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推しの声が聞こえる  作者: 鏡野ミツル
47/58

第47巻:『言葉の彼方へ』

それは、言葉の壁がなくなるという希望である時代、

「伝えたつもりで、現実ってない」そんな違和感を瞬間的に感じも多くてきました。


第47巻では、「言語」の素晴らしさと、言葉では表現しきれない「気持ち」の狭間をテーマにしました。テクノロジーが進化すればする

ほど、人間らしさが浮き彫りになります


「翻訳できない想い」が、あなたの心にも静かに届きますように。

●第1章:翻訳できない想い


次なるテーマに選ばれたのは「言語」。

健太は、AI翻訳が当たり前となった社会の中で「本当に伝わっているのか?」という違和感に注目する。どんな言語も即座に翻訳され、世界は“通じ合った”かのように見える。でも、そこにあるのは“意味”だけで、“感情”ではなかった。


「ことばじゃない何かを、届けたい」

そう思った健太は、ひとつの物語を構想し始める。


●第2章:音のない手紙


物語の主人公は、聴覚を持たない少女・凛と、海外から転校してきた少年・リアム。

AI翻訳メガネを通じて、お互いの言葉は簡単に“理解”される。しかし、凛の使う手話や表情の“ニュアンス”は、AIでは訳せないままだった。


「伝わってる?」と聞く凛に、リアムは何も答えられなかった。ただ意味が表示されるだけ。

そこに、気持ちはなかった。


●第3章:翻訳の限界


映画の中盤、リアムは手話を学び始める。AIを外して、自分の手で「君を知りたい」と伝えたかったからだ。

だが凛は戸惑う。


「どうして不便な道を選ぶの?」


リアムは答える。


「不便な道だから、そこに気持ちが生まれると思った」


言葉にできないものを、あえて言葉にしようとする行為こそ、心の橋を架ける鍵なのかもしれない。


●第4章:共鳴する沈黙


終盤、凛とリアムは言葉を超えて通じ合う瞬間を迎える。そこには手話も、AIもなかった。ただ一緒に流した涙と、そっと握った手のぬくもり。


健太はその場面を「無音」で演出した。音も字幕も排除され、観客は“わからなさ”の中で、二人の心の動きに向き合う。


そして誰もが、何かを感じ取った。


●第5章:ことばのその先へ


『言葉の彼方へ』は、SNSで「こんなに“静かな映画”で泣いたのは初めて」という感想が溢れた。

AI翻訳が進歩しても、翻訳できない“気配”や“想い”があることを、映画は静かに語っていた。


「伝えたい」という願いは、翻訳以上のものを生む。


第47巻、完。

この巻を書いていて、何度も「言葉ってなんだろう」と気づかなかった


「伝える」と「伝わる」は、一致しません


次巻では、さらに言葉を超えた「記憶」と「死者との対話」という深いテーマに挑みます。また

一歩、踏み込んでいきます。

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