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推しの声が聞こえる  作者: 鏡野ミツル
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第55巻:『二人の歩幅』

読んでくれてありがとうござい。第55巻は、これまでの流れから一転し、太健と美咲が関係を育む」暫定的なお話です。皆さん、いつもお読みでよろしくお願いします。

第55巻は、これまでの流れから一転し、太健と美咲が「関係を育む」しばらく続いたお話です。


瞬間のときめきよりも、日常の寄り添っていける本質だと思います。40代になった健太が「歩幅」、若いなかっ「愛の」ないかもしれません。恋愛というは、出会いの瞬間のときめきよりも、日常の中でどう寄り添っていけるかが本質だと思います。

40代になった健太が「歩幅」を合わせていくこと。


この巻では、そんな穏やかだけど深い関係の一端を、皆さんにそっとお見せできたらと思いながら、書きました。

●第1章:静かな決意


春の風が吹き始めたある日、健太は小さなカフェの窓際に座り、ノートに自分のこれからを綴っていた。


「40代。独身。友達も少ない。でも……今は、美咲がそばにいる。」


彼は、これまでずっと自分に足りなかった“寄り添う誰か”の存在を、ようやく感じられるようになっていた。それと同時に、自分がどう生きたいのかを、真剣に見つめるようになっていた。


美咲と過ごす時間は、以前のどんな時間よりも穏やかで、優しくて、かけがえのないものだった。


●第2章:価値観のすれ違い


しかし、そんな平穏にも小さな亀裂が生まれる。


ある週末、健太と美咲はショッピングモールへ出かけた。その帰り道、些細な言い合いが始まった。


「健太って、いつも計画立てないよね。」


「え? それ、急にどうした?」


「別に怒ってるわけじゃない。ただ……私、将来のこともちゃんと考えてほしいの。」


将来。


その一言に、健太の表情が曇った。彼にとって「将来」とは、いつも逃げてきたテーマだった。


「俺、正直、まだ自信ないんだ。40代になって、今さら“未来”とか言っても、笑われる気がして……」


「そんなことないよ。」

美咲の声は真剣だった。


「私は、健太の今も、これからも一緒にいたい。でも……“一緒にいる”って、ただ気持ちがあるだけじゃなくて、進む方向も、歩くペースも考えることだと思う。」


二人の歩幅。気持ちは近づいているのに、歩幅が少しずつずれている。


●第3章:再確認


数日後、健太は一人で夜の河川敷を歩いていた。かつて、孤独だった日々を思い出す。美咲と出会って、自分がどれほど変われたのかを、あらためて感じていた。


「……俺は、変わった。少しずつだけど、前に進んでる。なら……もう逃げるな。」


スマホを取り出し、美咲にメッセージを送った。


《今度、ゆっくり話がしたい。ちゃんと将来のことも話そう。》


●第4章:二人の歩幅を揃えて


翌日、いつものカフェで待っていた美咲に、健太は笑って言った。


「話、聞いてくれる?」


「うん。」


「俺、まだ怖いこともあるけど、美咲とだったら……未来のこと、一緒に考えていけるかもしれないって思った。」


「健太……ありがとう。」


「だから、ゆっくりでいい。俺たちの歩幅で、一緒に進んでいこう。」


美咲は小さく頷きながら、健太の手をそっと握った。


二人の手は、ぎこちなくも確かに繋がっていた。


第55巻・完

読了、お疲れ様でした。


健太と美咲、それぞれの「歩幅」の違いにつつも、悩みを少しずつ少しずつ距離を縮めていきました。人

と人が本当に納得するには、時間も覚悟も必要です。でも、ゆっくりでも、前進寄れるなら——それはもう十分に「愛」だと思うのです。


次巻では、健太がいよいよ「将来」に向けた動きを始めます。小さな一歩をどうぞ、応援してやってください。


いつも支えてくれる読者の皆様に、心からの感謝を。

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