第7巻:『揺れる未来、揺るがぬ想い』
読者の皆様、こんにちは。そしていつもありがとうございます。
『放課後、君の声が聴きたくて』もついに第7巻を迎えることができました。 この巻では、少しずつ夢に向かって歩み出した登場人物たちの、「離れていても、想いは届くのか?」というテーマにまいります。
、心の揺れ、信じる彼らの「未来覚悟」が皆さんの心ば嬉しいです夢と現実、心の揺れ、信じる気持ち──
彼らの「未来への覚悟」が、少しでも皆さんの心に届けば嬉しいです。
それでは、健太と美咲、そして玲奈の新たな一歩を、どうぞ見届けてください。
●第1章:二人の覚悟
春の訪れとともに、美咲はついに主演アニメの放送を迎えた。街にはポスターが貼られ、SNSでは彼女の声に感動したという声が次々と上がる。
一方、健太も新たなバイト先で、アニメ関連の制作補助を任されるようになっていた。小さな一歩だったが、確かな手応えを感じていた。
「俺も、美咲さんみたいに、自分の声を届けられる場所に行きたい」
健太の背中を押してくれたのは、美咲の存在だった。
二人は忙しい日々の中でも連絡を取り合い、短い時間を大切に過ごすようになっていた。以前よりも、言葉ではなく“想い”で繋がっていると実感できる関係になっていた。
そんなある日、美咲が言う。
「健太、私……海外のイベントに呼ばれるかもしれないの」
「それって……すごいことだよ」
「うん。でも、すごく迷ってる。遠くに行くって、簡単じゃないから……」
健太は少し黙った後、しっかりと彼女の目を見つめた。
「俺は、どこにいたって応援してる。行きたいなら、行ってきていい。俺、待ってるから」
その言葉に、美咲は目を潤ませ、深くうなずいた。
●第2章:玲奈の再出発
玲奈は、自ら健太への想いに区切りをつけて以降、少しずつ自分の進むべき道を見つけようとしていた。
あるオーディションで、主役ではなく“脇役”として声をかけられる。
かつての自分なら、きっと落ち込んでいた。でも今の玲奈は違った。
「脇役でもいい。誰かの心に残る声を届けたい」
玲奈は新しい現場で、かつてないほど真剣に役に向き合った。そしてその姿勢が、次第に周囲の評価を変えていく。
そんな玲奈を見ていたディレクターが、ある日声をかける。
「次の企画、主演をやってもらえないか?」
驚きと喜びが交錯する中で、玲奈はそっと心の中で誓った。
(私は私の道を、まっすぐ進む)
●第3章:試される絆
美咲が海外へ旅立つ日が近づくにつれ、二人の会話にも少しずつ“寂しさ”がにじみ始めていた。
「健太、もし……私が向こうで何か変わっちゃったら、どうする?」
「それでも、俺は君を信じるよ」
「……ありがとう」
別れの空港。人ごみの中で、二人はぎゅっと抱きしめ合った。
「行ってらっしゃい、美咲さん」
「行ってきます、健太」
そして美咲は、世界へと羽ばたいていった。
●第4章:それぞれの空の下で
遠距離の不安を乗り越えるために、健太は自身の声優養成スクールに本格的に通い始めた。
授業、発声練習、録音実習──
初めて知る世界に、戸惑いながらも懸命に食らいつく。
一方、美咲は海外のイベントでファンから「Your voice saved me」と伝えられる。その言葉に、涙がこぼれそうになる。
(私の声が、誰かの心に届いた)
その瞬間、美咲はまたひとつ、自分の道を信じられるようになった。
●第5章:交わる未来
数ヶ月後──
健太の元に、美咲から一通の手紙が届く。
>「離れていても、あなたがくれた言葉がずっと私を支えてくれていました。
>私はやっぱり、あなたの隣で笑っていたい。
>帰国したら、もう一度……あなたにちゃんと会いたいです」
健太は、その手紙を何度も読み返し、静かに笑った。
「俺もずっと待ってたよ。帰ってきたら、言いたいことがたくさんあるんだ」
そして、美咲が日本に戻る日──
空港の出口で待っていた健太は、彼女を見つけるとまっすぐに駆け寄った。
「おかえり、美咲さん」
「ただいま、健太」
二人の未来は、まだ不確かで揺れている。
けれど、想いは揺るがない。
第7巻:『揺れる未来、揺るがぬ想い』 完
最後まで読んでいただけました、本当にありがとうございます。
第7巻は、シリーズの中でも少し大人びた「静かな情熱」を描いた巻になりました。
キャラクター達はまだまだ成長の途中。そして
、物語もまだ続いていきます。
次巻では、それぞれの想いが「また集まる瞬間」が描けたらと思っています。引き続き応援できると、とても励みになります!
これからも、あなたの物語に少しでも寄り添っていただけますように。