ソウルをわずか1日で陥落させられたことによって、大混乱に陥ってしまった。
時間を少し遡る 9/4 10:45
中国では、
【中国人民抗日戦・世界反ファシズム戦争勝利70周年記念式式典】
が中止になった
パレードに出席する予定だった韓国大統領は、急遽、北京の止まっていたホテルで記者会見を開いて宣言した。
『70年の時を経て、また攻撃してきたやつらは、裏切り者の朝鮮人だ。
我々の素晴らしい軍隊があれば、絶対に負けることはありません!
たとえ、首都が攻撃されたくらいで我々韓国人はひるむことは無いのです。
誰の助けもなくこれくらいの問題は簡単に解決する事ができるでしょう
北からの侵攻を許すことはできません。
さぁ!勇敢なる韓国軍人よ!我が領土を守るのです!!! 』
大統領はそう高らかに宣言した。
多くの国々が実は、何らかの形で韓国に対して手をかそうとしていた。
世界では、核を保有している北朝鮮のほうが問題あり、と考えられているのだから。
しかし、韓国大統領はこれを拒否した。
自分達で乗りきれると過信していたのだ。
9/5に戻る
アメリカは、韓国が中国へ行き、パレードに出ることを快く思っていなかったので、韓国牽制の為に
アーレイバーグ級駆逐艦2隻
タイコンデロガ級巡洋艦2隻
この4隻のイージス艦を派遣していた。
韓国を牽制するためにたまたま来ていたイージス艦のお陰で在韓米軍の海軍基地はほとんど無事だった。
アメリカは、在韓アメリカ人を助ける為、韓国を同盟で助ける為以下の艦艇を派遣する事を9/6に決めた。
ブルー・リッジ級揚陸指揮
ブルー・リッジ
ワスプ型強襲揚陸艦
ボノム・リシャール
サン・アントニオ級ドッグ型輸送揚陸艦
サン・アントニオ
ホイッドビー・アイランド級ドッグ型輸送揚陸艦
ジャーマンタウン
アシュランド
アーレイバーグ級駆逐艦4隻
の派遣がすぐに決まった!
アメリカ大統領バラクオ・バマーは、声明を発表した。
『私たちアメリカ人は、今回の北朝鮮による卑怯な攻撃を許す事ができない。
ソウルでは、既に民間人を含めて1万人以上が亡くなった可能性があると見られている。
我々アメリカ人は、同盟国である韓国を救う為に艦隊を派遣する事を決意した。
我が同盟国である韓国を私達は救う事ができると思っている。』
尚、その時も北朝鮮軍は人海戦術による破竹の進撃を続けていた!




