表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
推しの声が聞こえる  作者: 鏡野ミツル
40/58

第40巻:『誰が物語を語るのか』

物語を語るのは誰なのか――。

この問いは、きっとこれからの時代、避けて通れないものになっていくのだと思います。


AIが詩を書き、絵を描き、音楽を奏でられるようになった今。

それでも、人が物語を語り続ける理由はどこにあるのか。


この巻では、脚本家・健太とAI「リタ」の対話、「物語を紡ぐ意味」について冷静に考えました。

機械と人間、正しさと解決さ。

その境界にこそ、物語の命が宿るのだと信じて――。


●第1章:人工知能と脚本家


健太のもとに届いたのは、映画制作会社からのオファーだった。

それは、「AI脚本生成ツールとの共同制作プロジェクト」――つまり、人間と人工知能が共に脚本を作るという実験的な企画。


健太は最初、戸惑いを隠せなかった。


「物語を語るのは、人間の心だろ?」


だが、AIが生み出したプロットにはどこか既視感と冷たさがありつつも、不思議な魅力もあった。



●第2章:AIの“物語力”


健太は、AIの名を「リタ」と呼ぶようになる。彼女(と健太は感じた)は、大量のデータから分析し、感動を“数値化”して脚本を生成する。


「父を亡くした少女が、星に願いをかける」という設定を提案された時、健太は試してみることにした。


だが読み進めるうちに、感情の描写や余白のなさに違和感を覚える。


「お前の“感動”は、正しすぎる。でも…それじゃ、泣けないんだよ」


●第3章:人間の“余白”


健太は、自分の思い出を語り始める。少年時代、父と見た流星群。言葉を交わさなかったが、確かにそこに“愛”があった。


それを脚本に反映させると、リタはこう返した。


>「感情の説明が不足しています。観客に伝わりにくい可能性があります」


健太は思わず笑った。


「それでいいんだよ。説明できない感情こそ、人間の“物語”なんだから」


●第4章:対話の先に


健太はリタとの“対話”を続けながら、脚本を人間とAIのハイブリッドとして仕上げていく。

その過程は、あたかも未知の言語を理解し合うような、不思議な体験だった。


「AIが物語を“書ける”としても、それを“語る”のは、やっぱり人間だ」


その結論に至った時、健太はリタにこう語りかける。


「ありがとう。君がいたから、俺は“人間らしさ”を考え直せた」


リタは静かに応えた。


>「あなたが語る物語に、人が涙する理由が、少しだけわかった気がします」


●第5章:物語の未来へ


完成した映画『アンドロイド・ストーリー』は、AIが共著した初の劇場作品として注目を浴びる。


だが健太にとっての収穫は、数字ではなかった。


「物語は進化しても、“心”は置き去りにできない。俺はこれからも、人の手で、物語を灯していく」


夜空にまたたく星の下で、健太は新たなシナリオファイルを開いた。


第40巻、完。

リタの論理と、健太の情熱


「完璧な物語」ではないかもしれません。

でも、それは「誰かの心に寄り添う物語」だったと思います。


健太の旅は、また一つの節目を迎えました。そして

、新たな問いと出会いは続いていきます。


物語を「正しく」語ることより、物語に「生きる」ことを。そんな

姿勢をこれからも描き続けていきたいと思います。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ