第16巻:『交差する未来』
この物語も、ついに第16巻を迎えることができました。
「渡る未来」というタイトルには、これまでの歩みの中で再び出会い、想いが越え、新たな物語が生まれる瞬間を込めています。
人生は時には、時には重なり合いながら、私たちを成長させてくれます。 健太と美咲の関係も、その象徴的なようなものかもしれません。
過去を乗り越えてプロとして再び見つめたい、想いを胸に未来へ踏み出す二人の姿が、あなたの心に何か温かいかな灯ともせたなら、それ以上に嬉しいことはありません。
では、ページを公開してみてください。 きっと、また、胸を震わせる「交差点」がそこにあります。
●第1章:舞台裏の再会
美咲が主演を務めた映画が公開され、世間の注目を一身に浴びていた。一方、健太のアニメ作品も高評価を得て、彼は今や業界でも注目される存在となっていた。
そんなある日、ある大型プロジェクトの打ち合わせで、二人は偶然同じ制作チームに名を連ねることとなる。
「このプロジェクト、主演は君だったんだね」
「まさか…健太が監督候補に上がってるなんて。運命…なのかな」
互いの努力が、また新しい形で交差する。過去とは違う“プロとしての再会”に、胸の奥が熱くなるのを感じる二人。
●第2章:迷いと覚悟
しかし、再会の喜びとは裏腹に、プロジェクトの中身は非常に厳しく、立場上、時に意見をぶつけ合うこともあった。
「その演出、ちょっと違うと思う」
「でも、観客に届くにはこれくらい強い表現が必要じゃない?」
かつての恋人としてではなく、“一流の表現者”として向き合う中で、お互いに迷いが生じる。
そんな中、健太はプロジェクトの進行と美咲への気持ちの板挟みに苦しみ、美咲もまた、感情を押し殺してプロとしての顔を貫こうとする。
●第3章:支え合う原点
深夜のスタジオ。雨音が静かに響く中、偶然二人は同じ部屋に残っていた。
「…昔は、もっと素直にぶつかってたよね」
美咲の呟きに、健太が苦笑する。
「今は、大人ぶってるだけかも。でも、本当は…ちゃんと向き合いたいんだ。君と、作品とも」
「私も…そう。あなたとまた、あの頃のように“心”で作りたい」
二人は互いの目を見つめ、再び初心を思い出す。感情をぶつけることを恐れず、支え合うことの意味を再確認した夜だった。
●第4章:再始動
翌日から、空気は明らかに変わった。美咲と健太はそれぞれの立場を超えて、一つの作品に向けて本気でぶつかり合う。時には激論を交わしながらも、心のどこかで相手を信じ、尊敬し合っていた。
周囲のスタッフもその変化に気づき、プロジェクト全体に熱が帯びていく。
「この作品、きっと誰かの人生を変える」
それは、二人自身の人生さえも変えうる作品になっていく。
●第5章:選択と未来
プロジェクトが完成に近づくにつれ、健太には海外からのオファーが届いていた。美咲もまた、世界規模の映画祭に招かれるなど、さらなる飛躍のチャンスを手にしていた。
「もしかしたら…また、しばらく会えなくなるかもね」
「でも、俺たちはきっと…また交差するよ」
お互いにとって、それが“別れ”ではないことを知っていた。再び出会い、また一緒に作品を作る未来がある。その確信が、今の不安を打ち消してくれる。
●第6章:交差する未来へ
そして、作品が完成した。
舞台挨拶の壇上、健太が美咲を見つめながら言う。
「この作品を作る中で、大切な人の存在の重さに、改めて気づきました」
その言葉に、美咲は涙をこらえながら微笑んだ。
未来は、今ここで交差した。
たとえ遠く離れても、心の中ではずっと隣にいる。
そしてまた、どこかで出会うことを信じて。
第16巻、完。
最後まで読んでいただけて、本当にありがとうございます。
第16巻では「再会」と「プロとしての誇り」、そして「選択」が軸になりました。初期の頃と比べて、健太と美咲はかなり「大人」になったと思います。ぶつかり合いながらも、きちんと「信じる」ことができました。
次巻、第17巻も鋭意執筆中です! テーマは「離れていても、つながっている心」。これまでとはまた違った、広い世界の中で二人の姿を描いたらと考えています。
それではまた、どうぞよろしくお願いします。




