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弱肉強食

掲載日:2023/05/15

 エサになりそうな子供を拾った。


 すぐに食っちまおうかとも思ったが、これでは小さすぎて食いでがない。なので大きくなるまで育ててやろうと思う。人間で言うところの家畜ってやつだろうか。


 俺は鬼である。森を散歩をしていたら、人間の子供が道端で眠っていたので、住処に連れてきた。なぜこいつがあんなところで寝ていたのかはわからないが、ゆっくり食ってやろうと思ったのだ。


 しかし身体の大きい俺にとって、このエサはまだまだ小さい。


 人間が何を食うかはわからないが、とりあえず果物や木の実、鹿や熊の肉を与えてみた。少量ながらも食っている。歯はちゃんとしているし、健康的にも申し分ないようだ。


 せっかく育てるので、どうせなら健康的に成長させて美味しく食べたい。俺はエサの体調もキチンと管理した。病気にさせないように、弱らないように気を配った。


 たまには散歩に連れていった。筋肉を付けさせることも大事だ。エサはとても楽しそうで、その感情も美味しさとなって現れるだろう。


 だが、あまり野菜を食べないので、そこだけは苦労した。肉ばっかり食べさせては味や臭いが悪くなる。出来るだけ野菜を食べさせるようにした。言い含めて、なんとか野菜を多めに食べさせることに成功。今では野菜が大好物だ。


 そんな生活をしばらく続け、エサもある程度大きくなった。まぁまだ小さいと言えば小さいが、贅沢も言ってられない。そろそろ食い時だろう。


「おい。今まで俺がお前を育ててきたのは、お前を大きくして食うためだ。今日この時を俺はずっと待っていたんだ。これから俺はお前を食う。悪く思うな」

「えっ、私を食べる? それ本気で言ってるの?」

「誰がこんなことを冗談で言うか。さぁ大人しく食われろ」

「そっか。これからはご飯を持ってきてくれないってことだね。しょうがないな」


 突然、エサの頭部が開き、俺よりも大きい口が飛び出してきたと思うや、俺に向かって襲いかかってきた。こいつは人間ではなかったのだ。


「自分より身体が小さい相手は全て、捕食対象である。なんて思わないほうが良いよ…って、もう聞こえてないか。ごちそうさま」

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― 新着の感想 ―
[良い点] 鬼に情が芽生えるということもなく、このまま食べられてしまうのかと思いきや… まさかのどんでん返しでした。 “捕食者”からすると「いつでも食えるけど色々世話を焼いてくれたから生かしてやってい…
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