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壱拾陸

 壱拾陸


『さ』

『三べんまわって煙草にしょ』

 江戸時代の首都であった江戸は、世界の都市に比べて群を抜く人口過密都市だった。

 私の記憶はいい加減だが、江戸の人口は百万人程度だったとされており、現代の政令指定都市並みの人口。

 日本は昔から木の文化であり、今も紙の分化は大事にされてきている国である。

 建物は木造以外にありえない時代。

 一度火災が発生すれば、江戸は広範囲にわたって火の海となり、何度も大火による甚大な被害を受けて来た。

 火の用心は江戸に住む者ならば身分の上下に関わらず、願って止まなかったのである。

 火事場泥棒は別だが、この火の用心。夜回りを町内三回周った後で休憩にしようと言ったか言わなかったか、そんなところから発生した言葉で「みっちり仕事してから休憩しなさいよ」といった感じで言い伝えられている。

 労使交渉の席でこの様な発言をしたならば、間違いなく袋叩きに遭うであろうことわざである。

 現代の日本には労働基準法がある、現場で厳格にこの法に従っていたのでは仕事は捗らない。

 労働基準法を遵守している各御役所の仕事の進み具合を見れば結果は歴然である。

 働き方改革で長距離トラックのドライバーは、駐車場を探すのも一仕事になっている。

 だからと言って、法を守らずに【やる気が無いとされている80%】の労働者を奴隷のようにこき使ったのでは、法の監視下にある刑務所にいた方が待遇が宜しいとなり、結果として刑務所が不足してしまう。

 ア〇リ〇や〇ィ〇ピ〇などがいい例で、待遇が良過ぎていくら追い出しても囚人はまた直ぐに戻ってきてしまう。 

 これを再犯率などと言っているが、率のはじき出し方、基本的考え方を見直さなければ、正しい数字は出て来ないと思う。

 刑務所という箱物の増設に伴う諸費用は、税金から賄わねばならない。

 どちらに転んでも、負担はク〇が付くほどに真面目で正直な庶民につけ回される仕組みになっている。

 どの様に解釈しても、法律という奴は弱き庶民の盾になってはくれない。

 真面目過ぎる庶民は、自分で自分の首を絞めている事に気付いていない。

 気付ける筈も無く。子供の頃から勤勉は美徳であり、国民が国家の為に働き税金を納めるのは当然の義務と教え込まれてきている。

 義務があるならば権利も存在する。それも当然の事として教わって来た。今更疑う者は居ないだろう。

 ならば権利を放棄した時に、義務は消滅するのか。

 分かりやすく例えれば、選挙の投票率が激減している昨今、この投票は選挙権という国民の権利によって行使されている筈である。

 選挙に行かない者は権利を放棄しているのであるが、この投票しない人達に対して義務である税金の内、選挙にかかった費用分の減税はあるかというと、無い。

 納税という義務だけが残される。

 義務とは強制であり好き嫌いに関わらずやって来る。

 悪く言えばストーカーのような奴である。

 変わって、権利とは自身の考えにより自由にして良い物となるが、権利を放棄したからといって何も良い事は無い。

 強いて言えば負の相続権の放棄だろうが、これもまた元々無かった借金を相続しなければならなくなった時に放棄できるといった法であるから、余計な手間暇費用を考えると得したとは言えない。

 権利と義務は表裏一体ではない。

 権利に選択の自由は有っても、義務に選択の自由は無い。

 徴兵制度がある国では如実である。

 ちなみに徴兵制度の無い国は、ドイツ・ニュージーランド・アイスランド・インド・日本・アメリカ合衆国(無いのではなくて停止中)イギリス・カナダ・フランス・イタリア・スペイン・ポルトガル・オランダ・ベルギー・サウジアラビア・ヨルダン・パキスタン・バングラデシュ・アイルランド・オーストラリア・赤道ギニア・アルゼンチン・コスタリカ・チェコ・スロバキア・ハンガリー・ニカラグア・ルーマニア・スウェーデン・ポーランド・セルビア・スロベニア・ブルガリア・ブルネイ・アラブ首長国連邦・クロアチア・モンテネグロ・ラトビア・モロッコ・セーシェル・セントクリストファー・ネイビス・ブルキナファソと非常に少ない。(古い調査なので現在は変わっているかも知れない)

 徴兵は義務であり、拒否すれば犯罪者として逮捕拘禁される。徴兵拒否の自由によって刑務所に行くのではない。

 犯罪者としての扱いであり、自由選択の結果ではない。

 何が書きたかったのかと言われると、特にない。

 休憩してもワンと鳴いてもいいのである。

 とにかく、〇そが燃え出してヤ〇ク〇になる時期である。暑さで何時熱中症になって死んでも不思議では無い。

 殺したい奴がいるなら、日中十時から十五時辺りの時間帯に、日当たりのいい場所に車を停めて水無しで閉じ込めたままにするといい。

「まさか死ぬとは思わなかった」と言い張り続け、上手く行けば【業務上】が付かない単なる【過失致死傷罪】の罰金刑だけで済む。


『さわらぬ神にたたりなし』

 どんなに恐ろしい神であっても、関わりさえしなければ怖くは無い。

 嫌いな神、例えば貧乏神・疫病神・死神等々。

 神とは言え御近付になっても、あまり得に成らないような、むしろ百害有って一利無しのタールたっぷりタバコみたいな神には会いたくない。

 しかしながら会いたくない奴に限ってむこうからやって来る。それがヤツラの生業なのだから。

 人間ごときが彼奴等に来るなとは言えないが、登場の予定日くらいは事前に通知してほしい。

 今時、悪魔の如き裁判所の強制代執行でさえ、事前に書留で執行日を教えてくれる。

 それをだ、神ともあろう御方が、職務怠慢としか言い様が無い現れ方をする。

 突然やって来ては「御前はもう死んでいる」って、納得できる筈がないだろ。

 とっくに憑りついているのに、ジワジワ財産を食いつぶしていく貧乏神も、居るならここに居ますと名札くらい下げておいてほしい。

 疫病神にいたっては、神のせいで病気になったのか医者の診立て違いなのか、はたまた気のせいなのか分からない時代になっている。

 神と関りを持たなければ神の祟りを受ける筈ないのだが、人間は神から逃れて生きる術を持っていない。

 ために成るようでためにならない。役に立ちそうな言葉ではあるが、よくよく考えるにまったく使い物にならないことわざでしかない。

 誰だ、こんなフザケタ言葉をヒネクリ出した奴は。

 Let sleeping dogs lie.(眠っている犬は寝かせておけ)こちらの方が現実的だ。

 福の神以外は起すんじゃない! 睡眠薬でも盛って永久に眠らせておけ。

 できれば嫌いな神は始末してしまえばスッキリする。

 対義に【義を見てせざるは勇無きなり】というのがある。

 勇者よ、貧乏神と疫病神と死神を殺っちまってくれ。

 とりあえず、我が家に巣食って長いこやつ等【三柱の神】からお願いしますだ。

 ※ 謝礼は用意できません。


『竿の先に鈴』

 釣りをする人ならば竿の先に鈴が付いている場面は容易に想像できるだろうが、こんなことわざがあると知っている人は少ないだろう。

 知っていたにしても、そのままの意味として受け止めてはいないだろうか。

 なかなか使わない言葉である。

 いったいどんな意味があるのかと言うと【うるさい・騒がしい・おしゃべり・言いたい放題・我儘】といった感じ。

 竿の先に鈴が付いていたのでは、魚が釣れる度にチリンチリンもしくはガランガランと確かに五月蠅いのだろうと勘違いしなくもない。

 ところが、実際の釣りで鈴はよそ見をしていても当たりを見逃さないように音で知らせてくれる。

 五月蠅いほどにドンジャラガラチリ鳴ってこそ存在価値のある物なのだ。 

 そんな貴重で有難い鈴さんを邪魔者使いするなんて、なんて罰当たりな。

 一等六等の違いは在れど商店街の福引ではない、当たりがそうそう頻繁に来る物ではない。

 竿の先の鈴は五月蠅い程に鳴らないし、仮に騒がしいほどに鳴ってくれるなら嬉しいに決まっている。

 簡単にバカスカ魚が釣れたら魚屋は商売あがったりだ。

 この言葉、基本的な部分で大きな間違いを犯してしまっている。

 当時も現代においても、極一部のマニアックな人達以外には見向きもされなくなってしまったことわざに成り下がっている理由が何となく分かる気がする。

 此の世は総て思い込みとは言っても、何事もどの様に思い込むかで行きつく先は違ってくるものだ。

 一言一言、言葉の意味をよーく考えてみよう。きっと疲れてぐっすりゆっくり眠れる。

 考えた末の結論なんかどうでもいい。

 ク〇暑い真夏の夜寝昼寝。いかに安眠するかが問題なのだよ。

 永眠ではない安眠である。くれぐれも勘違いして前者を選ばないでいただきたい。

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