プロローグ 三章
三章始まりましたー!
これからは、都市と囚われの街の関係を描きます。
作中では上げてない不自然なところが今まであったと思います。
貨幣が同じ、言語が同じ、考え方文化が同じ。
本来、囚われの街である筈なのに類似している謎。
そこがここから明かされます。
【世界は君が思っている以上に複雑で——】
「——なぁ、俺たちこれからどうしたらいいんだろな」
重苦しい空気のなか志楽浩也が平然とした態度で尋ねてきた。
「知らないよ。学校は卒業まで面倒を見てくれるらしいけど。物資を地球の輸入に頼っていた所為で都市の経済循環は完全に崩れてんだ」
端末を開けば、都心の中心が大爆発したってニュースが連日流れている。突然の大事故と転送装置の消失。
——我々は地球へ帰れなくなった。
いつか、普及するだろという希望的観測を抱くも、流れる情報は不安を煽るものばかり。具体的な解決策が報じられることは一度もなかった。
「なんかテレビでも同じこと言ってたね」
「お前はなんでそんなに……いや、そういえば両親はこっちに暮らしてるんだよな」
「皮肉? 別にいいけど。諦めるには早すぎるんじゃない? そもそも僕らは都市の外で暮らすためにこの学校にきたじゃんか」
僕らは都市外で活動するため、この都立英譚学校へ学びに来た。しかし、その殆どが親元を離れた者たちで、学校の外に出たら居場所は何処にもない。それどころか、人類存続の危機だ。
「その楽観的な考えが羨ましいよ」
僕は懲りずに愚痴を溢した。
思春期特有の自暴自棄。八つ当たりだとはわかっている。一人で生きていける人間だと思って家を出たのに、今は人生が宙に浮くような気がして堪らなく怖い。
俯いてしまった僕に、浩也はしゃがみ混んで目線を合わせる。
「——じゃあさ。俺が会社を起業するからそこに勤めてくれよ」
「……は?」
「俺だって将来は不安だし、地球に置いてきたものはここより多い。だから、二人で大切なものを沢山作ろう」
「お前のところでなんて働きたくない。すぐに潰れそうだ」
「保険だよ。友達が将来困らないよう俺が作りたいだけさ」
浩也はドヤ顔でそう言って親指を立てた。
「馬鹿じゃないの」
ほんと呆れてしまう。そもそも起業する前に都市が滅ぶかもしれない状況なのだ。そんなこともわからないのか。こんな阿呆の会社になんていられない。
「そもそも俺たちはここを発展させるために来たんだ。だから多分大丈夫! 皆、殆ど同じ目的なんだから!」
当時は気づいていなかったが、あの言葉に僕は救われていた。
自分にとって彼は一番の親友で、なくてはならない——恒星だった。
一様言っておきますが、主人公交代はしませんのでご安心下さい。あと、ごめんなさい。明日更新しないかも。就活が忙しいので。
あと、pv数増やすためにTwitterを始めてます。
https://x.com/kgm79ih9zo1773?s=21
これです。
第三章
——世界は君が思っているより複雑で……




