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あなたにこの詩と花束を。

作者: 小野詠都


冷たい風があなたの髪をなびかせる、

頬を赤くして、無邪気に微笑むあなた。


冬の空は深く青くて、ここからはとても遠い、

手を伸ばしたってね、届くはずなんてないんだよ。

そう言ってあなたはまた白い息を吐く、

そして濃紺の空に、その細い腕を伸ばす。

この重い空を持ち上げられるはずなんてないのに、

その小さく華奢な体に、精一杯の強がりと少しの涙を抱いて。


重くて眩い、灰色の空の下。

ひとりぼっちで泣いているのかな。

それでも、青い空を飛びたいと願う、

翼を大きく見せていたいのかな。


―わたしは一人でも飛んでいける、だから大丈夫

―眩い空でも構わない、視界が悪くてもいい


ひとりぼっちの空を掻く、あなたの小さな手。


―寒いよ、怖いよ、ひとりぼっちは寂しいよ。

―もうじき雨が降るよ、みんな濡れちゃうよ。


ねえ、知っているかな、

この空は青くてあたたかくて優しいんだよ。

泣いていいよ、叫んでいいよ、弱くていいんだよ、

それでこの空に虹が架かるのだから。

優しい、青の世界の下のあなたの涙、

あなたが望むのなら、私はその水をすくって笑おう。


あなたにこの花束を贈ろう。

この空と同じ、優しい青の、竜胆の花束を。



最後まで読んでくださり、ありがとうございました。


あなたがこの詩を読んでくれていますように。


竜胆の花言葉は「あなたの悲しみに寄り添う」です。

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