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推しの声が聞こえる  作者: 鏡野ミツル
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第6巻:『渡る声、想いを抱く』

声優一歩一歩進ん美咲と、彼女をサポートの進むを模索する健全な二人の関係は絆へと育って周囲の変化や新たなチあなた試していきます。、健太自身の「声」が交第6巻。声優として一歩先に進む美咲と、彼女を支えながら自分の進むべき道を歩く健太


これは、夢を追う人々の、器用ではなく、でもまっすぐな想いの物語。

●第1章:新たなる道標


健太は、ゆかりの紹介で小さな音響制作会社のアシスタントとして働くことになる。アニメやラジオ番組の現場に携わりながら、声優という仕事の裏側に触れていく。


美咲は、健太の変化に気づき、少し寂しさを覚える一方で、彼の努力に尊敬の念を抱くようになる。


「私だけじゃない、健太も前に進んでるんだね」


その言葉を健太に伝えると、彼は少し照れくさそうに笑った。


「俺、まだまだだけど……君の隣に立てるようになりたいんだ」


●第2章:玲奈の決意


玲奈は、美咲と健太の関係を尊重しながらも、自分自身の夢と向き合っていた。


ある日、玲奈は一つの決断を下す。


「私、海外の養成所に挑戦することにしたの」


それは、美咲にとっても驚きの知らせだった。


「寂しくなるけど……応援するよ。玲奈ちゃんは、きっともっと羽ばたける」


別れの前日、玲奈は健太にも言葉を残す。


「健太さん、あなたがくれた優しさを、次は私が誰かに返せるように頑張ってきます」


- ●第3章:過去と向き合う


健太は、音響の仕事を通じて再び“演じる”ことへの興味を持ち始める。


その気持ちはやがて、「自分も声優を目指してみたい」という想いへと変わっていく。


しかし、かつて夢を諦めたトラウマが彼の中で立ちはだかる。


「俺なんかに、できるのかな……」


その夜、美咲は健太にそっと囁いた。


「夢を追うあなたも、私は大好きだよ。迷っても、立ち止まっても、私がそばにいるから」


●第4章:選ばれる声


美咲に、劇場版アニメのヒロイン役のオファーが届く。これは、誰もが憧れるような大きなチャンス。


だが、その役を巡って、彼女ともう一人の実力派声優との“最終オーディション”が行われることに。


プレッシャーの中、美咲は自分の声が「誰かに届く」ものであることを信じて挑む。


そして、オーディションの帰り道。


「私、自分の声が好きになれた気がする。誰かの背中を押せるような、そんな声に――なりたい」


健太は、そんな彼女を抱きしめて答える。


「もうなってるよ。俺の背中を、ずっと押してくれてる」


●第5章:交差する想い、未来へ


数か月後。美咲はヒロイン役に正式決定。健太も、研修を経て、音響監督見習いとして現場に立ち始める。


二人は、ようやく夢の“スタート地点”に並ぶことができたのだった。


ラストシーン――


美咲の出演する劇場版のアフレコ現場。緊張する彼女の手を、健太がそっと握る。


「君の声が、きっと誰かを救う。俺が、そうだったから」


彼女は微笑み、マイクの前に立つ。


「行ってきます、健太」


照明の当たるスタジオで、美咲の声が静かに響く。


第6巻『交差する声、重なる想い』完


ここまでお読みいただき、本当にありがとうございます。

『推しの声が聞こえる』第六巻『すれ違いの雨、そして光』では、それぞれの選択と決断、そして少しだけの痛みを描きました。


人と人との関係は、時に小さなすれ違いから大きな壁に変わってしまいます。それでも、相手を想い続けることで、乗り越えられる瞬間があると信じて、この巻を書きました。


美咲と健太、そして玲奈。それぞれの想いが交差しながら、少しずつ「大人」になっていく過程を見守っていただけていたら幸いです。


次巻では、ついに「未来」への第一歩が踏み出されます。誰かの夢を支えること、誰かと共に夢を見ること。その意味が、もっと深く、もっと熱く描かれていきます。


これからも、彼らの物語をどうぞ見届けてください。


また次の巻で、お会いしましょう。


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