表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
推しの声が聞こえる  作者: 鏡野ミツル
5/58

第5巻:『それぞれの想い』

【前書き】


こんにちは、作者の鏡野ミツルです。


いつも本作をご覧いただき、本当にありがとうございます!


第5巻では、健太と美咲、それぞれの想いが交差し、少しずつ前へと進んでいく様子を描かせていただきました。恋愛って、自分だけの気持ちじゃ成り立たないんですよね。相手の気持ちも、環境も、未来への不安も、全部が絡み合って揺れていく……そんな「恋のリアル」と「ラブコメの温度差」を意識して書きました。


少しシリアスに寄った巻ですが、健太の不器用さと、美咲の頑張りが皆さんの心に届いてくれたら嬉しいです。


それでは、どうぞ本編をお楽しみください!


●第1章:揺れる心


玲奈の健太への告白を受け、美咲の心には見えない棘が刺さっていた。恋愛感情というよりも、誰かが自分と健太の間に入り込もうとしていることへの戸惑いだった。


「私、何を悩んでるんだろう……健太の気持ちは聞いたはずなのに」


美咲は仕事に集中しようとするも、健太の優しさが浮かんでは消えていく。


一方、健太もまた葛藤していた。玲奈の真剣な想いを否定することはできず、かといって自分の気持ちはもう固まっていた。


「俺が好きなのは……美咲さんだけなんだ」


そんな折、健太は玲奈と再会し、正直に話すことに決めた。


「玲奈さん、ごめん。君の気持ちは嬉しい。でも、俺は美咲さんのことが好きなんだ」


玲奈は少し寂しそうに微笑みながらも、頷いた。


「ちゃんと伝えてくれてありがとう。美咲さんを、幸せにしてあげてください」


●第2章:すれ違いの兆し


気持ちを確かめ合ったはずの健太と美咲だったが、現実はそう簡単には進まなかった。


美咲は新しいアニメの主役に抜擢され、プロモーションやイベントで多忙な日々が続く。健太との時間は減り、連絡も取りづらくなっていった。


「仕方ないよな……彼女は今、大事な時期なんだ」


健太は理解しようと努めるが、孤独な時間が増えるにつれ、不安と寂しさが心を蝕んでいく。


そんなある日、健太は偶然、過去に自分が大ファンだった声優・早乙女ゆかりと再会する。彼女は引退後、講師として若手声優の育成をしていた。


「あなた、昔よりずっといい顔してるわね」


ゆかりとの再会は、健太にとって自分を見つめ直す機会となる。


●第3章:それぞれの選択


美咲は次第に精神的なプレッシャーを感じ始めていた。主演という責任、ファンからの期待、そして健太との距離。


ある夜、ついに限界を迎えた美咲は、健太に電話をかける。


「健太……会ってもいい?」


健太はすぐに向かい、彼女の震える手をそっと握った。


「全部、抱え込まなくていい。俺がいる。だから……頼っていいんだよ」


涙を流す美咲に、健太は初めて自分の想いを強く伝えた。


「君を、絶対にひとりにしない」


●第4章:絆の証


その日を境に、美咲は少しずつ変わっていく。自分一人で抱え込むのではなく、周囲の助けを信じるようになった。健太とも短いながらも定期的に会い、二人の時間を大切にするように。


一方、健太もまた、自分の生活を立て直す決意をする。コンビニのバイトを続けながら、声優やアニメ制作の仕事に関われる職場を探し始めた。


「俺も、変わらなきゃな……彼女の隣に立つために」


●第5章:未来を見つめて


巻の終盤、美咲はラジオ番組の生放送で、「大切な人」について語る。


「私には、支えてくれる人がいます。表には出ないけれど、私の一番の味方でいてくれる人。……その人に、ありがとうって伝えたいです」


その放送を聴いた健太は、胸がいっぱいになった。


「……俺も、ちゃんと答えなきゃな」


物語のラスト、美咲が健太に語る。


「健太、私……あなたの隣にいられるように、もっと強くなりたい」


健太は微笑みながら、彼女の手を握る。


「一緒に、進んでいこう。未来へ。」


第5巻『それぞれの想い』 完

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ