第47巻:『言葉の彼方へ』
それは、言葉の壁がなくなるという希望である時代、
「伝えたつもりで、現実ってない」そんな違和感を瞬間的に感じも多くてきました。
第47巻では、「言語」の素晴らしさと、言葉では表現しきれない「気持ち」の狭間をテーマにしました。テクノロジーが進化すればする
ほど、人間らしさが浮き彫りになります
。
「翻訳できない想い」が、あなたの心にも静かに届きますように。
●第1章:翻訳できない想い
次なるテーマに選ばれたのは「言語」。
健太は、AI翻訳が当たり前となった社会の中で「本当に伝わっているのか?」という違和感に注目する。どんな言語も即座に翻訳され、世界は“通じ合った”かのように見える。でも、そこにあるのは“意味”だけで、“感情”ではなかった。
「ことばじゃない何かを、届けたい」
そう思った健太は、ひとつの物語を構想し始める。
●第2章:音のない手紙
物語の主人公は、聴覚を持たない少女・凛と、海外から転校してきた少年・リアム。
AI翻訳メガネを通じて、お互いの言葉は簡単に“理解”される。しかし、凛の使う手話や表情の“ニュアンス”は、AIでは訳せないままだった。
「伝わってる?」と聞く凛に、リアムは何も答えられなかった。ただ意味が表示されるだけ。
そこに、気持ちはなかった。
●第3章:翻訳の限界
映画の中盤、リアムは手話を学び始める。AIを外して、自分の手で「君を知りたい」と伝えたかったからだ。
だが凛は戸惑う。
「どうして不便な道を選ぶの?」
リアムは答える。
「不便な道だから、そこに気持ちが生まれると思った」
言葉にできないものを、あえて言葉にしようとする行為こそ、心の橋を架ける鍵なのかもしれない。
●第4章:共鳴する沈黙
終盤、凛とリアムは言葉を超えて通じ合う瞬間を迎える。そこには手話も、AIもなかった。ただ一緒に流した涙と、そっと握った手のぬくもり。
健太はその場面を「無音」で演出した。音も字幕も排除され、観客は“わからなさ”の中で、二人の心の動きに向き合う。
そして誰もが、何かを感じ取った。
●第5章:ことばのその先へ
『言葉の彼方へ』は、SNSで「こんなに“静かな映画”で泣いたのは初めて」という感想が溢れた。
AI翻訳が進歩しても、翻訳できない“気配”や“想い”があることを、映画は静かに語っていた。
「伝えたい」という願いは、翻訳以上のものを生む。
第47巻、完。
この巻を書いていて、何度も「言葉ってなんだろう」と気づかなかった
。
「伝える」と「伝わる」は、一致しません
。
次巻では、さらに言葉を超えた「記憶」と「死者との対話」という深いテーマに挑みます。また
一歩、踏み込んでいきます。




