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推しの声が聞こえる  作者: 鏡野ミツル
14/58

第14巻:『運命の共演』

〜交わる夢の舞台裏で〜


みなさん、ようこそ第14巻へ。

ここまで読んでくださって、本当にありがとうございます。


この巻では、主人公ふたりが“同じ作品に関わる”という夢のような展開を迎えます。

数年前、まだ何者でもなかったふたりが、それぞれの道を歩み続け、ついに「同じ現場」に立つ。

それは決して偶然ではなく、重ねてきた努力と絆の積み重ねが導いた必然です。


今回のテーマは「共演」――ですが、ただの再会ではありません。

それぞれが立場と役割を持ち、プロとして向き合う難しさ、そして支え合う強さ。

“同じ夢を見ている”からこそ生まれるぶつかりやすさと、心の響き合いを、じっくり描きました。


皆さんの心にも、小さな共鳴が届きますように。


●第1章:舞台の幕が上がる


春の終わり、美咲の出演する話題作アニメの主題歌制作を、健太が関わる制作スタジオが担当することが決まった。

数年前なら考えられなかった“同じ作品で仕事をする”という奇跡のような出来事。


「まさか、こんな形で一緒になるなんて…」


美咲は驚きと共に、嬉しさと少しの不安を抱いていた。

健太もまた、自分の立場のまま彼女と関わるプレッシャーに戸惑いながらも、胸の内は熱く高鳴っていた。


●第2章:同じ場所、異なる視点


制作が始まり、美咲と健太は何度も同じスタジオに顔を合わせるようになる。

だが立場は違う。美咲は主役声優、健太は制作進行補佐。


プロとして現場に立つ以上、感情に流されてはいけないとわかっていても――


「久しぶりに、あなたの本気の演技を見た。…ちょっと、泣きそうだった」


「それを支えるあなたが、すごくかっこよかったよ」


現場の緊張感の中で、互いにしかわからないエールを送るふたり。

絆はさらに深く、静かに強くなっていく。


●第3章:それぞれの試練


だが、作品は順風満帆ではなかった。

主題歌制作のスケジュールが遅れ、音響チームとの意見衝突も起こる。

健太は板挟みにされ、美咲の収録にも支障が出そうな状況に悩まされる。


「何もできないまま、ただ調整ばかりじゃ…俺、意味ないよな…」


落ち込む健太に、後輩スタッフが言う。


「でも、あんたの『ちゃんとやろう』って姿勢が、現場を救ってる。俺、見てたから」


健太は思い出す。夢を追い始めたあの日、そして、美咲と誓った未来。


●第4章:守りたいもの


美咲もまた、監督の演技指導と自分の感情との間で葛藤していた。


「自分らしい演技って何? 求められるままに応えるだけでいいの?」


そんなとき、健太がふと漏らした。


「俺は、美咲さんの演技に救われた人間だから。誰よりも、信じてる」


その言葉が、美咲の中で迷いを吹き飛ばした。


「私が信じる演技を、やる。それが誰かに届けば、きっと意味がある」


●第5章:ひとつの完成


いくつもの困難を超えて、作品はついに完成へ。

主題歌も、ラストシーンのアフレコも、ギリギリのタイミングで全て収録が終わる。


完成披露試写会の夜、美咲はステージ上から客席の健太を見つけた。


言葉にはせず、ただ一瞬、視線が重なる。


「届いたよ、ちゃんと」


心の中で、そう語り合うように。


●第6章:共に進む未来へ


試写会の帰り道、ふたりは夜の街を歩いていた。

静かな時間の中で、健太がぽつりと呟く。


「また、いつか一緒に作品を作れたらいいな。…今度は、もっと対等な立場で」


「うん。きっと叶うよ。だって、私たち――ずっと一緒に夢を追ってきたから」


手を繋ぎ、未来に向かって歩くふたり。

これが終わりではない。

ここからが、新たな物語のはじまり。

第14巻、完。

〜一緒に夢を見ること〜


ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

第14巻はいかがでしたでしょうか。


現場で出会い直すふたり。

夢を追う中で見えてくる、嬉しさや切なさ、不安や希望――

全てを飲み込んで、それでも「一緒にいたい」と思える相手がいることは、何よりも強く、美しいことだと思います。


執筆していて感じたのは、「夢を叶えることは孤独じゃない」ということ。

すれ違っても、重なっても、誰かと歩んでいく夢は、ひとりで抱くよりずっと強い。


次巻、第15巻では、ふたりがさらに一歩、未来へ踏み出します。

ふたりの関係、そしてそれぞれの「次なる夢」にも注目してください。


引き続き、応援よろしくお願いします!

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